高山良策 『ガッツ星人の造形』
高山良策ネタが続きます。
私も西桂町に5年以上住んでいましたが、地元の人も高山良策のこと知らないんですよね。案外。
西桂は本当に小さな町ですが、少なくとも歴史的な天才4人を生んでいます(スポーツ選手除く)。
これってワタクシ的にはけっこうすごいことなんですが、やはり地元の皆さんはあまり意識してきません。町としてもあまりアピールしていませんね。
さて、高山良策ですが、シュルレアリスムの影響を受けつつ、戦中は国策映画のミニチュアを作ったりしておりました。その反動からか、戦後、山下菊二らとともに共産党員として左翼活動にいそしみます。山梨県出身ですから、もしかするとあの「曙事件」にも山村工作隊として関与していたかもしれませんね。
その後共産党からは離れますが、反戦・平和運動は続けていたようで、ウルトラシリーズや大魔神の造形にも、そうした思想が反映していると考えられます。あの時代ですから、多くの表現者たちがそうした思いを込めて作品を作っていたことでしょう。そろそろそういう視点からの研究もなされていいかと思います。
さて、そんな高山良策の優れた造形の中でも代表作の一つとして語られるのが、このガッツ星人ではないでしょうか。
彼が実際にどういう作業でその歴史的な「敵」を作り上げたのか。それが分かる貴重な映像があります。
これはもう完全に芸術の領域ですよね。本当にすごいと思います。限られた時間と予算と人員の中で、毎週のように「芸術作品」を生み出し続けた高山良策。本当に尊敬すべき天才ですよ。私だったら、高山良策美術館を作りますね、町に。
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