黙山元轟(もくざんげんごう)
曹洞宗の名僧をお一人紹介いたします。
なんで急に黙山さんかと言うと、昨日、一昨日の記事からの連想です。
というのは、家内の故郷、秋田県の羽後町に「妙音寺」というお寺があるからです。
全国に「妙音寺」というお寺はいくつもありますが、やはり日本最奥の寺として、この田代妙音寺は注目に値します。
日本最奥というのは勝手に私がそう言っているだけで、ご住職の許可をいただいているわけではありません(笑)。
そうそう、何年か前、家内の祖父の葬儀で羽後町に行った時、地元の親戚の方々に「ぜひ妙音寺の住職に」と誘われました。いくら僧形とはいえ、僧籍を持っていないエセ坊主ですからと丁重にお断りいたしました(当たり前)。
あれは冗談だったのか、いやみんな真面目な顔で言っていましたから、江戸時代以前の田舎の寺なんかは、私のような旅の僧形を迎え入れるなんてことが実際あったのでしょう。
で、なんで「日本最奥」なのかというと、実際に妙音寺の裏山を越えた集落には仏教が伝来していないからです。すなわちウチのカミさんの生まれ育ったところ。古神道とキリスト教(ロシア正教あるいはイスキリ教?!)は伝わっていますが、仏教は基本伝わりませんでした。
それはこんな事実からも証明されるかもしれません。
羽後町田代は「鎌鼬の里」です。そう、細江英公撮影の土方巽写真集「鎌鼬」の撮影現場なのです。秋田県生まれで、横手盆地の方には親戚もいた土方が、「最奥の集落で撮ろう」と言って細江を誘って行った場所が田代だったのです。そこはウチのカミさんのお母さんの実家のあるところでした。
実はもう一つ峠を越えると異世界があったわけですが、その時は土方も細江もそこが「最奥」だと思っていたのです(と、実際細江さんから聞きました)。
そんなところにある妙音寺。雪深い厳しい環境ですが、だからこそかある歴史に名を残す高僧が修行をしています。それが曹洞宗界隈では「坐禅黙山」と呼ばれている「黙山元轟(もくざんげんごう)」というわけです。
黙山は横手盆地東部の増田出身。1683年の生まれです。14歳で出家し、19歳から23歳まで妙音寺で修行をしています。その後関東を中心に行脚して、81歳で遷化するまでに四ヶ寺の開祖となります。埼玉久喜の迦葉院は有名ですね。
ひたすら行(坐禅)に親しみ倹約を徹底した僧として、また江戸幕府の仏教統制策である「本末制度」に反旗を翻す気骨ある僧としても知られています。
詳しくはこちらで学んでください(結局違う話がメインになっちゃいましたね)。
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