『大怪獣のあとしまつ』 三木聡 脚本・監督作品
昨日の超名作ウルトラセブン最終回「史上最大の侵略」からのこれ(笑)。
いや、超名作のあとに観るべき作品かもしれません。単独で観たら、私も暴動起こしていたかもしれない。
B級映画大好き人間の私だからこそ、あえてE級認定いたします。「史上最大の駄作」、いや「史上最大の挑戦」なのかも…。
あまりに対極的であったからこそ、どういうわけか私はこの映画の「意味」が分かってしまいました。それは全く期せざることであり、また不覚なることでありました。
そう、たとえばセブンが宇宙に帰ったあと、あのパンドンの死体はどうなるのか。
キリヤマ隊長は「地球は我々人類自らの手で守り抜かなければならないんだ!」と遅ればせながら気づきましたが、実は「大怪獣のあとしまつ」さえも人間はできないのです。
結局、「選ばれし者」「光の戦士」が片付けなければならないという、その悲しい答を、半世紀以上経った今、この映画は明示してしまいました。
これって、ある意味、アメリカの核の傘に守られた日本の半世紀そのものですよね。
「我が国は我々日本人自らの手で守り抜かなければならないんだ!」と意気込んだのも今は昔。
この映画でも暗示されている、放射能、ウイルスや細菌、そして軍事的な侵攻が起きても、結局他人頼みの日本人。
たしかにそれは世界の常識から見れば「ギャグ」、それも滑りまくる「オヤジギャグ」であり、それをこれほどに見事に(リアルに)表現した映画はないかもしれません。
世間で、「史上最大の駄作」と酷評され続けるこの作品(こちら参照)は、もしかすると半世紀後「名作」と言われるのかもしれません。それこそシャレになりませんが。
しっかし、近視眼的、常識的に考えると、怪獣・ヒーローもので絶好調の東宝に、松竹と東映が歴史的タッグを組み、それなりのキャストを集めて挑んだはずのこの作品が、どうしてこうなったのか。
プロレスでも、夢のタッグや夢の対決が、めちゃくちゃしょっぱく滑りまくって、後楽園ホールや国技館が破壊されたことがありました。しかし、それはのちに語り草となり、記憶に残る「作品」となりました。
そういう意味でも、あえて勇気を振り絞り、劇場で観てみるのもありだと思います。もちろん割引なんか利用しないで。
ちなみに私はある地方の小劇場で観たのですが、観客は私一人でした。素晴らしい時間と空間。これもまた映画体験なのか。
追伸 そんな中、山田涼介くんは頑張っていたと思います。ある意味モロボシ・ダンなみに切ない戦いでした(トホホ)。
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