バッハ 『アルビノーニの主題によるフーガ BWV 951(a)』
今日はバッハの地味な曲を一つ。
地味ですが、バッハにとっては思い入れがあったようです。というのは、何度も手を加えているのですね。
テーマはアルビノーニの作品1のフーガからの借用です。まず、その原曲を聴いてみましょう。シンプルですが魅力的なフーガ楽章です。
アルビノーニのこのテーマ、お聴きになってわかるとおり、半音の下降進行があって特徴的です。
マニアックなバッハとしては、この半音進行の部分が気に入り、対位法から生まれる和声の多様さの追求をしたのでしょう。
つまり、演奏するためというよりは、作曲自体が目的であったと。
では、まず初期稿を聴いてみましょう。BWV 951です。
はい、では後期稿として残っているより複雑化したものを聴いてみましょう。BWV 951aです。楽譜はこちら。
実はこのあとも何回も細部を書き換えているらしい。なかなか理想の形に至らなかったのか、あるいは新しい流行や発明を取り入れて実験的に進化させていたのか。バッハの気持ちを考えると面白いですね。
そして、だんだんやり過ぎになっていくのがバッハの悪いところです(笑)。結局アルビノーニのオリジナル版が一番良かったりして。
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