『頭のよさとは何か』 和田秀樹・中野信子 (プレジデント社)
今日は、アメリカ人と中国人の大学の先生方と「新しい学校」「本当の教養」について協議しました。
夢のような話がどうも実現しそうです。
彼ら彼女らは世界のランキング上位に位置する大学の出身。私は日本の田舎の目立たぬ公立大学出身。
一見、同じ地平にいないように思えるでしょう。しかし、実際はそんなことはありません。私は学歴に関して全くコンプレックスを持っていません(今は)。
それはもちろん、彼ら彼女らが、私に偏見を持っていないからです。謙虚に私の話を聞いてくれるのです。
東大出身の友人もたくさんいます。私は彼ら彼女らからたくさんのことを学びますが、一方、彼ら彼女らの方から私のところに教えを請いに来ることもあります。
この本で、和田さんが「頭の良さとは、能力ではなく態度である」と述べていますが、つまりそういうことなのです。
私や彼ら彼女らは学歴を気にして遠慮することはありません。わからないことはわからないと互いに学び合います。
今日の討論で、「知性」「教養」とは「connectedness」「bridge」であるという話が出ました。そのとおりだと思います。
個別の知識をいかにつなげて、より本質に、より高次元的価値に近づくかが、「頭の良さ」の条件でしょう。つまり、偏見や思い込み、既成概念にとらわれないこと。すなわち「自由」であること。リベラル・アーツの基本です。
日本の教育システムでは、そのようなことが全く考慮されていません。この本にも書かれているとおり、ただ仮設された「正解」をバラバラに暗記させるだけです。
「知性とは誰も知らないことを知ろうとする熱意である」…この本のクライマックスはこの言葉に象徴されるでしょう。
私は「変わった先生」ですので、皆が知っていることにあまり興味がありません。ググって出てくる情報には興味がないのです。
これは、本当のことを言うと、過去の情報の蓄積(暗記)を要求される「学校」において、劣等感を感じたおかげなのですが。ですから、それこそ「学校」には感謝しており、またその経験から「先生」になったわけですが、いよいよそんな悠長なことを言っていられない時代になってきました。
長年「学校をぶっ壊す」を標榜しつつ、それがぶっ壊れないほどに堅固な守旧システムになっている内部現実に直面し、それではと今度は外からそれを脅かそうと、今様々な思考と試行を試みているところです。
大人の修学旅行、富士山合宿もその一つですし、このたびの文科省傘下に入らない「新しい学校」のプロジェクトもその一つなのです。
面白いもので、いや当然といえば当然ですが、私のチャレンジに興味を持ってくれるのは、日本人ではなく外国人のことが多い。とは言え、やはり中からも大きなムーブメントを作らないといけないので、ぜひ興味を持った日本人の方はご協力ください。
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