「物語」が生まれる瞬間〜長州力アンドレを語る〜そして神奈月さんによるモノマネ
昨日の河合隼雄さんの最終講義からの続きです。
コンステレーションによって「物語」が生まれる瞬間、現場というのにはなかなか立ち会えません。ただ、ある人の過去の記憶が肥大化し、そして事実から乖離した「物語」「伝説」が生まれる場には、私も何回か出会っています。秋田の男たちの酒の席での「熊と戦った話」なんか、まさにそれでした。
また、自分自身の中でもそういうことが起きているのを自覚する時も多々あります。ああ、オレ、今盛ってるなって(笑)。
そんな瞬間、現場を捉えた貴重な動画があります(笑)。私も大好きな長州力さんの独特な語り。モノをカタることによって、さらなるモノノケが生まれ育っていく。
まあ、とにかく聞いてみてください。
もう、感動的ですらありますね。実際にアンドレ・ザ・ジャイアントは化け物でしたから。その化け物と肌でぶつかり、そして殴られ、あるいは投げた人の言ですらか、そりゃあ「盛ってる」とかの次元ではなくて、実際そういう「リアル」を感じたということでしょうね。
いわば、浮世絵のリアリズム、印象派の、あるいはピカソのリアリズムみたいなものですよ。脳内リアル。
さらにさらに、それに感動した人たちが、それを語り継ぐじゃないですか。それがまた肥大化していく。そのいい例がこれです。
神奈月さんが見事に、完コピではなく、さらに「盛って」、いやこれこそが神奈月さんのリアリズムなわけですよ。モノマネとは「モノを招く」ことです。まさに神奈月さんはまさにイタコのような語り手なわけです。
もちろん、面白いから笑ってしまうわけですが、その奥で感動している自分がいる。これこそ、神話や御伽噺が生まれる過程でしょう。
ここからは完全なる蛇足ですが、そんな神奈月さんに真似されたことがあるというのが、私のささやかな自慢です(笑)。
| 固定リンク
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- こども歌舞伎「勧進帳」(2024.06.22)
- 冨田靖子 『グッドバイ夏のうさぎ』 山名兌二 監督作品(2024.06.18)
- 『彼岸花』 小津安二郎 監督作品(2024.06.16)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 全日本プロレス祭 アリーナ立川立飛大会(2024.08.17)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
「文学・言語」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 富士山と八ヶ岳のケンカ(2024.08.10)
- 上野三碑(こうずけさんぴ)(2024.08.06)
- 東北のネーミングセンス(2024.07.28)
「モノ・コト論」カテゴリの記事
- ハイデガーVS道元…哲学と仏教の交差するところに、はじめて立ち現れてきた「真理」とは?(2024.06.03)
- 文字を持たない選択をした縄文人(2024.02.14)
- スコット・ロスのレッスン(2024.01.12)
- AIは「愛」か(2024.01.11)
- Re:Hackshun【目せまゆき&成田山幽輔】安倍さんは、あの解散をどう考える?(チョコレートプラネット チャンネル)(2023.11.21)
コメント