居心地の良い場所「富士吉田」!?
昭和26年(1951年)の今日、富士山の艮(北東)に富士吉田市が誕生しました。
太古富士高天原があった(とされる)地域です。
その富士吉田市にある学校法人に勤めて35年ほどになりますから、富士吉田市の歴史の半分を体感したことになりましょうか。
市民だった期間は10年ほど。今は近隣の村に籍があり、静岡の実家で生活することも多くなりました。
富士山の南側と北側では、気候風土が全く違います。そのため、当然住む人々の生活も、その人柄も大きく違います。
南麓から北麓へ移住した私からしますと、正直北麓の方が「今だけ、カネだけ、自分だけ」的な要素が強く感じます。もちろん厳しい気候風土が生んだ気質ですから、別にそれを軽蔑したり、嫌ったりしているわけではありません。なにしろ、わざわざ南麓を捨てて北麓を選び生活しているわけですからね。
そう、逆に言うと多くの面で恵まれすぎている南麓(岳南)の皆さんの、あの独特の「のんびり感」に物足りなささえ感じるわけです。
北麓は南麓に生活的なコンプレックスを感じて生きてきました。それがたとえば「富士高天原」伝説が生まれる本質的原因になっているのです。
文化の誕生には二つのパターンがあります。一つは豊かな幸せな生活から生まれる文化。もう一つは恵まれない不幸な生活から生まれる文化。
そのどちらかが優れているというようなことはありません。それは歴史的な文化遺産を想起すればすぐに分かりますね。ある意味、その両輪、あるいはそれらのコントラストがあってこその「文化」であると思います。
富士吉田出身の有名人、フジファブリックの志村正彦くんや、プロレスの武藤敬司さん、お笑いのニューヨークの嶋佐くんらが、陰影ある深い表現ができるのも、あの気候風土の中で育ったのちに、東京や世界に出ていったからに違いありません。
さてさて、ブッキング・ドットコムが口コミ評価を集計して算出した「最も居心地の良い場所」ランキングで、富士吉田市が堂々の3位になりました。
これは本当に驚きです。地元の皆さんはこの事実をもっと知った方が良い。そして誇りに思うとともに、それを活かした観光事業を展開しなければなりません(ちなみに私は今年から本格的に展開しますよ!)。
これは皮肉ではなく実際問題としてあえて書きますが、もし出身地域以外に移住した方々に「最も居心地の悪い場所」ランキングを投票してもらったら、きっと富士吉田は3位になりますね(笑)。
正直「来たりもの」にとっては住みにくい場所です。まず寒い(夏は涼しい)し、閉鎖的ですし、保守的ですし、排他的ですし、お金や権力に汚いですし…って日本中、地方はみんなそんなものですけど(苦笑)。
しかし、そんな「地方性」を軽く凌駕する、まさに世界レベル、いや宇宙レベルで美しい「富士山」がある街、富士吉田。たしかに外国から来たら、その新旧混沌とした街並みも含めて、その全体的空気感は「居心地が良い」と感じるでしょうね。
南側や東側からの富士山を見慣れていた私でさえ、最初に富士吉田の本町通りから富士山を見上げた大学生の時には本当に感動しました。生活の情景に溶け込んでいて、かつ神々しい。
芸術的な風景画とは違う、リアルな生活感をまとった民芸のような印象でした。もちろん、今でもその感じは変わっていません。そんなところに、外国の方が何かを感じるのは嬉しいことです。
河口湖でも山中湖でもなく、富士吉田市というところがいいじゃないですか。皆さんもぜひおいでください。
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