追悼 安倍元首相 (3)
マスコミの報道、そしてネットの世界では、さかんに犯人の犯行の動機が詮索されています。
(旧)統一教会の名前が公開され、同団体も記者会見をしました。
なるほど、一見、犯人の動機には一つの脈絡があるかのように感じます。そして、それに納得してしまいがちです。
その証拠に、なぜかネットでは統一教会批判が始まっています。しかし今、恨むべきはそこでしょうか。
あえて勇気をもって書きますが、日本国民が、犯人ではなく、その悪意のきっかけとなった背後を批判するようになることは、「ある人たち」にとってはシナリオ通りであり、逆に言うと、私たちはまんまとそれに乗っかっていることになるのです。
ああ、陰謀論かと言われてもしかたありません。しかし、これはいわゆる陰謀論とは違う次元の話です。
この前書いたように、あまりに分かりやすい因果関係は、それは陰謀ではありません。目に見える陽なたの世界です。
そんなに世の中単純ではありません。私たちの無意識に働きかけ、数十年、数百年かけて実現する策謀もあるのです。おそらくそれが進行しているうちは、それは「陰謀」なのでしょう。
さて、今回、命を奪われるという意味で最大の被害者は安倍元首相です。もちろんです。そして、今、なぜか犯人ではなく統一教会への批判が強まってきている。
安倍さんと統一教会に関係がなかったとは言えません。それは戦後の日米の関係、そして朝鮮戦争および冷戦について学べば、時代的当然ということになるでしょう。
単純化して(陰謀論的に?)言えば、そこにはアメリカの「反共」政策が見て取れるのです。
アメリカは戦後、日本にキリスト教を普及させ、それをもって反共産主義の砦にしようと画策した。しかし、日本にはキリスト教は広がらなかった。
1953年、朝鮮戦争は休戦。翌年、文鮮明によって統一教会は発足します。そして1968年には、岸信介らの協力によって「国際勝共連合」が発足するわけです。
そういうことですから、今回、命を奪われ、また批判されているのは、両方とも「反共」の流れということになるわけです。
これこそ都合の良い状況であるとほくそ笑む「ある人たち」とは誰か。
しかし、単純に、目に見えている共産主義者ではないところが、歴史と策謀の複雑怪奇、陰謀の陰謀たる所以です。
もちろん、私もわかっているわけではありません。ただ、ちょうどあの頃書かれた知られざる書物を読む機会をいただいているので、その一部が見えるだけです。
ちなみにその書物は来月、発売される予定です。安倍さんにも読んでいただく約束をしていたのですが、間に合いませんでした。残念です。
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