村下孝蔵 『初恋』
言うまでもない名曲。私の名曲(名旋律)ファイル「Melodies」にももちろんエントリーしております。
この曲の魅力はまさに旋律の妙にあります。入りのメロディーも素晴らしいのですが、やはりサビ(どこがサビだ?…いちおう「好きだよと〜君を探してた」までとします)が絶品ですよね。
サビ前半の比較的平坦な作りから、後半のうねるような展開の対比はすごい。
あと、案外注目されませんが、コード進行にも特徴があります。
「初恋」=「胸キュン」でありながら、最近のJ-POPやJ-ROCKでやりがちな(日本人大好きな)「胸キュン進行」(ソ→ソ♯→ラ、G→E7→Am)は安易に使わず、しかし、楽曲全体の中では絶妙に「ソ(G)」と「ソ♯(E)」がせめぎあい、交代しあって、結果として胸がキュンキュンしますよね。
歌詞とコードとメロディーが見事にマッチした神曲でしょう。
それがなんだか昨年ある意味炎上しましたよね。そう、あの令和版MV。
う〜ん、これは…。たしかに、この曲に思い入れがあればあるほど(つまり、オジサン、オバサンであるほど)「許せない!」と思ってしまいますよね。
いや、娘たちに聞いても「これはない」ということでした。いやいや、ウチの娘たちは「オヤジ」だからな(笑)。皆さんはどうお感じになりますか。
もともと、こういう名曲は、それぞれの脳内で映像が出来上がっているので、あえてMVを作る必要もないのですよね。
今の音楽は映像ありきです。もちろん、本来の音楽はそういうものだったので、私は昭和の「レコード文化」「ラジオ文化」の方が歴史的には異常だったと思っています。
それは悪い意味ではなく、異常に「音」世界が発達したということでもありますが。
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