『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』 松岡正剛 (講談社現代新書)
アカデミズムという狭隘な世界を俯瞰して泰然としている松岡正剛さん。
こういう大人、好きですね。憧れです。
私も彼に多大な影響を受けてきたのですが、なにしろ私は根っからの読書嫌い。そして記憶力も編集力も劣悪なので、なかなか同じような「仕事」はできません。
ただ、先ほどの「俯瞰」というやつ、あるいは軽やかに時空を往来するスタイルは、おかげさまで多少身につけることができました。
加えて私は、オリジナルとも言える「未来からの情報を思い出す」という変テコなワザを会得したおかげで、ある意味、師とは違う世界に飛翔してしまった…(のかな?)。
まあ、それはいいとして、松岡さんの「編集」のおかげで、出口王仁三郎や仲小路彰という「異常な」天才アーティストによる、「統合過多な」超編集テキストを抵抗なく読むことができるようになったのは事実です。感謝。
ということで、久しぶりに心の師の「日本文化論」を読んでみました。
なるほど、未来の情報をダウンロードすることを標榜しているワタクシ的には、「なんとなく知っている話」でありました。そう、変な話で恐縮ですが、まるで自分が考えて書いているような錯覚に陥るのです(図々しくてゴメンナサイ)。
もちろん、書けと言われたら書けっこないのです。しかし、それこそ、その「言の端」に宿る「物実(モノザネ)」は、すでに知っているような気がする。この感覚、最近とっても多いのです。
だから、どんな歴史的な名著を読んでも、「あっ、知ってる。思い出した」という感覚なのです。おそらく未来のどこかで学んだことがあるのでしょう(笑)。
曰く「日本人は日本文化の複合性や複雑性にもっと敢然と立ち向かっていったほうがいい」。その通りですよ。コトよりモノ。
これこそ他人のふんどしですが(!)、私の「日本論」を知りたい方は、この「松岡日本論」の集大成をお読みになってください。ああ、本書かなくていいから楽だ(笑)。
Amazon 日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く
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