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2022.04.30

お金の力

Th_dmaimg_2026 ジネス系のセミナーなどでお話をすることが増えてきました。

 昨日の「野球」論ではありませんが、私の視点は宇宙的なので、なんかとても話が面白いらしいのです。

 「お金」についての話も、たしかに一般で言われているものと違うかもしれません。修行アイテムであるとかね。

 そして、今日読んだこの記事にも大いに共感したのですよ。尊敬する、うみらじゅん師匠のお話。これってホントよく分かる。

 

 ソロ活の元祖・みうらじゅん氏に聞く「夢中になれる時間の見つけ方」

 

 風間ゆみさんのDVDとか、マドロス演歌大全とか、迷いながらも高額なDS(どうかしちゃってる)商品を買ってしまうと、それの社会的・合理的な意味、価値を超えて、そこに極個人的な無意味な価値を生まないといられなくなる。

 それがつまり想像であり創造であり生命力でありアートであり生命力そのものだと思います。

 そうした契機、動機を与えるのが「お金」の持つ不思議な力なのです。こんなにお金かけちゃったから味わいつくさねば、いいものだと思い込まねばという方向に導く力ですね。これはよ〜く分かります。

 そういう意味では、最近の私の「安かろう良かろう」商品シリーズなんかダメなんですよ。たしかにそこに愛がない。味もない。

 サブスクとか最もダメ。デジタル化もダメ。ありがたみがない。ザッピングできてしまう。音楽でもいや曲ならすぐ飛ばせてしまう。

 昔は小遣いはたいてアルバムをジャケ買いして、ホントは「あ〜失敗だった」と一瞬思ったとしても、もう「これは素晴らしい。大好きだ。感動した」と自己洗脳するしかなく、しかし、そうこうしているうちにその作品の深いところに入っていって、実際に好きになってしまうとか、よくあったじゃないですか。

 今の若者たちはそういうことがないので、それこそ「夢中になる」ことがなくなってしまった。対人関係も、自己洗脳という手順を踏まないから、ついつい浅くなってしまう。

 お金をかける、また、時間をかける、手間をかけるということ、また失敗することの大切さというのを、今一度考えてみる必要がありそうです。

 特に「お金」をかけて失敗することの重要さは大切です。その失敗を成功に変える力が「お金」にあるのですから。

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2022.04.29

野球の不思議

Th_images_20220502063701 の日は富士山合宿(大人の修学旅行)の1日目。

 今回は全国から38名+αの方々がご参加くださりました。

 中には憧れの元プロ野球選手(五輪日本代表金メダリスト)やテレビで拝見していたミュージシャンの方も。そして半分はありがたいことにリピーター。

 まったく宣伝もしていないのに、口コミだけでこんな素晴らしい方々にご参集いただき恐縮です(現在400人待ちだとか)。

 読者の皆様でご興味のある方はぜひメールください。すでに何人かの読者の方が勇気をもって(?)参加してくださっています。

 さて、夜の宴会兼個人セッションで、その憧れの元プロ野球選手の方とじっくり話した内容の一つを紹介いたします。

 まずぶっ飛んだ視点から。

 宇宙には、ほかのスポーツ、特に球技は、似たものがあるんです。たとえばサッカーとかテニスとか。基本的に公平性、対称性を求めると同じような競技構造になっていくんですね。

 あとは、喧嘩や戦争を模したもの、あるいは子どもの遊びが進化したものなども、似たものがたくさんある。ちょっと特殊な感じがするカーリングも、かなり似たものがあるんですよ。

 ところが、野球のような競技は地球にしかない。それほどある意味不自然で、不公平で、非対称的なのです。

 9対9で戦うと言っても、現実的には1対9の積み重ね。進塁が左回りなので左打者が物理的に有利。逆に守備では右利きでないと一塁以外の内野を守れない。

 またインプレーの時間とタイムの時間のバランスも悪いと言えます。だからこそ、そこに頭や心を使うわけですね。

 そして、棒を振り回して球を打つという行為自体が、ほとんどその衝突が点で発生するので事故性が高い。つまり偶然ホームランを打ってしまう、打たれてしまう確率が高い。

 ほかにもいろいろあるのですが、こうした他のスポーツにない特殊な要素が、ある種の「メイクドラマ」を起こすわけで、そここそが野球の魅力です。

 さらにベースボールではない「野球」には、こちらにも書いた「軍国主義」「軍隊文化」「武士道」「日本文化」が生きているので、そこも含めて私は「野球はスポーツではなく文化」と言うのです。

 というわけで、プロ中のプロの方にこんな「講義」をしてしまうワタクシは相変わらず図々しいわけですが、かなり衝撃的だったようで一生懸命メモされていました(素晴らしく謙虚!さすがです)。

 私はそんな野球が大好きであると同時に、今、本場アメリカのベースボールに「野球」が大きな影響を与えつつあることを誇りに思うのでありました。

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2022.04.28

松浦亜弥 『ずっと好きでいいですか』& MC

 

 ミマセン、あややばっかりで。

 私だけでなく家族みんなが尊敬し、憧れているので仕方ありません。

 歌はもちろん、このトーク力はうらやましいばかり。教員はみんなこのくらいのトーク力とカリスマ性を持っていないとダメですね。いや、マジで。先日も県の教員の初任者研修でこの話したんですよ(笑)。

 特に、この動画の冒頭は最高ですね。自分の間違いを人に押し付けても許される…どころか愛される。こんな人柄と実力を備えてみたい。

 まあ可愛いドSということなんですがね(笑)。そしてオタクたちはドM。そういう関係性の中での存在とも言えます。バンドのやさ男たちも含めて、ぞんざいに扱われれば扱われるほど嬉しかったりするのです(ちょっとわかる)。

 さて、先日久々にそのお姿と歌声を届けてくれたあやや。これは復帰へ向けての第一歩ですよね。ママドルとして、いや永遠のピンアイドルとして世の男たち、(この動画でもわかるとおり、また我が家でもそうであるように)女の人たちをも、幸せな気持ちにしてください。待っております。絶対に生歌を聴くまで死ねません!

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2022.04.27

ビアレグレ (ViAlegre) 電気ケトル 0.8L

Th_51jh4f2qupl_ac_sl1034_ かろう良かろうシリーズ。

 これは重宝しています。コーヒーを淹れる時はもちろん、ちょっとお湯を沸かしたい時に便利。

 今まではやかん&ガスコンロで沸かしていましたが、こちらですと沸騰後に自動停止するので無駄がありませんね。

 また、注ぎ口の具合もちょうどよく、コーヒーを淹れるのが楽しくなりました。今までのものより細めで微調整が楽。

 カップラーメンにお湯を注ぐには、やや細口すぎますが、まあそれも一興。ゆっくりやさしく全体にお湯をかけるイメージで作ると、なんとなく味が違うような…そんなはずないか(笑)。

 デザインもよろしいし、スイッチも軽めでよい。フタや取っ手の感じも悪くありません。

 実家のものと比べると音は圧倒的に静か。注ぎ口の細さが功を奏しているようです。

 あとは耐久性でしょうか。

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2022.04.26

アルビノーニのアリア

 日のテレマンについても、正当な評価が得られているか疑問を呈しましたが、こちらアルビノーニはもっとその功績が知られていない作曲家かもしれません。

 なにしろ、一番有名なアルビノーニの曲が、近代の偽作である「アルビノーニのアダージョ」なのですからね。

 かく言う私も器楽曲は全て聴き、そしてかなりの数を演奏してきましたが、その主たる作品群である声楽作品についてはほとんど知りません。

 というか、本国イタリアでもその50曲以上あったと言われるオペラの楽譜は失われており、その全体像を知るすべがなくなっている現状です。

 しかし、一部のアリアは、当時ヒット作だったのでしょう、楽譜が残っていて演奏もされています。

 今日はその中の1曲を紹介します。これもまた隠れたバロックの名曲ですね。

 

 

 

 オペラ「L'incostanza schernita」からアリア「Quel sembiante e quel bel volto」です。イタリア語がよく分からないのでAIに翻訳してもらったら、オペラ「嘲笑される不定愁訴」からアリア「その表情、その美しい顔立ち」とのことです(笑)。

 このメロディーのおおらかさ、器楽(ヴァイオリン)の簡明な美しさはアルビノーニならではであり、これはある意味その後のモーツァルトのオペラのアリアにつながっていく要素があると感じます。

 もう1曲聴いてもらいましょうか。オペラ「Il Nascimento Dell'Aurora」からアリア「Aure! Andate e baciate」です。これはAIでもなんだかうまく翻訳できません。とりあえず、歌としては「風よ!行け。そしてキスせよ」的な感じのようです。

 

 

 明るくていい曲ですね。ちなみにこのソプラノ、男性なんですよ!

 ナチュラル・カストラートと言われるラドゥ・マリアンです。彼はモルドバ出身ですが、イタリアとロシアで勉強し、特に古楽を得意とするソプラノ歌手です。

 ホルモンの関係で声変わりをしないまま大人になったという「ラッキー・ボーイ」です。キワモノ的に見られることもあるでしょうが、その歌唱力はホンモノです。

 ライヴ映像がありましたので、ぜひご視聴ください。ヘンデルの名曲を実になめらかに美しく歌っています。バロック・ヴァイオリンはヴィオラ・ダモーレの名手としても有名なヴァレリオ・ロジトですが、マリアンに負けず劣らずの歌心と即興性ですね。

 

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2022.04.25

テレマン 『パッサ・テンポ』

 

 レマンの隠れた名曲。ソロ・ヴァイオリンを伴った管弦楽組曲イ長調の中の1曲です。

 「Passa tempo」という楽章名が付されていますが、これはどういう意味なのでしょうか。現代イタリア語では「passatempo」は「慰め」とか「癒やし」とか「気晴らし」のような意味です。

 また、古い英語ですと「過ぎ去った時」のような意味だとか。

 テレマンの組曲はイタリアやフランス趣味で書かれています。ですから表面的には「気晴らし」的な意味でこの言葉を使っているのだと思います。

 一方、聴いてわかるとおり、この曲は三拍子の舞曲、パッサカリアやシャコンヌのような印象を与えます。ただ、低音(すなわち和音進行)はいちおう循環を基本としていますが、時々自由に展開していますよね。

 つまり「パッサカリアのテンポで」(パッサカリア風だけどパッサカリアじゃないよ)という意味も含ませたのではないでしょうか。洒落というかダブルミーニングというか。

 いずれにせよ、こうして循環系の舞曲の伝統が次第にその束縛から解き放たれ、古典派以降の音楽につながっていゆくわけです。

 テレマンはバロック音楽を代表する作曲家としての名高いわけですが、実は非常に進取のスピリットがあった人ですので、前古典派や古典派、さらにはロマン派を招来した役割についても評価すべきでしょう。

 楽譜を見ると、まさに気晴らし的にバロックの語法から解き放たれているのが分かります。全体としては楽章も「今風」ですし(序曲、ディベルティメント、メヌエットⅠ・Ⅱ、パッサ・テンポ、テンポ・ディ・ギガ)。

楽譜

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2022.04.24

『都道府県別 にっぽんオニ図鑑』 山崎敬子(ぶん)・スズキテツコ(え) (じゃこめてい出版)

Th_51jpekm72vl_sx339_bo1204203200_ 本では鬼は大人気ですね。いや、いまや世界でも大人気。

 日本の漫画やアニメの「愛すべき悪役」たちの原点は、おそらく鬼たちでしょう。

 西洋の善悪二元論では割り切れない、悪さもするが幸せも運んでくる。その善悪不二、表裏一体、好悪一味のところが実に日本的であります。

 だから、鬼と書くよりも「オニ」と書きたくなる。カタカナにすることによって、ある種のキャラ化がなされるわけですね。キャラ化することで、初めて私たちの友達になる。

 土偶とかもそうです。目に見えない精霊、自然神にカワイイ姿を与えて友達にしてしまう。モノのコト化、モノガタリですよ。

 この本でも、とにかくオニたちは「カワイイ」。怖いけどカワイイ。

 私たちの中にもオニは棲んでいて、時々アンコントローラブルに現れる。しかし、それはそれでやっぱり愛すべき自分の一部なので仲良く共存していくしかない。

 そういう私たちの、あるい自然界の隠れた(隠がオニの語源とも)荒魂を象徴するのがオニなのでしょう。

 そうしますと、上田喜三郎が鬼三郎に、そして王仁三郎に変身していくことの面白さが分かりますよね。「喜」と「鬼」が昇華して「王仁」になるという。

 王仁三郎がどこか憎めない可愛さのオーラを放っているのは、なるほど文化的、歴史的理由のあることなのでした。

 さて、そうしてこの現代に至り、いよいよキャラ化、カワイイ化が進みつつある愛すべきオニたちを、県別に、これまた可愛いイラストと軽妙な文章で紹介したこの本、眺めているだけで幸せな気分になります。

 それぞれの国々、土地土地で愛され、畏怖され、祀られているオニたちと同様に、私たちの体や心の至るところにそうした「モノ」が棲んでいて、ちゃんとそれと共存しているという事実(マコト)に気づくことができるのです。

 そして、全てに会ってみたくなる。来訪神に会うために、私たちもそこにマレビトとして来訪するのだという、旅の欲求の原点がそこにあります。

 そうそう、この本にも紹介されている「鬼をおがんだおばあさん」、いい話ですよね。オニたちもカワイイけど、おばあさんが最強すぎて(笑)。

 私、若い頃に「地獄で会おう会」というのを発足させました。どうせ地獄に落ちるんだから、うまく閻魔大王や鬼たちにとりいったりして、様々な「アトラクション」を楽しんじゃえ!という趣旨の会でしたが、そのアイデアの源泉はこのおばあさんだったのです。

 

 

 

Th_-20220426-75128 あっ、最後に。香川県の「牛鬼」って、うる星やつらのレイですよね(笑)。残念なイケメンの象徴としての牛鬼。なるほど。そういうギャップというか、内在的なマイナス面がやっぱり鬼の本質なのですね。

 そっか、うる星やつらこそ、愛すべきオニたちの未来的なお話なのか。

 ラムちゃんが最強ってことですね。ラムちゃんは方言からすると宮城県のオニでしょうか。

Amazon 都道府県別 にっぽんオニ図鑑

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2022.04.23

尾崎紀世彦 with 雷様

 

 日に続き、尾崎紀世彦さんの素晴らしい歌声を聞きましょう。

 尾崎さん、最初の奥さんがハワイの人だったこともあって、ハワイアンもめちゃくちゃうまい。ファルセットが素晴らしいんですよね。

 もう一人のハワイアンの名手高木ブーさんとのコラボが聞ける貴重な動画です。ブーさんの低音、キーヨの高音。いいですねえ。

 子ども向けの番組で、さりげなくこうしたすごい芸術をやってしまうのが、昭和のテレビのすごいところ。笑いとアートがセットで提供されている。いや、もともとエンターテインメントとしては両者は同列なのでしょう。

 長介さんと仲本とのカントリーロードでは、また見事なカントリーの歌声、歌い方。本当にすごいなあ。

 ついでに、こちらもどうぞ。尾崎紀世彦さんのハワイアンのすごさをたっぷり堪能できます。

 

 

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2022.04.22

尾崎紀世彦 in 夜もヒッパレ

 

 日の父の通夜では、家族で「また逢う日まで」を大合唱いたしました(笑)。そう、今、我が家で神歌手として尊敬されているのは、女性では松浦亜弥さん、そして男性では尾崎紀世彦さん(と布施明さん)です。

 尾崎紀世彦さんはあらゆるジャンルの歌を完璧に歌える方ですが、それがよく分かる動画がこちら。特にファルセットの美しさは本当に素晴らしい。また、トークやおちゃらけ歌唱からは、そのお人柄もよく分かりますね。

 これぞ歌芸。真の音楽家たちの管絃の遊びですな。クオドリベット(違う歌を重ねる混ぜ歌)の妙。徳光さんもビージーフォーも実に楽しそう。今、こういう番組ないもんなあ。

 そして、尾崎紀世彦さんのヒッパレと言えば、この歴史的名唱「Innocent World」でしょうね。これにはもう絶句するしかありません。何度聴いても感動いたします。

 

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2022.04.21

龍神が報護する国 日本

0234 日、徐福や、富士山=蓬莱山の話を書きました。

 徐福の物語はすでに史記によって日本にもたらされていましたが、富士山を蓬莱山に比定し、徐福がそこに住み着いて秦氏の祖先となったという伝承は、973年に刊行された中国の書「義楚六帖」が初出です。

 その情報を義楚という僧に伝えたのは、入宋していた日本の僧寛輔です。958年のこと。

 寛輔は927年には入宋していますから、それ以前にすでにその情報は日本の一部で語られていたのかもしれません。

 「義楚六帖」の「日本国」の後半部分を読んでみましょうか。

 

 又東北千余里有山。名富士亦名蓬莱。

 其山峻三面是海、一朶上聳。頂有火燒。

 日中上有諸宝流下、夜則却上。常聞音楽。

 徐福止此謂蓬莱。至今子称皆曰秦氏。

 彼國古今無侵奪者。龍神報護。

 法不殺人、爲過者配在犯人島。

 

 ワタクシ流に意訳してみます。

 

 また(都の)東北千余里に山がある。富士という名である。また蓬莱ともいう。

 その山は険しく三方は海に面し、山々の上にそびえている。頂上には火焔が見える。

 日中は山上にある諸々の宝が流れ下り、夜にはそれらが山上に帰る。常に音楽が聞こえる。

 徐福はここにとどまり、ここを蓬莱と言った。現在その子孫は皆秦氏を名乗っている。

 その国(日本)は今も昔も侵略されたことがない。龍神が守っているのである。

 その国の法は人を殺さず、犯罪者は島流しとする。

 

 富士山についての記述も興味深いですね。そのあたりについては、宮下文書の伝承とからめていつか書きましょう。

 今日は、その富士山や徐福に関する部分のすぐあとに出てくる、興味深い記述に注目してみようと思います。

 最後の2行。日本は龍神が守っているので侵略されたことがないという部分です。

 ご存知のとおり、中国では古代から龍神を非常に重視してきました。ある意味国家、王、国民の象徴的な扱いですよね。

 その龍神が日本を守っていると。

 日本人が語った話としてですが、中国の僧がそれを公的に引用して公刊しているというのは珍しいことではないでしょうか。

 そして、龍神のおかげで侵略されたことがないと。これは侵略の歴史に満ちたかの国に対しては、ある意味挑戦的な言葉とも言えましょう。

 その証拠として、次の文章にも注目です。日本では死刑がなくて島流しであると。これまた死刑、一族根絶やしが当たり前のかの国からすると不思議なことだったのではないでしょうか。

 侵略もなく死刑もない…蓬莱という理想郷につながる面白い記述であると思います。

 日本人である寛輔がそのような内容を伝えたというのも興味深い。もちろん母国を美化して伝えたのでしょうし、それがたとえ針小棒大だったとしても、「針」あっての棒でしょうから、当時の日本人にはそういう自己イメージがあったのでしょう。というか、大陸の実態を知って、我が国は平和だなあと実感したのでしょうね。

 はたして、その伝統は今でも引き継がれているのでしょうか。侵略したり、侵略されたりもありましたし、死刑もありますからね。

 では、未来の日本はどうなのか。「義楚六帖」の「日本国」の冒頭には、「日本国はまたの名を倭国という」とあります。

 「倭」という文字は卑字だと言われますが、本当にそうでしょうか。「倭」には自己中心的ではない、謙虚だという意味があるのですよ。

 そのあたりについても、いつか書きましょう。

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2022.04.20

国宝 藤原定家「源氏物語 胡蝶」注釈書発見!

Th_-20220421-112730 2019年に定家の「若紫」写本が発見され大ニュースになりました。それに続き、こちら「定家筆源氏物語奥入」もまた大発見ですね。

  ニュース記事

 掛け軸に貼られた形での発見。昔はこうして貴重な古い文献の一部を切り取って観賞用に仕立てるということはよくあったこと。

 ある意味大胆な行為ですが、そのおかげで断簡が残っているケースも多く、文化財保存の観点からすると一定の価値あることでもあります。

 ところで、この画像を見てふと思ったことがあります。

 まず目についたのが「徐福」の文字。源氏になんで徐福?と思ったら、胡蝶の中の舟中の遊びの際の歌、

 亀の上の山も尋ねじ舟のうちに
   老いせぬ名をばここに残さむ

 が、白居易の白氏文集の中の「海漫漫」の影響を受けていると註釈しているわけですね。なるほど。

 たしかに蓬莱山は霊亀が甲羅の上に背負われていますし、不老不死の薬を求めた徐福の物語は当時すでに中国、日本で人気がありましたから、それをふまえての「蓬莱山を尋ねるまでもない。舟の中で不老の名を残そう」と詠んだというわけです。

 上の写真にある定家の注にも引用されているとおり、「海漫漫」では徐福は詐欺師のような扱いを受けています。「蓬莱山は見つからず空しく舟の中で年老いた」と。

 しかし、そうした記述は当時の権力者に忖度してのこと。書き残されたものとは反対に、徐福は独裁者をうまくだましその権力下から脱出した英雄ととらえられているのが面白い。現代中国でもそうなのです(現代中国だからこそかも)。

 平安時代にはすでに徐福は日本に到達したという説が支持されており、源氏物語が書かれたころにはさらに「蓬莱山=富士山」という説も少しずつ一般化しつつあったと思われます。

 源氏物語にはさりげない「富士」に対する言及が2ヶ所あるのですが、上記をふまえますとこの部分は間接的な富士山についての記述ということもできるかもしれません。

 富士山麓に永住した徐福が書いた(ものも含まれる)と伝えられる、トンデモ文献「宮下文書」を愛読する者としては、そんな妄想までしてしまうのでありました。相変わらずの「統合過剰」なワタクシであります。

 

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2022.04.19

COOAU (モニターレス)ドライブレコーダー

Th_71c68ydh1wl_ac_sl1500_ 日につづき「安かろう良かろう」の名品を一つ。

 昨年末、JADOのモニターレスドライブレコーダーを紹介しました。このたび、それをリアに設置することとし、フロント側にはこれを装着することにしました。

 これもまたモニターレス。つまりスマホと連携して画像を確認したり設定したりするタイプです。

 さらにこちらはGPSにも対応しているので、画像がどこなのか分かったり、ドライブルートを復習することができます。

 画像も必要十分な解像度ですし、設置も大変楽でした。

 電源が一般的なUSBなので、モバイルバッテリーを使えば、徒歩や自転車でも使えます。つまり、旅のお供として、いわゆるアクションカメラの代わりとしても使えます。SNSへの投稿にも便利ですよ。

 このCOCOAUという中国の会社、監視カメラでけっこう有名です。つまり、私のドライブ情報も中国に持っていかれているかもしれませんが、まあワタクシごときの情報、かの国にとってなんのメリットにもならないでしょうから、まあ良しとしましょう(笑)。

 それにしても、この価格で、この機能、そしてデザインもパッケージも非常にセンスがよい。説明書も通常よりは日本語ちゃんとしていますし。

 とにかく、これからのドライブレコーダーはモニターレスですよ。ちなみにリアルタイム画像もスマホで見ることができるのですが、JADOはかなり遅延があったのに対し、こちらはほとんどなし。驚きでした。

Amazon COOAU (モニターレス)ドライブレコーダー

 

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2022.04.18

HiKOKI コードレスハンディクリーナー

Th_413j3yksxol_ac_sl1378_ 変わらず忙しくしておりますので、ここ数ヶ月の間に買った名品をいくつか紹介していきます。

 意外だと言われることも多いのですが、私にとっては「名品」とはコストパフォマンスの良いものなんです。

 つまり「安かろう良かろう」製品を探すのが好きなんですよね。

 そういう意味でこの掃除機はなかなかの名品でした。1万円也。

 こういうタイプの、無骨な道具的なハンディ掃除機といえば、マキタのものが最初に頭に浮かびますよね。

 このHiKOKI(ハイコーキ)すなわち旧日立工機製の製品も、マキタ同様に他の工機、工具と共用できる着脱バッテリーを備えています。

 内蔵のものより見た目は悪いのですが、やはり交換やスペアのメリットが大きいですね。さらに、充電も案外このようにいちいち外すやり方の方がストレスが少なかったりします。

 こういうタイプですから吸引力は並み以下ですが、考えてみると一般的な掃除機ってパワーが過剰なんですよね。暴力的じゃないですか。日本文化にはそぐわない(笑)。

 階段や高い所の掃除にも便利ですので、ぜひ2台目として皆さんもご利用になってください。

Amazon コードレスハンディクリーナー R12DA

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2022.04.17

上原ひろみ 『ジャズ・カノン』

 

 の1週間、ずっと静岡の実家におります。ここまで静岡にどっぷり浸かるのは本当に久しぶり。おそらく高校時代ぶりではないでしょうか。苦い青春時代をいろいろと思い出しております(笑)。

 さてさて、父の葬儀のため、17日のバッハの本番には残念ながら出演できませんでしたが、やはり心を支えてくれるのは素晴らしい音楽たち。

 今日、バロックと現代をつなぐインプロヴィゼーションの生命力を感じたのが、この演奏でした。そうだ、上原ひろみさんは静岡が生んだ世界的天才ミュージシャンですね!

 しっかし、この演奏、楽しいですね。音楽と一体化しているし、明らかに未来から来る音を紡いでいる。素晴らしい。

 そして、よくぞ採譜しましたねえ。このチャンネル、すごいでよ。私が一番ウケたのはこれ(笑)。世界でも有名なんだ!にゃんごすたー!

 

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2022.04.16

ジョニ・ミッチェル、ジャコ・パストリアス、パット・メセニー、マイケル・ブレッカー他 『Shadows And Light』

 

 の素晴らしい(すさまじい)音楽を聴きながら、いろいろと後片付けをいたしました。

 若くして亡くなってしまったジャコやブレッカー、いまだ健在のジョニ・ミッチェルやパット・メセニー。

 いろいろな命が会話しあうこのライヴは、本当に奇跡的な瞬間の連続ですね。

 それにしても、本当にすごい。このメンバーの中で、全く埋もれることなく、いや逆により存在感を示すジョニ・ミッチェル。

 彼女の音楽は、正直若い頃はよく分からなかった。しかし、この歳になるとこの味わい、才能が心にしみますね。

 もちろん、他のメンバーに注目(注耳)して聴くのも楽しい。つまり一粒で何度もおいしい作品です。

 皆さんはどの天才に注目(注耳)しますか?

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2022.04.15

いのちの歌

 

 の日は父の葬儀、告別式でした。

 昨日づけの記事に書いたとおり、見事な晩年と見事な大往生だったので、皆悲しむというよりも「おめでとう」という感じで送り出しました。

 通夜はまさに夜通し飲めや歌えや踊れやでした(笑)。あまりの陽気な騒ぎに父の口角が徐々に上がってしまうというリアル「笑ってはいけない」状況でした。

 さて、そんなわけで葬儀も決して暗い雰囲気ではなかったのですが、思わず涙が出そうになったのは、長女がお別れの言葉を読んでいるときでした。

 いや、その内容にもですが、期せずしてBGMピアニストの方が「いのちの歌」してくださったことに思わず感動してしまったのです。

 改めて、この曲の歌詞とメロディーの素晴らしさを痛感いたしました。

 あっ、それと通夜で涙してしまったのは、若い二人の納棺師のお仕事ぶりに接した時でした。尊いお仕事ですね、と思わず申し上げました。

 父の死というのよりも、それを取り巻く一期一会の方とのご縁が素晴らしかったということですね。

 あまり尊敬できる人ではなかった父。最後の最後にいろいろなことを教えてもらったような気がします。

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2022.04.14

11年ぶりに女神あやや降臨!

 

 

 、18日の朝です。実は11日の夜に父が帰幽いたしまして、ドタバタしておりました。

 父は晩年、天よりボケを授かってからは、まさに仏のような、それまでとは正反対の性格になりまして、そして病もなく苦しみもなく迷いもなく、本当に自然に枯れて亡くなりました。大往生も大往生。初めて父を見習いたいと思った次第です。

 というわけで、決して暗い気持ちではなかったので、通夜の朝この動画が公開されたのを知り、何度も再生してしまいました(笑)。

 もうこれは幽閉されていた女神の再臨ですよ!父の帰幽をお祝いしてくれたのだと、勝手に解釈しております。

 つい先日も「あの頃。」の記事に書きましたとおり、ここ数年ウチの家族の中で「今最も会いたい人」だった松浦亜弥さん。最近、なんかもうすぐ会えるような気がするねと家族で話していたら、こんな形で夢が実現しちゃいました。

 全く変わりなく、いや三人のお子さんを生み育てている母としてのオーラもまとい、さらに美しくなったとも言えます。そして、歌声まで拝聴できるとは!

 相変わらずの完璧なパフォーマンス。表情、特に視線の魅力は健在ですね。

 全くワタクシごとではありますが、忙しくなる朝にこうして元気をいただくことができまして、本当に感謝しております。ありがとうございました! 

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2022.04.13

ヘンデル「メサイア」初演から280年

 

 280年前の今日、ヘンデルのメサイアが初演されました。

 たしかにメサイアは名曲です。ヘンデルのオラトリオの中ではやや特異な存在ですが、やはり全体を通してよくできています。

 私も28年ほど前に、この曲を全曲演奏しました。当時としては古楽器による全曲演奏会というのは珍しかったのでは。私は恐れおおくもコンサートマスターを仰せつかり、人脈を生かしてメンバーを集め全曲演奏をなんとか成功させました。

 考えてみると、私の演奏家人生の中でこの時が頂点だったのかも(笑)。無数のメサイア演奏史の中に記録されたのですから。

 さて、レベルは大違いですが、最新の古楽器による演奏がこれ。昨年末生中継された演奏です。

 上掲動画はあえて「ハレルヤ」から始まるようにしておりますが、ぜひ冒頭から最後まで通してご鑑賞ください。「ハレルヤ」だけでなく多くの感動的な合唱曲で埋め尽くされているのがわかるでしょう。そして、その中の「ハレルヤ」の位置の絶妙さ。

 これは名曲あるあるなのですが、当時としては「変な曲」が多いんですよね。この「ハレルヤ」もバロックの合唱曲としては、いろいろと破格な曲です。280年前の今日、この曲を初めて聴いた人々の衝撃、興奮はすさまじかったことでしょう。

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2022.04.12

核融合のギモンまとめて答えます (岡野邦彦)

 

(忙しいので動画の紹介を軽く) 

昨日の記事の対談でも、ひろゆきさんが泉代表にぶつけていた「核融合」。

 仲小路彰は21世紀は「太陽の世紀」であると言いました。「太陽」には二つの意味が象徴されています。

 一つは「女性」。もう一つは「核融合」です。

 仲小路の予言は確かに的中しそうです。その中心となるのは日本。「ひのもと」の国、「あまてらす」の国のお役目がそこにあるのでしょう。

 皆さんもぜひこの動画を観て、誤解をとき、そして明るい未来に夢を馳せましょう。

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2022.04.11

「むすび大学」に出演いたしました。

 ょっと立て込んでおります。更新がおくれます。落ち着いたら頑張って追いつきます!

 代わりといってはなんですが、最近アップされたこちらの動画をご覧くだいませ。

 ご縁がありまして、むすび大学にてお話をさせていただきました。得意の「時間は未来から過去へと流れる」論、モノ・コト論、和=にぎ論などを語らせていただきました。

 皆様のご希望があれば、ほかの「日本語」「日本文化」の話もしたいと思っております。よろしくお願いします。

 謎に包まれた日本語の秘密「むすび」|山口隆之×小田真嘉

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2022.04.10

ひろゆき&成田悠輔(&パンダ)vs 泉健太 立憲民主党代表

 

 

 わかに忙しくなりまして、ちょっと手抜きの記事が続きます。

 手抜きと言うと泉さんに失礼でしょうか(笑)。

 しかし、この動画、この前の菅義偉前首相の回と比べていただければ、私の説明など不要だと思うのです。

 たとえ相手がひろゆきでも、その作戦にまんまと引っかかってしまっているようでは、とても与党にはなれませんよ。

 めちゃくちゃ「イキってる」上に、作り笑いまでするなんて…政治家もエンターテイナーですから、視聴者を意識した会話術を身に付けねば。

 これほど見事に罠に引っかかる人も珍しい。老獪さは微塵もありません。もしかして純粋すぎるのか?

 結果、聴いている人、見ている人を不快にさせてしまっては「まつりごと」はできませぬ。

 ある意味怖い番組ですね。特にパンダが…(笑)。

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2022.04.09

イキる

Th_images_20220411131401 近、若者を中心に「いきる」がよく使われていますよね。いえ「生きる」ではなく「イキる」です。「あいつなんであんなイキってんの?」的な。

 昨日、NHKのアナザーストーリーズで三島由紀夫やってましたけど、もうあの頃すでに若い自衛官は演説する三島に対して「あいつなんであんなイキってんの?」と思ったことでしょう。

 そういえば、三島に関してこんな記事も。なるほど自分で分かっていたのか。やっぱり無理して「イキって」しまったと。私はそんな三島が好きです。

 さて、「イキる」は「意気がる(粋がる)」からとも言われますが、古語にも似た意味の「いきる」という動詞があります。「いきり立つ」という複合語ではずっと使われてきましたよね。

 漢字にしますと「熱る」。まさに「熱くなる」。現代の若者の言う「イキる」も、なんとなく声(や態度)が必要以上にデカく暑苦しい感じです。

 古い日本語をじっくり調べますと、「IK・」系の言葉には(それこそ)「いきおい(いきほひ)」があることが分かります。エネルギッシュなのです。

 生きる(生く)、息、勢い、行く、怒り、意気、熱(いき)る、いきなり、雷(いかづち)、軍(いくさ)…。

 そう言えば、以前(10年前でした)「怒り」=「生かり」という記事を書きましたっけ。そこにもある程度書きましたね。なるほど「起きる」との関係も書いてあって参考になりました(笑)。

 お産や排泄の時の「いきむ」も同源でしょう。やっぱり熱くなって顔が赤くなっているイメージありますよね。

 四段活用の「生く」が現代に近づくにつれ「生きる」という上一段活用に変化したためか、四段活用「熱る」は「熱れる(いきれる)」という下一段活用に追いやられました。そして、「草いきれ」という特殊な名詞として現代に残ることになったのも面白いですね。

 いずれにせよ、日本人が古来持っているそうした「熱い」イメージが、現代に蘇ったということでしょう。

 ちなみに江戸時代の「粋」ももともとはこの系統。歴史的には「熱」→「意気」→「粋」という流れがあったものと思われます。もともとは遊郭などでの「勇気」「男気」を指す言葉ですから、やはりルーツは「熱」「エネルギー」でしょう。

 最後に、今思いついたのですが、「いきがあがる」って両極端な意味になりますね。「息が上がる」と「意気が揚がる」ですから。

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2022.04.08

『まんが道 大解剖』 三栄ムック

Th_-20220409-100842 子不二雄Aさんがお亡くなりになりました。残念です。

 Aさんと言えば「まんが道」ですね。普遍的な「○○道」の表現ともいえる大河マンガ。

 私も自らを満賀道雄に重ねて苦悩した記憶があります。

 そういえば、我が家にあるフジファブリックの志村正彦くんのサインには、唐突に「まがみちお」と書いてありましたっけ。

 なるほど、彼もまた田舎から夢見て友人たちと上京、天才たちに出会って自らの才能の限界に苦悩しながら、それを乗り越えて一つの境地に達したアーティストでしたね。叶わぬ恋もあったことでしょう。

Th_61tbayujgyl さて、「まんが道」そのものに関しては、もう私が何をか言わんやという感じですから、その「まんが道」の解説、二次作品(?)として面白かったこのムックを紹介しましょうか。

 貴重な資料、インタビュー満載でありながら格安、今ではKindle Unlimitedで無料で読めます。

 この「まんが道」、中学生とか高校生の教科書にしたいですね。名言集だけでも感動…。

 そして「愛…しりそめし頃に…」のラストのあの詩の多くは御本人の作だったんですね!完全に「まんが」を超えています。文学です。実際文学界の重鎮の方々のインタビューもありますし。

 日本の近代文学は小説にはなく、まんが、アニメ、そして歌詞の世界が本流だと思うのは、私だけでしょうか。

 あらためて安孫子素雄さんの歴史的文学的功績を思い、このムックを眺めなおしてみます。

Amazon まんが道大解剖

 そして、こちらの二次作品(?)も神回ですね。愛に溢れております。

 

 

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2022.04.07

バッハ 『ヨハネ受難曲(1725 第2稿)』

 298年前の今日、バッハのヨハネ受難曲が初演されました。再来年は300年の記念イヤーですね。

 今日は、あえて初演ヴァージョンではなく、翌年3月30日の再演版を聴いてみましょう。

 ヨハネの改編史にはいろいろと謎があるんですよね。この第2稿だけは大幅な改修があって、第3稿と最終稿はほとんど初稿と同じ。詳しくは研究者は任せますが、私は鈴木雅明さんの「マタイ受難曲を発表しようと思ったが間に合わなかった説」が一番あり得そうな気がします。

 あとは、ヴィオラ・ダモーレ奏者が二人揃わなかった。いや、ヴィオラ・ダモーレが二挺揃わなかったというのも可能性あり?

 とういわけで、いきなり冒頭のあの序曲が、マタイの第1部の終曲になっていてビックリしますよね。やっぱり曲の頭の印象というのは重要です。

 終曲のコラールも大編成になっており、荘厳なコラールで物語を挟むという意図は聞き取れますね。

 新しく作曲された何曲かのアリアのうち、勢いのある「Zerschmettert mich」は特にいい曲ですね。かっこいい。

 さて、このオランダバッハ協会の演奏、本当に素晴らしいですね。ルネ・ヤーコプスの指揮。オケには3人の日本人が。特にヤーコプス専属と言ってよい野入志津子さんがテオルボで全体を支えているのは嬉しいですね。

 

 

 

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2022.04.06

告知 4/17横浜 『バッハ・珠玉のカンタータ 哀しみのうた〜永遠の光へ〜』に出演します

 月の17日、バッハのカンタータを演奏します。今回はヴァイオリンにて参加。私はシルク絃で演奏します。

 美しいカンタータを3曲。特にヴィオラ・ダ・ガンバが効果的に歌を支える豊かな響きの世界はお聴き逃しなく。

 毎年開催している「横浜開港記念コンサート」ですが、いつもの開港記念会館が保存改修工事のためしばらく使えないため、神奈川県民ホール小ホールでの演奏となります。

 予約はこちらからどうぞ。お待ちしております。

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2022.04.05

『古典と新作に見る 能と聖徳太子信仰』 (武蔵野大学オンライン講座)

Hqdefault 年二月、期せずしてある方に「安宅の関」近くの超高級料亭にお招きいただいたのですが、その時に何かが降りてきたのでした。それからというもの、急に能「安宅」にはまってしまいました。

 歌舞伎の勧進帳や、義経や弁慶を描いたいくつかのドラマを通して、あの日本人の大好きなストーリーはもちろん知っていましたが、その原作となった能「安宅」は鑑賞したことがなかったのです。

 実はいまだ生では鑑賞していないのですが、YouTubeでいくつかの舞台を拝見いたしました。これは良い!

 芸大で能を勉強している次女も、まだまだ「安宅」にはほど遠いところをさまよっている感じですが、さっそく謡本を借りて例の勧進帳の謡を練習してみました。

 全くのシロウトが臨むようなモノではないのですが、まあ逆にシロウトならではの無鉄砲さ(高校の時にバッハの無伴奏をいきなり弾いたりしたのと同じ)で楽しんでおります。

 さて、そんなこんなでYouTubeをいろいろ検索しておりましたら、この素晴らしい講座の動画に出会いました。

 なんと、「安宅」と聖徳太子が結びついていたとは!

 「俊乗坊重源」という僧名も謡っていたけれども、それが誰かなんて全然気にしなかった。東大寺の坊さんだろうな程度の意識でした。

 そして、この講座の後半の、土岐善麿と喜多実による新作能「夢殿」。これも名前だけは知っていたけれども、全く触れる機会がありませんでした。それがこうして解説していただけた上に、富士山と黒駒のシーンを見ることができ、さらに最後の部分を仕舞で鑑賞できるとは。これも仏縁ですね。

 両方ともに、ぜひとも生で鑑賞したいところです。今年もまだ聖徳太子1400年遠忌イヤーは継続していますからね。

 

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2022.04.04

菅義偉 前首相を正しく評価せよ!

Th_hqdefault こ最近のことですが、菅前首相がインターネット番組に積極的に出演し、舌鋒鋭いあの人たちの意地悪な攻撃にひるむことなく、いや完全に自らがペースを握って、最後には完全にあの人たちを味方としてしまっているのを観ました。

 なるほど決して目立つ方ではありませんでしたが、静かなる熱意をもって自らの志を貫かれた方だったなと、あらためて感服しているところです。

 ウチのカミさんの故郷の地域出身。カミさんの出身高校の大先輩であり、またおじさんは高校の同級生だったりして、官房長官時代からなんとなく身近に感じていました。義父は菅さんのお父さんのことを仕事柄(農業関係です)よく知っていましたし。

 御本人もおっしゃるとおり、国民もまた菅さんが総理大臣になるとは思っていなかった。そして、総理としてはどうなのかななどと勝手に思っていましたが、こういう静かなる闘志を持った政治家もいいものですね。

 特に安倍さんのあとを受け継ぐ形でしたから、その対比が明確でよかった。安倍政権の裏方、縁の下の力持ち的な部分が表に出てきまして、そういう意味では、艮(東北)に幽閉された国常立大神の復権という神話的な意味合いもあったと思います。

 実際、安倍政権時代、昭恵夫人を同地域にご案内し、当時の菅官房長官の話になった時、ニギハヤヒとクニトコタチの話で持ち切りになりましたっけ。現代の政治もいまだに神話的世界とつながっていると実感できた瞬間でした。菅さんのお母様のご実家はニギハヤヒと深いつながりがあるのです(菅さん自身も知らないと思いますが)。

 いずれにせよ、陰陽のバランスこそ日本文化の根幹であり、陰が表に出て光り輝くこともまた歴史上必要なことなのでありました(日本語で「かげ」は光と影両方の意味があることが象徴的です)。

 さてさて、前置きが長くなりましたが、まずは日経テレ東大学にて、ひろゆき&成田悠輔と対談する菅前総理。もともとひろゆきさんも成田さんも菅さんを高く評価していたからとも言えますが、非常に実務的でありながら一方で霊的な(?)お話を聞くことができたと思います。

 まさに菅さんを突き動かす「モノ」のお話ですよ。はっきり言わないのではなく、言えないのです。なぜなら何モノかに動かされているからです。

 

 

 

 つづいて、ホリエモンとの対話。こちらも非常に安定感ある軸のしっかりしたお話に終始していますね。一方で痛感するのは、本当に私たちは「切り取られた」マスコミ情報に振り回されているということ。そして感情的に価値判断しているということ。

 そう、菅さんにそれがないのは、彼自身が何モノかに動かされており、そこには自己がないからです。人生の本質が明確なコトではなく、ぼんやりしたモノの方に宿るということを改めて痛感させられました。

 そういう意味では、本物の政治家(まつりごとを執り行う人)なのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

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2022.04.03

格闘技 いろいろと

Th_-20220404-141600 日は朝から格闘技三昧でした。

 まず昨日のことですが、とってもおめでたいニュースが。柔道の全日本選抜体重別選手権57kg級で、私の勤める中学・高校の卒業生である舟久保遥香が、見事東京五輪銅メダルの芳田司選手を破って優勝しました。

 ここのところ世界の舞台でも大活躍しており、10月の世界選手権にも初出場を決め、再来年のパリ五輪出場、そしてメダルへの期待が膨らみます。

 本校の柔道部と言えば、名監督の矢嵜先生。まさに最強の寝技戦士であり、また良き師であります。

Th_img_8779 先日彼とともに、北京五輪柔道金メダリストの石井慧選手にお会いしました。今日は石井選手がK-1の無差別級トーナメントに出場、見事1回戦をKO勝ちしたのですが、試合中に肋骨を痛め、残念ながら2回戦以降はドクターストップということになってしまいました。

 順調に勝ち進めば、京太郎選手との決勝になるかと期待していましたけれど、特にワンデートーナメントは怪我が怖いですよね。また、結果として京太郎選手も優勝した最軽量のサッタリ選手に完敗するなど、格闘技の難しさと面白さの両方を感じる大会となりました。

 実を言うと、立ち技の試合があれだけ続き、さらに試合の間の時間が長いとなかなか観戦する方も集中力が続きません。

Th_-20220404-142518 そんなわけで途中、別画面ではプロレス(ノア)の試合を楽しみました。特に興味深かったのは、鈴木秀樹選手と征矢学選手のシングルマッチ。そうだ、鈴木選手とも矢嵜先生と一緒に会ったっけな。てか、ウチの学校に来たんですよ。

 こちらもまた寝技師ですからね。最後はロイヤルストレッチというキン肉マン的な(?)技で見事勝利しました。強いわ。

 そうこうしているうちに、なんとも妙なニュースが。

Th_-20220404-142646 柔道全日本体重別選手権の男子100kg超級で、小川直也氏の長男、雄勢選手が優勝したとのこと。小川直也さんは矢嵜先生の大先輩であり、小川道場から毎年優秀な選手を我が校に送り込んでくれています。

 しかしよくニュースを読むと、なんと決勝は不戦勝だったと。怪我とか?と思ったら、準決勝の斉藤vs太田が両者消極的反則負けという前代未聞の展開。

 どうも最近、指導反則負けが目立ちますね。ルール改正のこともありますが、勝ちに行くより負けない柔道をする選手やチームが増えているように感じます。

 このあたりのことも含めて、この前石井慧選手や矢嵜先生には「新日本柔道連盟作りましょう!」って言ったんですよ(笑)。いや冗談ではなく、嘉納治五郎先生が泣いていると思いますので。

 最後にまだ書くことがあったのですが、なんだか忘れちゃったので(笑)、今日はこのへんで終わりに…あっ、思い出した!

Th_-20220404-142830 新日のヒール・レスラー、グレート-O-カーン選手が男に連れて行かれそうになっている女の子を助けて表彰されることになりました。

 彼は今日は浜松で大暴れ。試合後「ひれ伏せ!静岡の愚民ども!正義の味方は勝つんだよ!正義の味方に拍手をよこせ!」など、通常運転。本当に素晴らしいですね(笑)。

 ヒール・レスラーはいい人というのが定説ですね。和魂と荒魂のバランス、いや両者が二分されるのではなく同一化してしまうのが、神話的格闘技の世界であり、それこそ日本文化の根幹なのでありました。

 いやあ、格闘技は面白い!

 

 

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2022.04.02

Japanese Breakfast 『Jubilee』

 

 日はバッハのカンタータの練習をしてきました。お隣のバロック・ヴァイオリン界の重鎮の先生に直接ご指導いただけるのは幸せです。

 一つ指摘されたのが、「ビート感が8分音符になってしまっている」とということ。

 これってよく分かります。自分でも。コンプレックスなんですよ。ロックとかやってきたからというような言い訳は通用しません。ポピュラー音楽でも大きな単位で拍を感じなければなりません。

 ビートボックスのような、あるいは幼稚園児のようなリズム感では音楽は紡げません。そう考えると、やっぱり楽譜って弊害も多いし、演奏者だけでなく指揮者にもそういう弊害を持っている人もいますよね。

 で、行き帰りの車中で聴いたのが、このジャパニーズ・ブレックファスト。

 「日本の朝食」ですが、御本人ミシェル・ザウナーはフィラデルフィア出身の韓国系アメリカ人。彼女のソロ・プロジェクト名がなぜか「Japanese Breakfast」なのでした。

 グラミー賞2部門ノミネート。今年のフジロック・フェスティバルにも出演することが決まりました。今大注目、最先端の音楽ですね。娘たちにフジロック行こうよ!と誘われました(笑)。

 彼女の音楽は、音楽の作りからして「大きな波」ですね。私、こういう系好きなんですよ。意外でしょ(笑)。比較的数少ないコードを循環させる、それも浮遊感あるコードをですね。

 そこにメロディーが乗るわけですが、ある意味即興的にも聞こえるのが良い。はっきりした印象を残さないこともまた一つの表現ですね。

 もう1曲、これもいいですよ。Better The Mask。

 

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2022.04.01

松田聖子・河合奈保子 『ふりむかないで』

 

 日から社会人になった長女に、プチ河合奈保子ブームが訪れているおかげで、私も彼女の魅力を再確認しております。

 昨日も書きましたとおり、私は松田聖子派だったので、河合奈保子に関しては当時の男子のご多分に漏れず水着姿くらいにした興味がありませんでした。まさに若気の至り(笑)。

 特に売野雅勇さん、ミッキー吉野さんがプロデュースしていた時代のアルバムは聴き応えがありますね。

 とはいえ、やはりアイドル時代の奈保子さんは格別に魅力的。今日は超絶アイドルコラボレーションを一つ。

 松田聖子さんと河合奈保子さんのデュエットで、1962年発表の岩谷時子作詞、宮川泰作曲、ザ・ピーナッツが歌った名曲中の名曲「ふりむかないで」です。

 二人ともまず歌がうまい。そして可愛い。もしこの二人がデュオ・グループとしてデビューしていたら…もう大変なことになっていますね。

 二人は実際仲が良かったそうですし、なんと言っても歌声が合う。そしてタイプの違う可愛さがある。最強のペアですね。

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