ボッケリーニ作品集
移動の車の中で聴いた曲集です。
ハイドンとモーツァルトに隠れて、いささか地味な存在となってしまったボッケリーニ。かの「ボッケリーニのメヌエット」しか知らない人がほとんどでしょう。
バロックから古典派への過渡期の中で、チェロという楽器を通奏低音から解き放った功績は非常に大きい。それがのちの「室内楽」の中心となる弦楽四重奏というスタイルを確立するきっかけとなりました。
さらにそこにチェロをもう1本加えた「弦楽五重奏」に至っては、ボッケリーニによって発明され、ボッケリーニによって完成してしまったとも言えます。
この曲集の最初に演奏される、かの「ボッケリーニのメヌエット」は、その弦楽五重奏曲の一部なのです。
たしかにこのメヌエットは、非常にボッケリーニ的です。
舞曲的実用性から遠く離れつつあったメヌエットという形式の中で、メロディ的にもアンサンブル的にもかなり独創的なつくりになっています。
弱音器やピチカートによる音色の変化、セカンド・ヴァイオリンの非常に難しいボウイング、ヴィオラに寄り添うかと思うと通奏低音に徹したりもするファースト・チェロ。そして、淡々とリズム楽器に徹するセカンド・チェロ。
いろいろな挑戦が聞き取れますね。何より、有名なメロディが印象的、装飾的なアウフタクトから始まるというのが、当時としてはかなり斬新です。
私もそれほどたくさんの作品を聴いてきたわけではありません。これからはオリジナル楽器によるいろいろな録音が出るでしょうね。そして、私もどこかのパートを弾いて楽しんでみたいと思います。
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