『かぐや姫』 田中喜次監督作品(昭和10年)
円谷英二撮影の幻の作品、今日85年ぶりに上映される「かぐや姫」。残念ながらチケットが取れず今回は観ることが叶いませんでした。
田中喜次は教育映画や初期のアニメ映画で活躍した人。この映画はイギリスの日本協会からの委託で製作されたとのことです。
円谷や田中の作品という意味でも興味深いのですが、私としては宮城道雄の音楽に興味がありますね。クレジットでは「Music Composed by…」となっているので、作曲が宮城道雄ということですね。
オーケストレーションは誰でしょうか。時代的には下総皖一かなあ。宮城は昭和10年当時、東京音楽学校の講師。下総は助教授でした。
今日はたまたま上野の東博で要人にお会いする用事があり、藝大に通う娘のところに来ているのですが、旧奏楽堂や谷中霊園の宮城道雄のお墓などを巡るにつけ、その当時の日本音楽界、特に作曲界の活気を感じることができました。
この映画での宮城の音楽からも分かるとおり、西洋音楽を巧みに取り入れつつ、日本の音楽を充実させていく姿勢は、まさに聖徳太子の「和」の精神そのものですね。
実際、開国し和魂洋才を目指し、国際化した当時の日本人にとって、聖徳太子というのはまさに心の支えでありました。明治天皇を聖徳太子になぞらえることもありましたし。
今日もその要人の方や東博の研究員の方とも話ましたけれど、戦後の聖徳太子軽視の傾向はついに極まって、聖徳太子不在論、さらには教科書からその名を消すという動きまで出ていることは憂慮すべきことです。
そんなこと言ったら、西方の厩戸皇子たるキリストも否定しなければなりませんよね。まったくぅ。
…と、話がそれてしまいましたが、それこそほとんど無視され否定されている戦前の文化の正しい評価、復興というのもそろそろ始めねばなりませんね。この「かぐや姫」も早く観てみたい。
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