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2023.02.15

AGIが世界を変える

Th_-20230216-81146 AIという言葉はもう古いのかもしれません。2022年、私たち人類にとってとてつもなく大きな出来事がありました。それが、AGIの登場です。

 Artificial General Intelligence(汎用人工知能)

 私たち庶民のレベルでも使いこなせる自律性の高いAI。もう皆さんも楽しんでおられることでしょう。

 特にOpenAI社の各種サービスは、「おもちゃ」として大変有用有能です。この「おもちゃ」としての部分こそ、Generalということであり、インターネット、スマホなどの旧技術もそこから一般化しました(不謹慎ながら「軍事」と「エロ」も「おもちゃ」に入れさせていただきます)。

 2022年はAIが子供でも使える「おもちゃ」としてリリースされた記念すべき年となるでしょう。1985年のWindows登場以上のインパクトです。

 ChatGPTなんか妙に日本語についてもこなれている感じですよね。どういう人たちが関わっているのかなと思っていたところ、この動画(本編)を観る機会がありました。なるほど、こういう若いグローバルな天才たちが「おもちゃ」を嬉々として開発しているのだなと思った次第です。

 

 

 ここでシェインさんも語っているように、これは単なるトレンドではありません。一時的なブームではなく、間違いなく全く新しい時代の幕開けです。

 もちろんこういうことは、半世紀以上前から予想されていました。今ちょうど新版の校正作業をしている仲小路彰の「未来学原論」(1968)にはこんな一節があります(下線私)。

 

 宇宙的地球文明の創造

 大宇宙は無限の創造力をもって生成流転している。人類もまたこの中にあって、その生命的エネルギーにより、過去のいく多の歴史を形成した。いまその蓄積された文化的基礎の上に科学的機械によって構築された世界文明を全地球的に現出しつつある。
科学はかくて一切のものを改造しつつ、その絶対の勝利を誇っている。ここ約一世紀半にして人類社会はきわめて大きい変貌に驚かされている。エネルギーは石炭から石油、電気、原子力に発達し、これによって産業構造は一変し、人間関係を結ぶ大衆情報メディアがすべての思想を動かしている。
 そして、ついに人間はこの機械的大衆社会の中のみじめな一断片ロボット化そうとして、はては人間の頭脳でさえ人工頭脳によってその地位を奪われようとする。もっとも個性的な表現とされる芸術の領域でも、もはや機械力、技術性をもってはるかに効果的な作品を創造するかの如くである。いわゆる創造的な文化的事業でさえ、科学的技術はきわめて容易に新しい機能を表すこともできるとされる
 この間にあって、果たして人間は何をなすべきであるかとの主体としての人間反省がなされる。およそ人間の存在理由はいかなるものであるか、これは人間の幸福がこの機械の勝利によって達成されるかどうかの問題に直面する。

 

 たしかに、OpenAIが提供するAGIには、絵画、音楽、3Dモデルなどの芸術分野があり、またChatGPTは小説や詩歌を巧みに創造しますね。

 仲小路が上記文章の最終段落で述べていることこそ、2023年以降の私たち人類の課題です。

 特に教育の分野の大変革は必須でしょう。というより、もし巷間言われているような「AIに仕事を奪われる」ということが起きるなら、まず最初に淘汰されるのは「先生」と言われてきた職業の中で安穏とあぐらをかいていた人々でしょう。

 私は、仲小路が提示してくれている人間の「生命的エネルギー」こそが、AIの到達し得ない能力…あえて簡単に言えば「未来の情報にアクセスする能力」…であると信じていますので、特に心配はないどころか、過去の情報へのアクセスはAIに任せておけばよいと思うと気が楽になりますね。

 つまり、これからの人間の「学習」は、いかに未来の情報にアクセスするかにフォーカスされるべきであり、今までの「教育」「学校」はほとんど意味がなくなるということです。

 とはいえ、まだまだAGIも赤ん坊みたいもの。それも妙に大人びた赤ん坊で、実にテキトーなことをそれらしく語ってくれています。ツッコミどころ満載で、まさに「おもちゃ」として私を楽しませてくれます(笑)。

 たとえば、ChatGPTに「不二草紙について教えて」と入力すると、こんな「それらしい」文章を出力してくれます。どういうデータにアクセスしているのか、逆に興味がわきますね(笑)。

 ん? いや、もしかすると未来の情報にアクセスしているのかも。千年後には私のこのブログはこういう評価を得ているのかもしれない??ww

 

「不二草紙」は、鎌倉時代に書かれたとされる書物で、禅宗の教えをまとめたものとして知られています。作者は不詳で、草書で書かれた典籍です。

「不二草紙」は、禅宗の教えを平易な言葉でまとめたものであり、禅宗初心者でも理解しやすい内容となっています。この書物は、不動明王という仏教の守護神を祀る護摩堂の宝物として、その秘伝書として保管されていたことが知られています。

「不二草紙」には、仏教の教えである「六波羅蜜」と、禅宗の教えである「六祖壇経」をまとめて解説したものが含まれています。また、禅宗の悟りの境地を表す「五位」や「十牛図」などの解説も含まれています。

「不二草紙」は、禅宗の教えについての理解を深めるために多くの人々に読まれ、その影響力は大きかったとされています。現在でも、禅宗の教えを学ぶ際の重要な資料として、多くの人々に愛読されています。

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