ゼレンスキー大統領国会演説(と仲小路彰)
スピーチライターはどなただったのでしょうか。少なくとも日本人が関わったことはたしかですね。日本人向けとして大変よくできた演説であったと思います。
厳しい言葉はほとんどなく、感謝や敬意の表現が多かった。アメリカで「真珠湾攻撃を思い出せ」とまで言っていたのとは大違いです。
さらに、原発やサリン、津波といった言葉が散りばめられ、恐怖の共感を図るあたり、ちょっとやりすぎかなと思うほどよく練られた原稿でした。
そんな中、印象に強く残ったのは「調和」という言葉でした。「調和」と訳されていましたが、これはおそらく「和」をイメージしたものでしょう。
そこで想起されたのは、仲小路彰の地球平和論の根幹にある、聖徳太子の「和」でした。
実は、仲小路彰に可愛がられた弟子の一人が、元ウクライナ大使の天江喜七郎さんです。私も一度お会いしましたが、本当に聡明かつ柔和な方でした。天江さんは、2004年のウクライナ「オレンジ革命」の時に大使をされていました。
その時のことをキエフ在住のボグダンさんが語っていると、仲小路彰のご親族の方から教えていただき、この動画を視聴しました(43分から天江さんの話が出てきます)。
私としては、ゼレンスキーさんのスピーチよりも、このボグダンさんと岡部さんの話の方が、大半のウクライナ国民の心情を理解する助けとなりました。
もしかすると、ボグダンさんも今回のゼレンスキーさんのスピーチ原稿作成に関わったかもしれませんね。そうだとすると、仲小路彰の「和」の理想が天江さんとボグダンさんとゼレンスキーさんを通じて日本の国会に帰ってきたとも言えましょう(得意の統合過剰だと言われそうですが、霊的な世界とはそういうモノですよ)。
ヒトラーの例を挙げるまでもなく、戦争における「演説」の価値は大変大きい。演説によって世論が動き、そこにより強く「敵」が意識され、結果としてこちら側の連帯があちら側との分断の壁を高く厚くしてしまう。
さあ、スタンディングオベーションした(国会議員に代表されている)日本人は、単純に西側諸国の連帯の中に取り込まれてそれで良しとするのか。それとも「和」を正しく理解し、より高所的な立場で「戦争」自体の収束を試みるのか。
国際的には、かつての日本はテロ国家という認識です。だから、アメリカではパールハーバーやカミカゼやトージョーやヤマモトが敵意の象徴として使われ続けているわけです。そこを乗り越えて(一応)平和国家となった日本が、この前世紀的な「第三次世界大戦」に対して、その消えがたい対立・矛盾を止揚する立場になることを望みます。
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