テレマン 『ブロッケス受難曲』
今日は某音楽大学の学長さんとアンサンブル&お話する機会がありました。
お互いテレマン・マニアということで、作曲家・演奏家としてだけでなく、啓蒙家、そしてビジネスマンとしてのテレマンについて熱く語り合いました。
テレマンはいまだに正当に評価されていない作曲家ですね。ちょうど出口王仁三郎や仲小路彰のように、あまりに全貌が尨大であること、また時代を超えた先進性があることが原因でしょう。
どうも私はそういうのが好きなようですね(笑)。
また別件でも大いに盛り上がり、次は3日ぶっ通しで飲みながらお話しましょう!ということになりました(笑)。
さて、そんな話の中で学長さんが感動したというのが、この「ブロッケス受難曲」。ブロッケスの台本は当時大変有名で、ヘンデルやマッテゾンらも作曲をしています。
たしかに名曲です。1717年ですからテレマン36歳、ハンブルクに移る前、フランクフルト時代の作品ですね。
多作家で比較的軽いノリの楽しい印象の強いテレマンですが、題材が題材だけに珍しく(?)気合いを入れて作曲している印象を受けます。しかし、バッハほど難解ではない。
学長さんはリコーダー吹きなので、リコーダーがオブリガートのアリアがお好みということでした。たしかに美しい。楽器の特性を活かす天才ですね。
私はヴィオラ弾きなので、いくつかあるヴィオラがオブリガートのアリアたち、そしてヴィオラ・ダモーレがオブリガートのアリアに感動しました。そう、テレマンってここぞという時にヴィオラを使うんですよね。ヴィオラ弾きにとっては本当にうれしい。特にこのダモーレのアリアは、ダモーレ弾きにとっては、バッハのヨハネとともに非常に貴重な曲の一つですね。
この曲ではほかにもオーボエ、ホルン、トラヴェルソ、トランペットなどが実に効果的に使われています。さすがあらゆる楽器を操ったテレマンです。
正直歌詞の内容がわからないので、日本語字幕付きで聴いてみたいですね。ブロッケスのオペラ的な台本も楽しんでみたいところです。受難の物語とはいえ、当然その先には復活と栄光があるわけですから。歌詞はよくわからなくとも、終曲のコラールは感動的です。
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