サルヴァトーレ・ランゼッティ 『チェロ・ソナタ集』
今日は素敵なチェロ・ソナタを紹介します。
ランゼッティはバロック後期にイタリアで活躍した名チェリストです。とは言え、彼の存在が注目されはじめたのは本当に最近。忘れられていた音楽家の一人です。
彼が作曲した多くのチェロ・ソナタは、なかなか魅力的です。バロックから古典派への過渡期ということで、和声的な新しいチャレンジが随所に聞かれます。
また、この時代はヴィオラ・ダ・ガンバからチェロへの移行期に当たるのですが、ガンバの高音の美しさを聴き慣れた人々はチェロにも高音の美しさを求めました。
有名なボッケリーニなどもそうですが、高音で歌わせてるパッセージが多出するんですね。そのあたりがヴィヴァルディやバッハのチェロ作品と大きく違うところです。
そういう意味では、ヴァイオリンよりも早く超絶技巧が当たり前になってしまいました。現代のチェリストにとっても、このランゼッティは決して楽な作品ではありません。
まず1曲聴いてもらいましょうか。「Six Solos after an Easy & Elegant Taste for the Violoncello」から第5番の第1楽章です。タイトルにある「easy」は「簡単」「平易」では(絶対)ありません。けっこう超絶技巧ですから。つまり、これは気分的な「ゆったりした」程度の意味でしょう。
まさに「ゆったりとして優雅」なメロディーが展開されますよ。
大変美しいですよね。ちょっと現代的なポップささえ感じます。
そして次の楽章がまた良い。元気なパストラーレです。これもまた新しいセンスですよね。チェロの魅力が爆発しています。
もし気に入ってもらえたようなら、ぜひ全曲どうぞ。良きBGMになりますよ。
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