ウクライナの中世音楽
ロシアの軍隊がキエフに迫っております。
歴史は繰り返すのか、繰り返さないのか。
13世紀、キエフ・ルスはモンゴル軍によって壊滅しました。それまでのキエフ近辺は、スラブ系の民族とフィンランド系の民族が仲良く暮らしていたといいます。
その平和な過去の記憶が、この音楽たちには垣間みられます。
一度滅んでしまった文化を復興するのは難しいことです。特に中世までは、地方では記譜法も確立しておらず、もちろん録音はなく、また当時の楽器もほとんど残っていないとなると、ある程度は想像で復元するしかありません。
この録音の詳細は分かりませんが、使われている楽器の音や演奏の様式を聴くに、やはりたぶんに想像による部分が多いと感じます。しかし、そのように過去の民族的記憶にアクセスすることは、未来の記憶へのアクセスの訓練になるので、とても大切なことです。
それにしても、この愁いを秘めた独特の旋律はなんとも心にしみますね。おそらくそちらあたりの血が混ざっていると思われるウチのカミさんは、こういう音楽に強く反応します(逆にいうと、長調の和声的音楽が苦手)。
言語的、あるいは映像的記憶は遺伝子には残りませんが、聴覚や触覚、味覚というのはどうも残るようですね。だから近代文明では、言語や視覚に偏っているとも言えますし。忘れてしまう運命だから残そうとするのでしょう。
ロシアやベラルーシの語源は「ルス」だそうです。もともと同じ民族なのです。ぜひ彼らの遺伝子の中にある共感覚を思い出してもらいたい。イデオロギーは遺伝子には残らないカスのような情報なのですから。
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