『モテキ』大根仁監督作品
いきなりですが、10年以上昔の映画をおススメします。
なぜ、この映画かというと、長女と家内がアメリカの某ミュージカル映画を観て感動したあと、「日本にはミュージカル映画がない」と言っていたので、「いや、日本にはこれがある!」と紹介したのがこれだったというわけです。いや、マジで。
公開当時は、志村正彦くんの亡くなったあとで、遺作とも言える「夜明けのBEAT」が主題歌になっていたこともあり、なんとも言えない複雑な気持ちで鑑賞してしまいました。
ようやく10年経って、この映画を純粋に「ミュージカル映画」として楽しめるようになったわけで、やはり時の流れというのは大切だなと思った次第です。
そう、この映画はまさに日本流の「ミュージカル映画」だったのです。この映画で流れる音楽(曲)は以下のとおり。
J-Pop / Half-Life
夜明けのBEAT / フジファブリック
マルマルファンク / 在日ファンク
格好悪いふられ方 / 大江千里
Self Control / TM Network
物語はちと?不安定 / N'夙川BOYS
安めぐみのテーマ / ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)
いかれたBaby / フィッシュマンズ
Baby Cruising Love / Perfume
走れ! / ももいろクローバー
Lifetime Respect / 三木道三
ワック♩ワック♩B-Hack / B-Hack
あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう / 岡村靖幸
悦びに咲く花 / ACO
失格 / 橘いずみ
Love Forever / 加藤ミリヤ×清水翔太
Lover Soul / Judy And Mary
デスコ / 女王蜂
友達じゃがまんできない / ナキミソ
ばらばら / 星野源
カルアミルク / 岡村靖幸
Long Time / Rei Harakami
東京 / くるり
ヤード / Tokyo No.1 Soul Set
今夜はブギー・バック(Smooth Rap) / スチャダラパー featuring 小沢健二
なんとも懐かしいですね。あ、あと大切なのが、カラオケのシーンね。リリー・フランキーの熱唱する「粉雪/レミオロメン」。
いわゆるJ-POPが、特にその歌詞世界において、日本古来の「文学」「歌」の世界を引き継いでいることを考えると、まさにこの映画は音楽自体が人生を語る「ミュージカル映画」そのものです。
一瞬だけ、Perfume のところで、ある意味本当のミュージカル映画になるのもいいですね。あれって、その後の、たとえば「恋ダンス」なんかにつながるところがある。観客、視聴者も含めて「恋」の物語に波動参加するというね。
恋ダンスといえば、10年前に星野源の「ばらばら」を効果的に採用したセンスにも、今だからこそ感嘆しますね。
私は、こういうJ-POP主体の映画がもっとあってもいいと思います。昭和の時代のエノケンやロッパ、笠置シズ子から藤山一郎、美空ひばりは言うまでもなく、加山雄三、クレイジーキャッツ、ドリフのような、ご機嫌なミュージカル映画をどんどん作ってほしい。「もののあはれ」をも継承したJ-POPの歌詞世界なら、単なるBGM、劇伴音楽ではなく、作品の主体にすらなれると思いますよ。
さて、考えてみると、この映画の前にはフジファブリックの志村正彦くんと、後でいうならレミオロメンの藤巻亮太くんと、それからええと最近橘いずみさんにも会って話したな。それも三人とも富士吉田でだ。全く不思議なご縁ですね。
今後、ほかの人たちにも会うかもしれない。いや、会いそうな人がいます。彼らの人生こそ、まさにドラマチックであり、映画的であるというのが、またなんとも言えないのでした。
それにしても、この映画での森山未來くんと長澤まさみさんの魅力は抜群ですね。やはり演技が音楽に乗っているからでしょうか。
非モテ男(オタク)にモテ期が来たという奇跡ではなく、それによって照射される「女のサガ」「女の哀しさ」がテーマですよね。それはまた実に「演歌的」でもあるのでした。
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