『愛国者は信用できるか』 鈴木邦男 (講談社現代新書)
鈴木邦男さんが先月お亡くなりになりました。
なんちゃって右翼を批判し、ある部分では左(&リベラル)側と共闘するという立場は、もしかすると私に近いものがあるかもしれません。
また、プロレスファンという意味でも親近感を覚えます。というか、プロレスファンはバランス感覚に優れるんですよね。どちらかに偏りすぎない。
この本も素晴らしいですよ。なにしろ、真正右翼でありながら、あとがきの最後に「いっそ日本一の『反日本』『売国本』と呼ばれたい」と記すくらいですからね。
これもよくわかります。あまりに、なんちゃって右翼、いやなんちゃって保守が多すぎますので。というか、保守、リベラル、スピリチュアル、陰謀論者など、ネットの影響を受けた過ぎた方々はみんな、「なんちゃって」か「勘違い」か「金儲け」のいずれかです。
皆さんはどれですか?(苦笑)
鈴木さんは「愛国心」という言葉に嫌悪をいだきます。それは三島も同じでした。
「愛」ではなく「恋」でいいのでは…これは最近書いた私の記事にも通じますね。
民権から国権へ。それは恋から愛への転換と相似形です。純粋な内的心情を離れ、強権的な外的規定にある意味安住する。
日本は貴重な論客をまた一人失いましたね。いよいよ私たちの世代が頑張らねばならない。そう思いました。
最後に、鈴木邦男さん、大変な読書家であられたこともあって文章が素晴らしい。文体がよい。
それなのに、デジタル化した際、スキャナーを使ったのでしょうか、前半に看過できない誤植がありました。講談社さん、しっかり!
○征韓論 ×征韓諭
○違い ×遠い
スキャンの際によくある誤認識です。
Amazon 愛国者は信用できるか
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