『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』 原恵一監督作品
昨日からの続きでこれ。
記憶と想像、懐かしさと期待、カラーとモノクロ…。
日本のアニメってほんとすごいですね。私が言うまでもありませんが、夏休みに公開されてきたTVアニメの映画版のクオリティの高さ、芸術性の高さ、スケールの大きさは異常です(笑)。
たしかに、夏休み、子どもが一人で映画館に行くことは困難ですから、オトナも一緒に鑑賞することになるわけで、その両者を満足させる作品を作ろうとすると、とんでもないアウフヘーベンをしなければならず、結果としてとんでもない名作が生まれてしまうと。
その最たるものが、このクレしん映画史上最高傑作の一つとされる「オトナ帝国の逆襲」ですよね。
公開が2001年。まさに20世紀から21世紀に変わる時。そして、昭和が懐かしくなってきた頃合い。
私より少し高い年齢層のオトナが、自分の子どもを連れて映画館に行ったのでしょうね。万博は1970年ですから、私は6歳でして、実際行っていませんし、それほど強烈な記憶としては残っていません。
それでも、ディテールの隅々まで、たしかに「懐かしい」。そして、その「懐かしい」の功罪がこの映画のテーマとなっています。子どもたちには理解できない、親たちのオトナの世界。
「懐かしい」って、すなわち、私の時間観からすると、時間の川の下流を眺めている状況なわけですよ。子どもは常に上流を見ている。つまり、「懐かしい」というのは、「上流を見ていた頃」という下流を思い出し、その頃に戻りたいと思うことですよね。そして、それがこの映画のテーマだと思います。
というわけで、とんでもない名作なわけですが、もう解説はこの人におまかせしましょう。とてもとてもかないませんから(笑)。
| 固定リンク
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 最低漫画をめぐる田中圭一と岡田斗司夫の最高漫才(2025.03.17)
- 盾持人物埴輪&はにぽん(本庄市)(2025.02.20)
- 超一流はみんないい人(2024.06.04)
- 麻布十番での邂逅(2024.06.02)
- COTEN RADIOショート やなせたかし編(2024.04.15)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 『新幹線大爆破』 樋口真嗣 監督作品(2025.04.23)
- 『アルプススタンドのはしの方』 城定秀夫 監督作品(2025.04.01)
- 『映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件』伊藤彰彦 (講談社α文庫)(2025.03.26)
- 『北陸代理戦争』 深作欣二監督作品(2025.03.25)
「音楽」カテゴリの記事
- 『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)(2025.04.29)
- 「超々広角」星空観賞用双眼鏡 Super WideBino36(笠井トレーディング)(2025.04.27)
- 格安Bluetoothイヤホン(2025.04.26)
- キース・ジャレット『パリ・コンサート』(2025.04.09)
- 輪廻=ロンド(2025.04.08)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 家康公遺言(岡崎城)(2025.04.18)
- 小林一三『清く、正しく、美しく』(風々齋文庫)(2025.04.11)
- 新幹線発祥の地「鴨宮」(2025.04.05)
- 鯖江の眼鏡(2025.03.27)
- 『映画の奈落 完結編 北陸代理戦争事件』伊藤彰彦 (講談社α文庫)(2025.03.26)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 能『杜若』(2025.05.01)
- 『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)(2025.04.29)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 国語便覧(第一学習社)(2025.04.25)
- 食と五感(2025.04.16)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 能『杜若』(2025.05.01)
- 国語便覧(第一学習社)(2025.04.25)
- 近鉄特急(2025.04.20)
- 伊勢の外宮に思う(2025.04.19)
- 家康公遺言(岡崎城)(2025.04.18)
コメント