武藤敬司 引退試合(東京ドーム)
行ってきました!東京ドーム。泣いてきました!
本当に稀代の天才アスリートにして表現者でした。まさに千両役者。
過去と現在と未来、全部盛り。
最後の最後まで予想を遥かに上回るモノを見せてくれました。棚橋も泣きながら言っていましたが、後輩たちはキツいですよね。憧れるけれど追いつけない。こんな引退試合できません。
まさか内藤と戦って散ったあと蝶野正洋と戦うとは。それもレフェリーは服部さん。そして実況は辻さん…。集まった3万人以上のファンの予想を超える夢を見せてくれました。天才。
こういう時は、本当に言葉の無力さを痛感しますね。うまく表現できない。
その点、「山梨県富士吉田市」で始まった古舘伊知郎さんのポエムは素晴らしかったなあ。言葉の魔術師ですよ。
古舘さんの「二元論におさまらない」というのが至言。勝ち負けも超えていましたよ、たしかに。
蝶野選手は「あいつと関わらない方がいい」と言ってましたね(笑)。この表現も絶妙です。たしかに二度負けるという演出は考えなかった。一度負けただけだったら、実際残念な気持ち、寂しい気持ちしか残らなかっただろうなあ。
負けをもって負けを制す…いや違うな。負け×負け=勝ち?いや、それもちょっと違う。なんか初めて味わった不思議な感覚でした。負けて勝つ、国譲りの恍惚感でしょう。いやあ、神の考えること、やることはすごい。
武藤敬司と志村正彦を輩出した富士吉田市は、本当に誇りに思っていいでしょう。二人とも、案外素朴な吉田の青年とおっちゃんなんですがね。武藤さん、今日もドームで「歩って」って方言丸出しだったし(笑)。
実はドームで観戦しようか迷ったんですよ。珍しく。
迷ったらやれ。迷っているということは上り坂にさしかかっているということ。だからアクセルを踏め!って人には言ってるのにね(苦笑)。
本当に負けても明るくカラッとした引退劇。娘さんが言ってましたが、武藤選手は「自分のやることが正しい」と信じる人。だから迷わない…かと思ったら、最後の最後に迷ってましたね。ムーンサルトをやろうか。
いや、あれは家族と医者にさんざん怒られたから、やらないと決めていたことを、あとから「やろうかな」と迷ったものですから、「やめて」正解だったわけです。やめる方向にアクセル踏んだのです。
まあ、これからいろいろご縁がありそうですので楽しみですよ。本当にお疲れさまでした。しばらくはゆっくり休んでください。
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