女性配偶者を人前でなんと呼ぶか
今日は地元で講演。テーマは日本語の歴史についてなのですが、ちょっとしたきっかけで配偶者の呼び方の話になりました。
今回は男性から女声配偶者をどう呼ぶかを中心に皆で話し合いました。
男性の読者の皆さん、第三者がいる時、配偶者をどう呼びますか?
女性の皆さん、そんな時、配偶者にどう呼ばれたいですか?
世間一般の答えについては、各種調査結果がネットに載っていますのでご参照ください。
私は私らしく意地悪な話をしまして、ある意味大ウケしました。以下のとおりです。
(宮台真司さんが言う)クソフェミの方々のおかげさまをもちまして、以下の呼び名は今後使用禁止となりました(笑)。
・妻…日本語としての「つま」は、もともと「端っこ」を意味する言葉であり、たとえば「刺身のツマ」や「屋根の妻」などもそうした語源から発した表現である。つまり、女性配偶者を「主」たる男性に対して「従」の存在とすることとなり、女性差別である。漢字の「妻」も、かんざしで髪を整える女性を模したものであり、つまは常に美しくあるべきという男性の勝手な願望を表しており不適。
・家内…女性配偶者は家の中にいて家事をすべきという男性の勝手な妄想による表現であり、女性差別である。
・女房…もともと宮中で貴人をお世話する女性の官職名であり、女性配偶者は男性を世話すべきという概念に基づくものであり、女性差別である。
・奥さん…女性配偶者は表へ出ず、家の奥で家事をしているという勝手なイメージであり、当然女性差別である。
・嫁(さん)…もともとダンナの親が息子の配偶者を呼ぶ時の呼び名であり、また嫁とは本来、男性の家に嫁いだ者を指す言葉であるため、結婚の形態が多様化した現代においては、女性差別にあたる。
・細君…妻君(さいくん)の当て字。つまり妻なのでダメ。「細い」という字を当てるというのも、いろいろな意味で失礼。
・ワイフ…英語wifeの古態はwifemanであった。manは人間一般を指していたのだが、いつからか男性のみを指すようになり、wifeが独立して女性配偶者を意味するようになったらしい。つまり、男だけが人間で、女は人間とは別の生き物としたのである。とんでもない女性差別である。また、別説としてwifeが「恥」「陰部」を表すとの説もあるらしい。言語道断である。
どうでしょう。もうほとんど歴史的、伝統的な表現はできないということですよね。「つま」なんか、古事記や万葉集にも出てくるのに。
で、唯一使用可能のは、私がよく使う「かみさん」です。
「かみ」は「神」「上」です。言うまでもなく「山の神様」から来たものであり、差別どころか敬意・畏怖の念から出た言葉です。もうこれしかないでしょう。
「かみさん」は、江戸時代に上方で「良家の未亡人」「義理の母」を指すようになってから、のちに江戸で一般化したものです。
江戸の庶民は、「おっかないウチのかかあ」の意味で「山の神」という言い方もしていましたから、やはり「かみさん」にもある種の「畏敬」の念が含まれているでしょう。
刑事コロンボが「ウチのかみさんがね…」とよく言いますが、あれがその含意というか、夫婦関係を示唆していると思います。つまり、全然女性差別ではありませんよね(笑)。
ということで、法令上も「妻」はふさわしくないので、いっそのこと「かみさん」を正式に採用してはいかがでしょうか。
逆に「主人」もダメだと言われますよね。主従関係が想定されているから。
また、旦那は「ドナー」ですから(本当です)、男性は与え、女性は与えられるという固定概念につながるのでNGです。
かといって、パートナーとか相方とかだと、夫婦という感じがしない。
もうしょうがないから、あの便利な日本語を使うしかないですね。輪郭のはっきりしない「モノ」。そう、「ウチのもの」ってお互い呼び合うとか(苦笑)。
ジェンダー意識も強すぎると大変ですな。
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