シンギング・リンとシルク・ヴァイオリンの共演
ヴァイオリンにシルク絃を張ることを実践し始めて間もないころ、シンギング・リンとの即興共演をする機会がありました。
その時の動画です。場所は富士山麓某所。
シンギング・リン、日本発の素晴らしい楽器です。クリスタルボウルやチベタンボウルとは一線を画する、日本の職人技から生まれた精巧な楽器であり、多様な倍音を発することができ、その音楽的効果は抜群です。
シルク・ヴァイオリンもそうですが、人間の可聴域を超えた倍音の効果というか意義には、計り知れないものがあります。
おそらくかつての人類は、そこに「モノのね」としての音楽の価値を感じていたのでしょう。西洋近代音楽によって、また別の「音楽的技法」「音楽的効果」が発達した結果、それらは忘れ去られていたのです。
ようは可聴域における和声的な構造主義にとらわれ、その音そのものが持つ多層な倍音による「聞こえない和音」が軽視されたわけです。
特に録音再生のテクノロジーが発達すると、いわゆる非可聴域はデジタル的に切り捨てられ、その傾向は極まりました。
そのアンチテーゼとして、こうした「倍音」音楽が復権しつつあるということでしょう。
ということで、YouTubeの動画では、すなわち本質的な非可聴域の倍音は見事に切り捨てられているので、ホンモノは届きません。ですから、あえて音にも映像にもエフェクトをかけているのです。逆説的に正しいですよね。これもまた近代に対する皮肉なアンチテーゼでしょうか。
あくまで「生」で味わう楽器たちですから、これはその入口としての動画だというわけです。
あさっても富士山某所にて共演します。今回は私はタング・ドラムかシルク絃ヴィオラ・ダ・ガンバを演奏しようかと思っています。
皆さんもぜひ一度「体験」してみてください。
盟友シンギング・リン奏者しずくちゃんのHPはこちらです。
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