『富士山頂』 村野鐵太郎監督・石原裕次郎主演作品
古谷一行さんがお亡くなりになっていたとのこと。古谷金田一ファンの長女はかなりショックを受けていました。
山梨県民としては、古谷一行さんと言えばホテル千石のCMですよね。最近も放映されていました。いつまでも年を取らない古谷さんなのでした。
もう一つ、山梨と古谷一行さんを結びつける映画があります。映画俳優として駆け出しの頃の出演作品がこの「富士山頂」。目立たない「荒木」役で出演しています。
この映画の俳優陣はすごい。石原裕次郎、渡哲也、山崎努、芦田伸介、勝新太郎、宇野重吉、東野英治郎、田中邦衛…この中に入ったら、そりゃ目立ちませんよね。
そしてこの映画、まさに映画的な傑作だと思います。大スクリーンで観る富士山の迫力は本当にリアルです。ドラマとしても、プロジェクトXの第一回に取り上げられたくらいですから、それなりに感動的ですが、なんと言ってもこの映画の本当の主役は富士山そのものなのです。
今は麓の富士吉田市で静かな余生を送っている富士山レーダー。伊勢湾台風の甚大な被害からこのプロジェクトが計画され、実際に平成の時代まで台風被害から人々を救ってくれたのが、この富士山レーダーです。
私、この富士山レーダーと同い年でして、レーダーがヘリ輸送で設置された日の翌々日に私は生まれております。そんなこともあり、このレーダーに対する思いは人一倍強く、この映画も何度も観ることになったのです。
ヘリコプターやブルドーザーという近代的な機械力と、強力や馬方という伝統的な人間力の両方が活躍するのもいいですね。まさに昭和のプロジェクトX的世界を象徴しています(というか、これって「戦争文化」なんですけどね)。
この映画が撮影されている時には、実際にレーダーはあったわけで、それを映像的には避けつつ、現場での撮影を多用したのは素晴らしいですし、セットとしてももうひとつレーダードームを作っているのですから、当時の映画のお金と労力のかけ方はすごいと思います。
今だったらCGとかでごまかしちゃいそうですよね。当時は映画自体がプロジェクトX的だったわけです。
一瞬ですが、当時の吉田の火祭りの様子が映ります。富士山からの山中湖や本栖湖など麓の景色も貴重ですね。おススメの名作です。
ちなみに芦田伸介演じる葛木のモデルが、原作者の新田次郎です。
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