『4/524 日航123便御巣鷹山墜落事故写真集』 小平尚典
今年もこの日が来ました。36年ですか、あの日から。
私とこの日の因縁については、11年前に詳しく書きました。
年月は経っても、あの日の記憶は全く色褪せません。
あの瞬間と、その後の流れ星舞う暗闇の中で、ギリギリの命の戦いのあったことを思うと、私の記憶は、記憶とはまた違う想像の映像とオーバーラップするのでした。
想像の映像は不思議とモノクロです。それは私の想像力の限界なのか、いや「夢」が多くそうであるように、記憶以外の映像は元来明暗だけで構成されているのか。
この小平さんによる写真集もモノクロです。当然カラーフィルムもあったわけですが、やはり報道写真であり、また暗い現場での撮影が想定されたわけですから、感度の高いモノクロフィルムが選ばれて当然です。
思えば、私もその夜、流星を撮影するため、カメラに小平さんと同じくトライXを装填していたのでした。あの日のネガフィルムはどこにいったのでしょう。
さあ、もうこのモノクロ写真集については、見ていただくしかない。ありがたいことに、今ならKindle Unlimitedで無料にて見ることができます。
小平さんが死よりも生を記録したかった、表現したかったことがよくわかります。それが意図的なものなのか、本能的なものなのかはわかりませんが。
また、巻末の小平さんの文章が、そのモノクロームの世界に淡い色を添えてくれます。なるほど、想像の中のカラーは、人の心によって加えられるのですね。
この季節になると、私たちは多くのモノクロ映像を目にすることになります。戦争の記録です。
アメリカ軍が撮影したカラーの映像より、日本軍のモノクロの映像の方がリアルであるのは、やはり私たちの記憶と想像のあり方に関係がありそうです。
近年のデジタル化によって、ほとんど全ての写真はカラーで撮影されるようになりました。カラーのモノクロ化と、本来のモノクロ写真とは、全く違うような気がします。
Amazon 4/524 日航123便御巣鷹山墜落事故写真集
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