バッハ 『無伴奏チェロ組曲』 シモーネ・リブラロン(ヴィオラ)
急に慌ただしくなりましたので、移動中聴いた音楽の紹介です。
ヴィオラ版の無伴奏チェロ組曲。非常に興味深い演奏でした。
私自身もチェロよりもヴィオラで弾くことが多いこの曲。ヴィオラでチェロの深さにどう対抗するかというのは大きなテーマでした。
シモーネ・リブラロンのこの演奏は、初めてそうした「縛り」から解放された演奏だと感じました。
ヴィオラならではの音色と響きを最大限に活かし、チェロのあの音の記憶から解放されていますね。
残響の少なさから、私はテンポを上げてごまかすことが多かったのですが、この演奏はその逆のアプローチ。ゆっくりですね。非常に丁寧。
そして、なんといっても、完全なノンヴィブラートが素晴らしい!古楽の勉強もされているのでしょう。開放弦も効果的に使っています。軽みのあるボウイングも見事ですね。
まるでアコーディオンのような、いやバンドネオンのような音です。なるほど。
バッハはヴィオラは弾きましたが、チェロは弾きませんでした。もしかすると、自身もこの曲をヴィオラで弾いたかもしれないのです。
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