エルンスト・ゴットリープ・バロン 『リュートのための種々の作品集』
フリードリヒ大王おかかえのテオルボ奏者だったバロンは、その著書「リュート―神々の楽器―」は有名ですが、なかなかその曲を聴く機会がありませんでした。
最近になって、その作品が演奏され録音されはじめました。この録音もなかなかいいですね。
リュートが独奏楽器になり、リコーダー、フルート、オーボエ、チェロらと肩を並べるというだけでも、かなり珍しいことですが、その魅力を見事に発揮している佳作だと思います。
純粋にいい曲が多いですね。作曲家としてのセンスもかなりよい。ソロの作品も美しいですね。バロンはヴァイスの教えを受けていますので、基本的に師匠の作品をベースにしていますが、リュート時代も終わろうかという時代に、その可能性の集大成的な作品を書いていると感じます。
バロック期が終わり、モーツァルトらの古典派が台頭してくるということ、それはすなわち音楽が宮廷から劇場(大衆)へと解放されていく過程であり、ごく内的、個人的で繊細すぎる楽器たちは急速に消えてゆきました。
しかし、たとえばリュートの音楽的な可能性は、のちのギター作品群に受け継がれていくことになります。このバロンや師匠ヴァイスのソロ作品には、どこか現代のヒーリング系アコースティック・ギターの世界に通ずるものがありますよね。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 告知! 6/29 下北沢でのスペシャルライヴに家族で出演します!(2023.06.05)
- 結局アドリブって何なの!?即興演奏に逃げるミュージシャンの話(ミートたけし)(2023.06.03)
- バーバラ・ディナーリン 「トッカータとフーガによる即興曲」(2023.06.01)
- クリスチャン・マクブライド&ケニー・バロン(2023.05.31)
- ZOOM ハンディビデオレコーダー Q2n-4K(2023.05.27)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- ラバーガール大水「春風亭昇太氏への提言」?(2023.06.04)
- 結局アドリブって何なの!?即興演奏に逃げるミュージシャンの話(ミートたけし)(2023.06.03)
- 中田敦彦「松本人志氏への提言」(2023.06.02)
- バーバラ・ディナーリン 「トッカータとフーガによる即興曲」(2023.06.01)
- 『江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし』 太田記念美術館(2023.05.18)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 『基礎科学としての情報〜エントロピーと生命、超次元複雑性と生成AIの未来と私達』 Dr.苫米地(2023.05.24)
- 木内鶴彦さんとナオキマンの対談(2023.05.22)
- 英語の語源が身につくラジオ(堀田隆一)(2023.05.17)
- Style2030 賢者が映す未来〜竹倉史人 (BS-TBS)(2023.05.14)
- 『オスカー・ピーターソン ジャズ界の革命児』 バリー・アヴリッチ監督作品(2023.05.07)
コメント