山田玲司が語る小津のすごさ
なぜかこのタイミングで小津安二郎ネタが続いております。特に理由はないのですが、こうして数年に一回、マイ小津ブームが起きるのは面白い。
山田玲司さんとはほぼ同世代。小津との出会いもだいたい頃ではないでしょうか。リアル世代ではないからこその熱さというのがあるじゃないですか。この動画での山田玲司さんの興奮具合はよくわかります。
ここでも一部語られている小津の特徴、あるいは静かな狂気、不自然な自然さというようなものは、まあもう充分に語り尽くされているところですが、やはり漫画家からの視点、あるいは美術史的な視点はさすがというべきです。
なるほど漫画家と同じように画面を構成していったわけですか。たしかに特徴的なカットバックも漫画のコマ割り的ですね。
ちょっと不謹慎なことを告白します。
実は最近、小津を再鑑賞する時、なんと倍速で観るのです!
あのテンポ、間がいいのに、なんということをするのだと怒られるのは承知です。
しかしですね、もう何度も観ていると、あのテンポ、間が完全にわかってしまっているので、倍速で観ても同じような体験ができるのですよ。
だって、好きな漫画、何度も読むじゃないですか。その時のスピードってだんだん速くなったりしませんか。あるいは一部飛ばし読みしたり。
そう、漫画に限らず、たとえば小説を読む時も、私たちは自分なりの速度を自分なりに調整して読んでいるわけですよ。
最近、動画の倍速をタイパで説明しながら批判する人がいますが、いや待てと。黙読、あるいは音読もだけれども、もともと記録されたものの再生速度って自由なのではないでしょうか(ただし、音楽を除く…その理由はいつか)。
もちろん小津作品は、最初は普通の速度で観てもらいたい。次は自由な速度で観るというのも楽しいですよ。気になるところ、好きなところは等速でとか。
それはいわゆる劇場での映画体験とは違うかもしれませんが、もう実際こうしてスマホの中に小津映画が再生される時代になったわけでして、いくら保守的な小津でも、なるほどと面白がってくれると思います。
小津安二郎、未体験の方はぜひこの機会にどうぞ。山田玲司さんおススメの「お早よう」や「東京物語」はもちろん、私は「秋日和」と「浮草」が好きです。
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