「物語」が生まれる瞬間〜長州力アンドレを語る〜そして神奈月さんによるモノマネ
昨日の河合隼雄さんの最終講義からの続きです。
コンステレーションによって「物語」が生まれる瞬間、現場というのにはなかなか立ち会えません。ただ、ある人の過去の記憶が肥大化し、そして事実から乖離した「物語」「伝説」が生まれる場には、私も何回か出会っています。秋田の男たちの酒の席での「熊と戦った話」なんか、まさにそれでした。
また、自分自身の中でもそういうことが起きているのを自覚する時も多々あります。ああ、オレ、今盛ってるなって(笑)。
そんな瞬間、現場を捉えた貴重な動画があります(笑)。私も大好きな長州力さんの独特な語り。モノをカタることによって、さらなるモノノケが生まれ育っていく。
まあ、とにかく聞いてみてください。
もう、感動的ですらありますね。実際にアンドレ・ザ・ジャイアントは化け物でしたから。その化け物と肌でぶつかり、そして殴られ、あるいは投げた人の言ですらか、そりゃあ「盛ってる」とかの次元ではなくて、実際そういう「リアル」を感じたということでしょうね。
いわば、浮世絵のリアリズム、印象派の、あるいはピカソのリアリズムみたいなものですよ。脳内リアル。
さらにさらに、それに感動した人たちが、それを語り継ぐじゃないですか。それがまた肥大化していく。そのいい例がこれです。
神奈月さんが見事に、完コピではなく、さらに「盛って」、いやこれこそが神奈月さんのリアリズムなわけですよ。モノマネとは「モノを招く」ことです。まさに神奈月さんはまさにイタコのような語り手なわけです。
もちろん、面白いから笑ってしまうわけですが、その奥で感動している自分がいる。これこそ、神話や御伽噺が生まれる過程でしょう。
ここからは完全なる蛇足ですが、そんな神奈月さんに真似されたことがあるというのが、私のささやかな自慢です(笑)。
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