『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』 原恵一監督作品
先日の「オトナ帝国」に続き、戦国大合戦。
言うまでもなく、これもまた同シリーズの名作。
ストーリーもギャグも秀逸ですよね。
そして、なんと言っても戦国時代の「戦」の作法がうまく表現されていますね。
案外、大河ドラマなどでいい加減に現代的な感覚の戦争風に描かれることの多い「戦」。もちろん、このアニメでも時代考証的にはツッコミどころもありますけれど、しかし、その雰囲気、作法はよく再現されていると思います。
そうした「作法」的な物語性という「モノ」の処理は、まじめなオトナにはなかなか難しいものです。
つまり、常識や学問や世間という「コト」世界にとらわれると、実に息苦しくなるということです。
ですから、ああいう、ある種プロレス的に発展した日本独自の「戦」の世界観は、こういう子どもオトナ的なアニメ世界にマッチしているのです。
まあ、それが「オトナ帝国」のテーマにもつながってくるわけですね。「モノガタリ」によって、その本質を伝えることが必要となると。
子どもとオトナが交錯する夏休みの映画館という場で、そうした物語によるカタルシスを、両者が語り継ぐ。そういう作品が毎年継続的に生産されているのは、ある種「祭」であり、そこに私は日本の連綿不断の文化というモノを感じずにはいられません。
ところで、この作品の最後、又兵衛が撃たれて亡くなり、タイム・パラドックスが解消されますが、そこには、まさに「未来に原因があって今現象が起きる」という、私の因果論に通ずるところがありまして、なんとなく納得いたしました。
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