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2022.01.12

『奇蹟がくれた数式』 マシュー・ブラウン監督作品

 

 日の中島岳志さんの「思いがけず利他」にも出てきたこの映画。インド人数学者ラマヌジャンの天才ぶりと葛藤、そして早すぎた死が描かれています。

 そういえば、数日前、満島ひかりさんがこの映画で過呼吸になったと語っていましたね。

 満島ひかり、過呼吸になるほど泣いた映画とは?

 中島さんも紹介していたように、ラマヌジャンは直観から数多くの数式を発見しました。そして、それを証明することに消極的でした。すでにその結論はすでに正しいからであって、証明の必要はないと考えていたのです。

 なぜなら、彼はインドの女神ナマギーリからそれを授けられていたからです。女神が彼の舌に数式を書いてくれるのだと。

 西洋近代の特に自然科学においては、そのようなモノ的世界は許されません。証明というコトを介さないと認められないのです。

 私は全くの凡才ですが、やはり最初から結論をダウンロードできるタイプですので、アカデミックな世界からは大いにバカにされています(笑)。それでも中には、私の代わりに研究をしてくれる学者さんもいらっしゃる。本当にありがたいことです。

 逆に言うと、私は勉強や研究をして結論を導き出しているのではないので、その結論とやらも自分の「コト」ではありません。どこかからやってるモノなので、当然私の所有物ではありませんから、著作権もなにもあったもんじゃない。ですから、全く自由に使っていただいて構わないのです。

 もともとこのブログでも著作権について下記のように説明していました(笑)。

 このブログの著作権について

 ある意味、ラマヌジャンもそういう発想だったのかもしれませんね。ハーディがいなかったら彼が歴史に名を残すことはなかったのでしょう。その出会いこそが「奇蹟」なのです。

 それこそハーディは結果として「利他」を働いたことになりますが、もともとラマヌジャンにとって、それは「ありがた迷惑」だったかもしれません。

 それにしても、天才はなぜこんなにも早く亡くなってしまうのだろう。32歳ですか。そのあたりが一つの関門ですね。私はその二倍くらい生きていますから、残念ながら天才ではなかったようです(笑)。

 

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