『私は貝になりたい』 フランキー堺主演作品(1958年 TBSドラマ)
映画版、リメイク版は全て観ていましたが、このオリジナル・ドラマ版は実は初めて全部観ました。
うん、やっぱりこのオリジナル版が一番いい。胸に迫りすぎて…辛い。
特にここのところ東京裁判に関する極秘史料を読む機会を得て、戦後日本のために命を失った方々の思いを知ることが多くありますので。
このドラマの主人公豊松のような死刑判決を受けた名もない戦犯の数は、約千名に及びます。
実際、この豊松のように、上官の命令に従い、いや従いきれず米兵を負傷させただけで死刑になった人たちがたくさんいるのです。
それほど、戦後の軍事裁判はひどい内容のものでした。
そのあたりも、連合国に忖度せず、しっかり検証していかなくてはならない時代になったと思います。
それにしても、このドラマ、すごいですね。後半は生放送ですよ!ビデオ編集ができない時代でしたから、ある意味映画より厳しい、舞台のような一回性の世界です。
カメラワーク、証明、音声、音楽…いろいろ考えると、こちらも緊張します。
脚本も素晴らしい。橋本忍さん、言うまでもなく「七人の侍」の本を書いた方です。
個人的には佐分利信さんの淡々とした緊張感がたまりません。
翌年、同じくフランキー堺を主役として映画が製作されましたが、やはり「生」の緊張感にはかないませんね。
そんな「生放送」が、こうしてビデオとして残っているというのもまた、なんとも運命的な感じがします。
ぜひ皆さんにも観ていただきたい、日本のドラマ史の中でも傑出した名作です。
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