『永遠のジャンゴ』 エチエンヌ・コマール監督作品
今日は天才ジプシー・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの誕生日。
この作品の中でも、誕生日1月23日と書かれた書類が登場しますね。
ジャンゴは1953年に若くして亡くなっていますから、今年は没後70年の年でもあります。
私は高校時代から天才ジャズ・ヴァイオリニスト、ステファン・グラッペリの大ファンでしたから、自然とジャンゴの音楽に触れる機会が多くありました。
ジャンゴの音楽のすごさは知っていたつもりでした。特に、火傷のために左手はほとんど人差し指と中指しか使えなかったために、独特の奏法を編み出し、さらにそこから常識を破った和音進行やパッセージを生み出してしまった点に関しては、人生の大きなヒントをもらったような気がしていました。
しかし、今回、この映画を観て、その時代性というのを初めて意識することになりました。
思えば、仲小路彰の研究を通じて、1930年代 40年代のフランスに遊学していた日本人について、いろいろと知る状況になっておりましたが、ジャンゴが同時代にナチス・ドイツにこのように苦しめられていたという発想はありませんでした。
それにしても、様々な映画で、ナチス時代のドイツ人は本当に極悪非道な人間として描かれ続けますね。まあ、そうだったのでしょうが、本国ドイツ人はどのように感じるのでしょうか。
この映画のすごいところは、その演奏シーンです。ジャンゴ役のレダ・カティブはじめ、みんな自然で上手なのです。
役者が演奏者になれるまで練習したのか、演奏者が役者になれるまで練習したのか。
音楽映画の難点である(音楽に限らず専門分野全てですね)不自然さが最低限に抑えられており、結果として集中して鑑賞することができました。すごいですね。
蛇足になりますが、こうして映像でジャンゴの演奏(のコピー)を見ますと、あのフィンガリングって、三味線のそれに近いことがわかりました。
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