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2023.04.20

『安倍晋三 回顧録』 橋本五郎・尾山宏・北村滋 (中央公論新社)

Th_41jvppffel 西日本ツアー、この日は博多から下関を経由して奈良へ。

 奈良では、霊的としか言いようのないご縁で結ばれた友人たちと、マニアックでディープな懇親会(飲み会)を開催しました。

 メンバーを結んだのは、聖徳太子なのか、出口王仁三郎なのか、はたまた静岡の谷津山なのか…。

 霊的なご縁と言えば、移動の途中、大和西大寺駅にて安倍晋三元総理の御霊に祈りを捧げました。あの事件から9ヶ月以上が経ち、現場はすっかり様変わりしていました。

 ちょうど開発工事中の場だったということにも何か意味があったのかもしれません。

 安倍さんの知られざる功績と苦悩を知るにふさわしい、驚きの内容と量をもったこの回顧録。2月から何度か読み返しました。本当によくここまで語ったなと。まるで遺言のごとく…。

 コロナとの戦い、国内の左翼残党との戦い、世界の猛獣たちとの戦い、そしてご自身の病気との戦い…本当に表面的にはわからない苦労と決断の日々だったことでしょう。

 不思議なご縁で比較的身近に総理夫妻を感じることができた私でさえ、いろいろと勝手な勘違いをしていたのだと反省させられました。

 ごく個人的な裏話になりますが、この本で特に印象に残ったのは、周囲の反対と危惧を乗り越えて、第二次政権に向けて総裁選に出馬することを決意するくだりです。

 私のことを思ってくれる人の多くが、出馬には慎重でした。(中略)私の母も妻も兄も、まだ早いという考え方でした。(中略)

 やる気になったきっかけは菅さんの言葉です。12年の終戦記念日の前後に自宅に来て、「ぜひ出るべきだ」と言うのです。(中略)菅さんが私の家に来たのは、あの時だけですね。

 まさにこの決断の時を私たち夫婦はリアルタイムに体感させていただいています。

 2012年の8月8日に、私は都内某所で安倍夫妻に会い、ひょんなことから11日に夫妻が我が家を訪問するという約束を取りつけました。

 しかし、10日に当時の韓国の大統領李明博が竹島に上陸するという事件があり、11日は昭恵さんのみが我が家にいらっしゃいました。

 実はこの日、官邸での会議が終わり自宅で留守番をしている晋三さんのところに菅さんが訪問したのです。

 そう、ご自宅と我が家で、実は歴史を変えるとんでもないことが起きていたのです。そういう意味では李明博に感謝です(その時は恨んでいましたが)。

 12日にはご夫妻は山口県で合流。我が家からのお土産を晋三さんも受け取りました。

 そして、たしか終戦記念日だったと思いますが、昭恵さんから「主人が総裁選に出ると言って困っている…」という内容の電話をいただきました。そこからの展開は皆さんがよくご存知のとおりです。

 未来に原因があって現在(その時)に結果が出ている…そう考えざるを得ない事実です。その時にはその原因(霊的意図)はわかりません。数年して、数十年して、数百年してようやく答え合わせができるのです。

 一方で晋三さんが亡くなってしまったことに焦点を当てれば、あの日、私と夫妻が出会わなければとも思えますし、李明博が竹島に上陸しなければと考えることもできます。

 しかし、ある意味残酷にも歴史はあのように動いてしまった。

 つまり、私たち人間の思い、考えを超えた意志が働いているということでしょう。安倍晋三元総理の歴史的評価、未来的価値は、きっともっと後の時代にならないとわからないのかもしれません。

 晋三さん、心からそのご苦労をねぎらい、また御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます。ありがとうございました。お疲れさまでした。

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