高中正義&野呂一生 (Crossover Japan '05)
昨日はギター音楽の世界に革命をもたらしたジャンゴ・ラインハルトの映画を紹介しました。
そこにも書いたように、彼はギタリストとしては致命的な「障害」を持っていたのですが、それをプラスに転じて、「健常者」が発想しえない新しい音楽を創造してしまいました。
それから40年ほどして、ギターの世界はここまで発展しました。アコースティックからエレクトリックへ。ジャズからクロスオーバー(フュージョン)へ。
音楽史、楽器史的には、非常に濃密かつ速い時代だったと言えましょう。
そのプロセスにおいて、日本人ギタリストや日本の楽器メーカーが果たした役割は小さくありません。
18年前のこの素晴らしい動画を観て聴いて、そんなことを思わずにはいられませんでした。
まさにクロスオーバー。高中さんと野呂さんがこうして共演し、お互いの曲をリスペクトをこめて演奏する様子には、感動せずにはいられませんね。
最強のおじさんが遊びながら最高の演奏を披露するという、なんとも幸せな空間と時間です。
やはり日本人独特の「職人性」というのが、この時代にはまだ生きていましたよね。それこそが強い日本を作っていたのでしょう。
この時代のフュージョンに私以上に詳しくなってしまった長女と話したのですが、最近の男はギターを弾かないと。というか、全般的に女にモテようとしないと。職人はかっこいいのに!と。
ウチの娘がちょっとおかしい若者なのかもしれませんが(笑)、いや、実際今どきの若い男はどうもこういうパワーが足りないような気がしますね。
社会がそういう方向に導いてしまっているからでしょう。過度のフェミニズムや男女平等、そして二次元での疑似恋愛。
ある意味平和ではありますが、芸術や文化は生まれませんね。どうしましょうか。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- AIで創る「新しいバロック音楽」(2025.05.14)
- 古文訳J-POP(有隣堂しか知らない世界)(2025.05.12)
- 『砂の小舟』 丹波哲郎 監督作品(2025.05.08)
- 『Baby, I Love You』by Suno AI v4.5(2025.05.07)
- 『Tokyo Jazz』by Suno AI v4.5(2025.05.04)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 光明寺さん(小山市)で思う(2025.05.23)
- 榮山寺のカオスとコスモス(2025.05.22)
- 吉野〜南朝の幻影(2025.05.21)
- 『超国宝』展 (奈良国立博物館)(2025.05.20)
- 私的「大鹿村騒動記」(2025.05.18)
コメント