『富士山大噴火と阿蘇山大爆発』 巽好幸 (幻冬舎新書)
阿蘇山が噴火しました。この規模での噴火は2016年以来5年ぶりということになります。
2016年の噴火の時の記事はこちらです。ここに書かれているように、昭和54年の噴火では登山者3名が亡くなりました。今回は本当にギリギリ登山者に犠牲者が出なかった。それは良かったと思います。
かつて富士山を「あそやま」と言っていたように、「AS」や「AT」という音の連なりが火山を指すことが多い中、やはりその親玉は九州の阿蘇山です。
この本に詳しく書かれているように、阿蘇山の巨大カルデラ噴火のレベルは桁違いであり、火山爆発指数でいうと、9万年前の阿蘇カルデラ爆発はレベル7。
富士山の宝永噴火はレベル5ですから、噴出物の量でいえば、阿蘇はその数百倍ということになります。
富士山はせいぜい江戸に被害を与えた程度ですが、阿蘇カルデラは北海道の南端まで、その噴出物を飛ばしました。とんでもない規模ですね。日本列島はほぼ壊滅。
こういうレベルの阿蘇山の噴火が今後起きないということはありません。なんとなくしばらく(数万年)はないだろうと予想しますが、そこに科学的根拠はありません。
2016年の噴火の記事に書いたように、熊本地震が阿蘇山の噴火を抑える効果があることも考えられますし、噴火が地震を引き起こすこともあります。
このように、私たちの人智を超えた自然の営みのことを、私たちは「モノ」と呼びました。大物主や大物忌の神はその象徴です。
そのモノに対するある種の諦観が、日本人の奥深い哲学の基底にあることを改めて感じます。
Amazon 富士山大噴火と阿蘇山大爆発
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