エルンスト・ゴットリープ・バロン 『リュートのための種々の作品集』
フリードリヒ大王おかかえのテオルボ奏者だったバロンは、その著書「リュート―神々の楽器―」は有名ですが、なかなかその曲を聴く機会がありませんでした。
最近になって、その作品が演奏され録音されはじめました。この録音もなかなかいいですね。
リュートが独奏楽器になり、リコーダー、フルート、オーボエ、チェロらと肩を並べるというだけでも、かなり珍しいことですが、その魅力を見事に発揮している佳作だと思います。
純粋にいい曲が多いですね。作曲家としてのセンスもかなりよい。ソロの作品も美しいですね。バロンはヴァイスの教えを受けていますので、基本的に師匠の作品をベースにしていますが、リュート時代も終わろうかという時代に、その可能性の集大成的な作品を書いていると感じます。
バロック期が終わり、モーツァルトらの古典派が台頭してくるということ、それはすなわち音楽が宮廷から劇場(大衆)へと解放されていく過程であり、ごく内的、個人的で繊細すぎる楽器たちは急速に消えてゆきました。
しかし、たとえばリュートの音楽的な可能性は、のちのギター作品群に受け継がれていくことになります。このバロンや師匠ヴァイスのソロ作品には、どこか現代のヒーリング系アコースティック・ギターの世界に通ずるものがありますよね。
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