『ヴィオラ・バスタルダ、リュート、リュート・ハープシコードによるバッハ』 ゲルゲイ・サルコジ
ハンガリーの演奏家ゲルゲイ・サルコジはユニークです。たぶんこのアルバムは一人4役やっているのだと思います。ここでは、ヴィオラ・バスタルダ、リュート、リュート・ハープシコード、オルガンを弾いています。
ヴィオラ・バスタルダについては、かつてこちらに書きました。ヴィオラ・ダ・ガンバと同じとも言えますが、なんとなく彼の演奏だとジプシー的になっていますよね。かっこいい。
リュート・ハープシコードも珍しい。ドイツ語でラウテンヴェルクというやつですね。金属弦ではなくガット弦を張ってあるチェンバロです。
これにシルク絃を張ったら…というのが、私の今の夢(妄想)。ヴィオラ・バスタルダにももちろん張りますよ!リュートにもです!
ハンガリーあたりだと、モンゴルやらオスマンやらがやたら入ってきていましたから、もしかするとシルク絃を使っていた時があるかもしれませんね。
バッハ自身、50歳の時にバッハ家の家系についての文書を作成しています。それによると、16世紀にファイト・バッハという人がハンガリーでパン屋さんをやっていたのだとか。彼がパンを焼きながらツィターを爪弾いたところが、音楽家の家系の始まりだと書いています。
というわけで、彼自身、ハンガリーが自分のルーツだと思っていたようです。ちなみに、パン屋さんという意味のBacker(英語でいうベイカーですね)からBachという名字ができたそうです。
というわけで、ハンガリーの演奏家たちもバッハを好んで演奏します。彼らの演奏するバッハは、ドイツ的な厳格さよりも、やはりジプシー的な自由さと熱情に溢れており、それはそれで楽しいものです。バッハも喜んでいるのではないでしょうか。
このゲルゲイ・サルコジの演奏も、楽器だけでなく解釈もかなり自由ですね。芸達者。やや大衆的なバッハ。私も好きです、こういうの。
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