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2021.10.04

【藤原喜明、長州力、藤波辰爾】アントニオ猪木デビュー60周年記念3本勝負!

 

 視カメラと「お天道様が見ている」の話を書きましたが、そういう他律的な(善なる)自己の生成というのは、仏教で言うところの「縁起」であり、「他力」であり、「無我」であり、「空」です。

 西洋から個人主義や人権などというものが輸入され、それを学校でも是として教えるようになり、すっかり日本人が培ってきた慣習というか智慧というものが希薄になってしまいました。

 かく憂う私も、矛盾するかのように、教育現場で体罰や恫喝のようなハラスメントを率先して排除する活動をしてきました。しかし反面、かつての緊張感ある師弟関係にも格別な愛着をもっているのも事実です。

 この動画は、いろいろな意味で感動的だったわけですが、あえてそっちの切り口で言いますと、たとえばあの長州力さんが、猪木会長の前では、こんなにもまともな人になるのだという事実(笑)。

 長州節、長州言語は影なく、あまりにも真っ当な日本語が淀みなく出てくることに驚きました。まさに「会長が見ている」であり、この延長線上に「お天道様」があるのだと思います。

 長州さんのみならず、藤原組長、藤波さんも緊張しまくっていますね。しかし、そこには、単なる力関係ではない、尊敬と愛情の世界を感じます。

 こういう境地に至るためには、今ではハラスメントや暴力と解釈されてしまう、伝統的な「荒魂」がしっかり機能し、それを乗り越えたところにこそ真の「和魂」が生まれるという、まさにアンビバレントな霊性が必要です。

 そういう世界を否定し、善悪二元論で全てを片付けてしまうことこそが現代の病ですね。

 プロレスはもともと善悪や勝ち負けを構成しながら、それを凌駕して見せる高度な文化です。だから、こうして彼は今でも魅力的な発信者になり、「人生」を私たちに教えてくれる存在となりうるのです。

 それにしても、猪木さん、本当に一時はどうなることかと心配いたしましたが、かなりお元気になられて安心しました。

 何度も書いているとおり、猪木さんが現役バリバリの頃、私は全日派でしたので、正直アンチだったわけですが、やはりそうした好悪二元論を完全に止揚しての今の私となっています。

Th_img_8768 実際、年をとってからは新日関係の方とのおつき合いが圧倒的に多い。猪木さんとも10年前にお会いして、いろいろお話させていただきました。

 たしかにあの独特の緊張感は、直接の師弟関係でなくとも分かります。

 また、いつかどこかでご一緒させていただき、「1,2,3,ダーッ!!」をご唱和させていただきたく思います。ますますお元気になられることをお祈りします。

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