『日蓮聖人と法華文化』 山梨県立博物館
日蓮生誕800年、佐渡入国750年記念ということで開催されているこの展覧会。
去年までの私だったら、あえて行かなかったかもしれません。
正直、日蓮にはあまり興味もなかったし、法華経もよく知らなかった。
ところが、ひょんなご縁から、日蓮と法華経の研究を60年以上続けているある方と出会い、ほぼ毎日のように電話で講義をしていただいておりまして、すっかり身近な存在となってしまいました。
その方は最近、ある種の悟りを得て、この60年間の自分の考えや行動の間違いに気づかれました。そして、それは即ち、釈迦や日蓮が経験した誤りとも重なるものです。
日蓮はどこでそれに気づいたか。それが佐渡なのです。そして、生まれ変わった日蓮は甲斐国身延に久遠寺を開きます。
ちょうどこの展覧会は、佐渡から山梨への足跡をたどるような内容ですので、まさに今の私の脳内とリンクするところがあって興味深い鑑賞いたしました。
本当に去年の今頃だったら、全然興味がわかなかったでしょうし、正直退屈したことでしょう。全く不思議な仏縁です。
釈迦、聖徳太子、日蓮、そして多くの仏教者が陥ってきた誤りについては、私ももう少し勉強しなければいけません。ある意味大きな問題提起になりますから、それこそ多くの批判(攻撃)を覚悟しなければなりませんし。まずは法華経をちゃんと読まねばなりませんね。
今ちょうど、仲小路彰の聖人伝シリーズの「釈迦物語」の活字化を進めております。仲小路もまた、戦前・戦中に彼らと同じような誤りを犯しました。しかしだからこそ戦後の覚醒を体験することになったのです。
釈迦や聖徳太子や日蓮や仲小路彰といった歴史的天才たちの本当のメッセージを受け取るには、私たちはどうすればいいのでしょうか。それは、彼らの苦悩や誤りをしっかり見つめることから始まるのかもしれません。
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