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2021.08.31

ワクチン接種(2回目)

20210901-101724 、9月1日の朝です。8月10日の「ワクチン接種(1回目)」から3週間経ちましたので、昨日2回目を接種してきました(ファイザーです)。

 私の場合は1回目より副反応は少なく…というかほとんどなく、多少左の肩が痛い程度で1回目のように手が上がらなくなったり、微熱が出たりしていません。

 今日一日様子を見ないと分かりませんが、体感としてはこのまま何事もなく終わりそうです。

 いかにも私らしく面白いのは(笑)、昨日夕方2回目を接種したのち寝るまでの間に、自らの体の中に抗体がどんどんできている感覚があったのです。

 まったくおめでたい思い込みのようですが、しかたありません、自分はそういうのが分かってしまうタイプなので。まあ、笑い話として読んでください。

 まあ、そうしてワクチンを好意的に受け入れ、良き未来をイメージすることによって、実際に抗体が増える可能性はあり、いや、それはないとしても、少なくとも免疫力は高まるのは間違いないでしょう。

 逆の言い方をすれば、怖れや疑いや怒りの意識や陰性感情が免疫力を下げるのです。

 そのあたりのメカニズムは科学的には解明されていませんが、しかし結果としてそのような傾向があることは確かです。

 1回目の記事で書きましたが、もともと私たちの遺伝子は外来ウイルス由来です。これは冗談ではなく、彗星や隕石が宇宙から運んできたウイルスによって、私たちは進化してきたのです。

 細菌がそうであるように、ウイルスにも善玉と悪玉があります。そして、短期的な影響だけではそのどちらかはかり得ない。新型コロナウイルスに関しては、もちろん発生の時点では人為的な操作があった可能性もありますが、変異株についてはウイルスの本来持っている「進化」のプロセス、すなわち宇宙の道理に従っているものです。

 ウイルスの基本的な性質は、生命との共存です。つまり宿主を全滅させてしまうことはないのです。

 今こそ、聖徳太子の「和」の精神、つまり「無忤(受け入れないことがない)」の精神が必要なのではないでしょうか。

 というような話を、先日「合宿」で皆さまに申し上げました。

参考 「以和為貴」と「無忤為宗」

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2021.08.30

マッカーサーを迎える厚木飛行場(記録映像)

 和20年の今日、進駐軍のダグラス・マッカーサーが厚木基地に降り立ちました。あの有名な、サングラスをしパイプをくわえてバターン号のタラップを降りるシーンは、日本人なら誰しも一度は見たことがあるでしょう。

 その前後の貴重な映像がこちら。

 

 

 先日、終戦を認めなかった厚木航空隊事件について少し書きました。詔勅が出ても収まらず、仲小路彰の「我等斯ク信ズ(勝テリ)」が出ても収まらず、結局22日に高松宮が直接出向いて説得にあたり(高松宮は富岡定俊少将を通じて昭和天皇と仲小路彰の意を伝えられていました)、ようやく収まったこの事件。

 28日にはマッカーサーがその飛行場に降り立つことが決まっていましたから、それはもう大変なドタバタだったようです。

 結局、暴動で荒れ果てた飛行場の整備などに時間がかかったようで、マッカーサーの到着は30日となりました。

 そこからいわゆる「戦後」が始まった、そして今もそれが続いていると言っていいでしょう。そういう意味で、この日は今の日本にとってまさに記念すべき日であると感じます。

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2021.08.29

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 ケニー・オルテガ監督作品

Th_81tyxvhe9cl_ac_ul320_ 日はMJの誕生日。生きていれば63歳ですか。

 私は完全にリアルタイム世代です。「オフ・ザ・ウォール」はレコードが削れるほど聴き込みましたが、その後は私の音楽的嗜好の変化もあって、それなりに距離を置いて彼を見ていました。

 ところが、一世代若いウチのカミさんが異常なほどのマイケルファンで、その影響で娘たちも私よりもずっと詳しくなってしまった。

 今度はその影響で、私も遅ればせながらマイケルを再評価するという、実に不思議な現象が起きています。

 そして、今日この映画を観て、それこそ遅ればせながら泣いてしまった(家族で)。

 私、彼が亡くなった時も、こんなふうに冷めていたんですね。

 追悼? マイケル・ジャクソン

 そして期せずして、彼は私の中で「復活」してしまったのです。

 なんということでしょう。

 この映像の中のマイケルは50歳。私はとうにその年齢を超えてしまいましたが、はたして私が50歳の時に、これほどまでのパフォーマンスとパーソナリティーを発揮しえたか…なんて、神に対して実に不遜なる文章を書いてしまいましたが、本当にふとそんなことを思ってしまったのです。

 なにより、愛にあふれているではないですか、彼は。歌にダンスに言葉に。

 基本はダンスですね。そこに歌が言葉が乗っている。そうか、ダンスは愛か。

 どうりで私はダンスが苦手なはずだ(苦笑)。

 完璧主義の天才にありがちな、独りよがりな感じは微塵もない。いや、いろいろあってそういう境地に至ったのも事実でしょう。しかし、そんなプロセスさえもその彼のポテンシャルを発揮させる法難だったのかもしれない…そう信じずにはいられないのです。

 愛が深すぎると早死しますね、ぜったい。

 共演者たちを鼓舞し、刺激し、そして成長させてしまうという意味では、美空ひばりと似たところがありますね。それもまた愛の賜物でしょう。

 ますます自分の小ささ、特に教育者としての不甲斐なさ、つまり愛の不足に落ち込んでしまいます。

 おそらく彼は自らの死を予感していたのでしょう。つまり、愛とは命そのものなのです。

 マイケルはこうして復活し、生き続け、愛をふるまい続けるのでした。

 

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2021.08.28

【討論】教育に日本の希望を!

 

 変忙しい中ではありますが、この討論を倍速で聴きました。非常に勉強になりました。

 ここ数年「(旧来の)学校をぶっ壊す!」と言いつつ、なかなか堅固な内なる防壁に妨げられて、やや戦意を喪失している私(苦笑)。

 一方で、この保守派の討論を聴くと、ぶっ壊すべき学校はどこにあるのか、もっと言えばどっちなのか、正直よく分らなくなってくる私もいます。

 また、国語の教員であり、日本語・日本文化研究家などと自称しながら、案外古典的な世界を簡単に捨てている私もいて、それもまた迷いの原因の一端になっています。

20210828-75334  特に竹本三保さんの、自衛隊と学校との比較からの考察は面白かった。私が排除しようとしていた学校の軍隊文化はとっくに駆逐されつつある…いや、もともとなっちゃって軍隊文化だったということでしょうか。

 また、孤立無援となっているかのような森口朗さんの言説にも、私は大いに共感します。やはり一番現場をよく知っていらっしゃるなと。

 私も、もう一度ふんどし締め直して戦ってみましょうかね。今、ちょっと現場から逃げているので。

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2021.08.27

Wansview ネットワークカメラ

Th_61ynxo99r3l_ac_sy355_ 日も中国製の優れもの。

 猫の千代子が脱走して帰ってきません。いや、毎日庭には帰ってくるのですがつかまりません。

 もともと外猫だったこともあり、家の中で生活するよりずっと楽しいのでしょう。狩も得意ですし。

 そんな千代子の様子を確認するために購入したのがこの監視カメラ。

 Wi-FiでつないでiPhoneから画像を確認したり、カメラを動かしたりできます。

 画質もよく、動体検知や音声通話の機能も充実しています。

 これなら防犯やお出かけ時の家猫の様子確認、そしてちょっとしたテレビ電話としても活躍しそうです。

 防水ではないので、外には設置できませんが、家の中から窓越しに外に向けて設置しました。

 さっそく利用しています。夜やってくる千代子の姿もしっかり映っていました。元気そう。

 ほかのノラ猫も登場したり、夜中にミーちゃんを散歩させるカミさんの姿が記録されていたり、けっこう家族の話題(笑い)づくりにも貢献しております(笑)。

Amazon Wansview ネットワークカメラ

 

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2021.08.26

Edifier『Bluetooth アクティブ ブックシェルフスピーカー R1280DB』

Th_812op4b9fl_ac_sy450_ 想をはるかに上回る高音質。

 う〜ん、おそるべし中国製。1万円ちょっとでこの音と質感はなあ…昔の日本のようです。

 娘たちがいつもイヤホンや小さなモバイルスピーカーで音楽を聴いているのを見て、本当の音(音場)はそんなんじゃないのにな…と思い、セパレートのエンクロージャーを持った「昔のスピーカー」の世界を感じてもらいたく購入しました。

 とはいえ、「昔のスピーカー」のような大型のエンクロージャーと大口径ユニットを持つものは、今やマニア向けの超高級品しかないような状況。

 そのかわり、アンプ内蔵の小型のブックシェルフ型スピーカーの性能は驚異的に向上していました。

 この「エディファイア」という中国の会社、実はもう25年の歴史を持っています。それこそ日本のオーディオの技術、志、執念のようなものを受け継いだメーカーとも言えます。

 開発力も非常に高いし、デザインセンスや細部の質感の高さも、かつての日本のメーカーのそれを彷彿とさせますね。

 日本人としてはなんとなく淋しい気もしますが、まあ、日本もそうやって欧米の技術や理念を受け継ぎ、またある意味奪い取った時期も長かったわけで、因果応報というか、地球的観点からすれば正しい文化継承の形とも言えます。だから、喜ぶべきことなのかもしれません。

 というわけで、娘たちの驚きもまた予想以上でして、今まで聴いてきた様々なジャンルの好きな音楽たちが、全く違って聴こえることに大興奮で、何時間も涙を流し続けておりました。

 音場とか定位とかいう世界を初めて経験したのでしょう。女子ですから、まあ「沼」にははまらないでしょうが(笑)。

 デジタル・ネイティブの若者たちは、みんなこんな感じなのでしょうね。私たち世代の音楽体験とは明らかに違う世界に生きています。

 と言いつつ、実は私も最近は小型のスピーカーやカーオーディオで音楽を聴いてばかりだったので、なんか久しぶりに懐かしい感動を味わっていたのでした。

 いろいろな世代に、このスピーカーはおススメです。

Amazon Edifier R1280DB

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2021.08.25

中村元 『仏教の本質』

 

 日は、三田さんとの対話や聖徳太子ゆかりの品々から、本当に大切なことを気づかされました。

 特に、偶然隣の本館で開催されている「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」との関係は実に興味深い。

 仲小路彰の聖徳太子論によれば、十七条憲法の第一条の「和」は、大国主命の「和魂(にぎみたま)」の意味も含んでいる。すなわち、自らが蘇我氏とともに倒してしまった物部氏が信奉した、三輪山の大物主命そのものです。

 物部氏は政争に負けた形になりましたが、その魂を聖徳太子に託し、結果として現在に至るまでその精神は受け継がれているということです。

 それが上野の地で並び立つというのは、霊的に申せば実に意義深いこととなりましょう。

 当時の大和の国に、大陸・半島から仏教がスムーズに受け入れられ、古い信仰とも融合し、結果として仏陀の説いた本来の仏教の神髄が、たとえば現代において憲法の九条に体現されていたりするのは、もしかすると物部氏がすでに原始仏教的な思想や習慣、作法を持っていたからかもしれません。

 つまり、公伝の仏教伝来の前に、南伝仏教が日本に入ってきていた可能性があると。そうすると、三輪山の信仰は古代インドの共和制に基づくものだったりして…と、妄想が暴走するのでした(笑)。

 この動画で、中村先生が語ってくれている「仏教の本質」は、たしかに出雲の和魂とそっくりかもしれません。

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2021.08.24

「教えて!三田さん」〜聖徳太子と法隆寺展

 日は不思議なご縁によって導かれ、「聖徳太子と法隆寺展」を企画された三田覚之さんに、3時間にわたり直接いろいろなことを教えていただきました。

 細かいことは今は書けませんが…とにかく運命的な出会いであり、神仏に感謝申し上げるしかないような驚きの一日でした。

 教えていただいて解った、この歴史的な展覧会の未来的な意味。祈りの世界。歴史の秘密。そして三田さんの思い、天命。

 動画で三田さんがその一部を語ってくれています。どうぞご覧ください。

 9月5日までです!まだの方はぜひ!

 

 

 

 

 

 

 

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2021.08.23

『八月十五日の動乱』 小林恒夫監督・鶴田浩二主演作品

Th_-20210825-83551 葉真一さんがお亡くなりになりました。ワクチン接種をしなかったようですね。

 このような形で、あの強健な千葉さんが亡くなったことは、なんとも言えなく残念な気がします。

 その千葉真一さんが、医師役としてさりげなく出演しているこの映画、宮城事件を描いた作品としては新旧の「日本のいちばん長い日」の陰に隠れて、あまり評価されませんが、実はなかなかの名作です。

 フィクションの部分も含め、人間ドラマとして良いバランスだと思いますし、主役の鶴田浩二が目立たないのが良い。

 目立たないということで言えば、千葉真一もそう。一瞬しか登場しません。この時33歳ですね。前年にアクションスターとして深作欣二作品などに出演して人気を得ました。翌62年は、この映画も含めて幅広い作品10作以上に出演しています。

 さらに言えば、昭和天皇の姿も声も隠されているのも良い。時代的なことからの配慮だとは思いますが、「日本のいちばん長い日」の旧新の天皇表現の変化と結びつけると、時代とともに戦争と天皇の関係が徐々に変化したことが分かります。

 公開は1962年。東京オリンピックの2年前。やはり、五輪をはさんで日本の戦後は大きく変わったということですね。

 私は五輪の年に生まれましたから、その戦後前期の空気を吸っておりません。よって、こうしていろいろな資料から学ぶしかないのです。

 この映画において、玉音盤奪取に失敗した陸軍兵士たちは、ある意味現場にいたからこそ、陛下の御心に打たれて「情」によって終戦を受け入れることになりましたが、現場から離れた多くの人々は、玉音放送を聞いても終戦(敗戦)を受け入れられませんでした。

 それを「情」ではなく、「理」によって説得したのが、何度か書いてきた仲小路彰の「我等斯ク信ズ(我等斯ク勝テリ) 」だったのです。

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2021.08.22

「諏訪〜なぜ人々は諏訪を目指すのか?〜」 (NHK ブラタモリ)

Th_-20210823-62242 日録画した番組を観ました。ブラタモリ諏訪。面白かった!

 私のルーツにもつながる諏訪。昨日も偶然、諏訪について語り、富士山麓の「諏訪」をフィールドワークしたところでした。

 タモリさんの趣味からして、地質の話に終始していましたが、それはそれで興味深い内容でした。

 そう、「文化=culture」は、まさに「cultivate」。土地、大地の特徴が、我々人間の生活を通して発現したものです。

 ですから、諏訪独特の文化あるいは縄文文化というものは、諏訪の自然環境、日本の自然環境が、そこに住む人というメディアを通して表現した「芸術」なのでした。

 番組でも最後に富士山が登場しましたね。本当に諏訪から富士山が見えるというのは奇跡的なことです。

 人々は諏訪を目指し、そして次はそこから富士山を目指す人々が現れました。私もそうかもしれません。

 その道はシルクロードでもあります。

 もうすぐ吉田の火祭り。公式のポスターにも「北口本宮冨士浅間神社」と書いてありますが、それは間違いです。火祭りは諏訪神社の例大祭すすき祭りの前夜祭です。

 もっと言えば、御射山(みさやま)祭の富士山版です。火祭りとすすき祭りは御射山祭と全く同じ日に行われます。また、ススキが主役になるのも共通。そして、それぞれの裏には国常立尊が存在しています。

 今年の火祭りは規模縮小ながら行われます。これを機に基本に立ち返って、諏訪湖(と八ヶ岳)と富士山を結びつつ、火祭りとすすき祭りを楽しみたいですね。

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2021.08.21

追悼 野村四郎師

 しい知らせに、家族で号泣。

 観世流シテ方能楽師、人間国宝、日本能楽会会長であり、また私の次女の師匠でもある野村幻雪(四郎)先生がお亡くなりになりました。

 最後に舞台を拝見したのは、今年5月29日。まさに究極の芸「鷺」を舞ってくださりました。

 その感動については、こちらに書かせていただきました。

 あの鬼気迫る命がけの「鷺」からいただいたモノはしっかり今の私の中に生き続けています。

 こんな言い方は不遜ですが、あらためて御礼の気持ちをこめて申しますと、正直、あの「鷺」で、私は自分の存在理由というか、自分の存在の基礎が何であるかということが解ってしまったのでした。

 本当にありがとうございました。

 最後にお会いしてお話させていただいたのは、昨年の晩秋。その時のお話も、文化、芸術、そして人生の本質に迫るものでした。実に有り難い得難いお言葉でした。

 その後、不束者の次女の藝大入学を後押ししてくださりました。今、次女は泣きはらしておりますが、しかし、能こそ死者との交流のテクノロジーです。現世で充分悲しんだのちには、ぜひ野村先生に立たせていただいた芸の神髄の入り口から、その深奥へ進み、野村先生のお姿が見えるところまで精進をしてもらいたいと思います。

 私個人といたしましても、本当に四郎先生には格別に良くしていただきました。私からの不躾なお誘いに応じてくださり、二度も富士山麓で舞ってくださりました。

 また、酒席をともにさせていただいた折には、私の拙い質問にも真摯に答えてくださりました。もっともっといろいろお話したかった…。コロナ禍になってからは、なかなかご挨拶にも伺えなかったのですが、いつも娘に「お父さんはお元気?」と聞いてくださり、ただそれだけでも嬉しく感じ入っていた次第です。

 芸に対する厳しさ、すなわちご自身に対する厳しさを持ちつつ、私のような人間にもこうして気を遣ってくださる優しさ、またジャンルを超えた人々との交流や共演など、人間的な大きさ広さを持った先生でした。

Th_-20210822-183335 この写真は、直会の歓談のあと、突然四郎先生に腕を組まれて、驚きと嬉しさのあまり相好を崩す私です。この写真が、四郎先生のお人柄をよく表していると思います。まさに私にとっては宝物の写真です。

 体調が優れないということもうかがっておりましたので、内心心配しておりましたが、こんなに早く帰幽遷化されてしまうとは…本当に残念です。

 本当に長い間お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。娘はもとより、私も何らかの形で能楽界に寄与し恩返しできますよう精進いたします。

 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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2021.08.20

特別展 『聖徳太子と法隆寺』

Th_title 日の記事を書いて思い出しました。この展覧会をおススメしていなかった!

 先日、行ってまいりました。

 結論から言います。中二病でごめんなさい。

 コロナのために予約制となっておりましたが、それなりに混み合っており、多くの展示物を人の肩口から覗く感じで観る感じでした。

 また、あまりに崇高な仏様がたくさん並んでおりますので、どうしても美術品や文化財として観るというよりは、やはり「ほとけさま」と対面させていただくという感じに打たれてしまいまして、ついつい手を合わせてしまうのでした(今回は珍しくそういう人に一人出会いました)。

 そしてそして、このパンフレットの顔となっている、メイン展示「国宝 聖徳太子 坐像」の前に立とうとした瞬間、信じられないことなのですが、すっかりお人払いされてしまい、なんと私以外誰もいなくなってしまったのです。

 そして、そこからおそらく2分間くらいは、私と聖徳太子二人だけで対面し、ずっと対話させていただくという有難き(まさにめったにない)時間を過ごさせていただきました。

 特にその頃ちょうど「法華経」を読んでいたためでしょうか、この坐像の中に奉納されている三経のうちの法華経巻から、なんとも不思議なメッセージを受け取ることができました。

 まったくなんということでしょう。ちょうど私は、仲小路彰の聖徳太子伝「夢殿の幻」全三巻の活字化を終えたところでした。ホント中二病で申し訳ないし、ちょっと気恥ずかしいのですが、聖徳太子さまご本人から感謝のお言葉をいただいたような気がしたのでした。

 聖徳太子が未来へ投げたボールが、今、こうして私のところに流れてきた…。中二病もこじらせて重篤化すると、こんな素晴らしいことがあるのですね(笑)。

 こちらこそ、感謝の気持ちいっぱいで、深く深く合掌礼拝するのでした。

 こんな世の中だからこそ、日本の精神文化の基礎を築いた聖徳太子に、皆さんも会いに行ってみてはいかがでしょうか。9月5日までです。

「聖徳太子と法隆寺」展 公式

 

 

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2021.08.19

出口王仁三郎 生誕150年

Th_220pxonisaburo_deguchi_2 日ある所で、二日遅れで誕生日を祝ってもらいました。

 家族以外にハッピーバースデーを歌ってもらったのはウン十年ぶりです(夏休み中ということもありまして)。

 今日集まってくれた仲間は、出口王仁三郎のファンたちです。

 実はあとで分かったことなのですが、今日はなんと王仁三郎の誕生日だったのですね!

 8月27日だと思っていましたが、旧暦では7月12日。今年の旧暦の7月12日は今日だったのです。

 それも生誕150年。

 そうかあ、今年は聖徳太子1400年遠忌、出口王仁三郎生誕150年、そして仲小路彰生誕120年というスペシャル・イヤーだったのですね。

 なにか因縁めいたモノを感じます。

Th_img_6125 目先の世界ではコロナ禍が継続していますが、宇宙的な視点、歴史観からしますと、今年は非常に重要な年であり、今のこの瞬間なのです。

 期せずして、運命的に今年の私は、聖徳太子、出口王仁三郎、仲小路彰に関する秘されてきたモノを開封する仕事をしています。

 ありがたいことに三者に一本釣りしていただいている気がします。

 地球平和への志、利他の心を忘れず精進してまいります。

 

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2021.08.18

『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』 原恵一監督作品

Th_51tcmivael_ac_ul320_ 日の「オトナ帝国」に続き、戦国大合戦。

 言うまでもなく、これもまた同シリーズの名作。

 ストーリーもギャグも秀逸ですよね。

 そして、なんと言っても戦国時代の「戦」の作法がうまく表現されていますね。

 案外、大河ドラマなどでいい加減に現代的な感覚の戦争風に描かれることの多い「戦」。もちろん、このアニメでも時代考証的にはツッコミどころもありますけれど、しかし、その雰囲気、作法はよく再現されていると思います。

 そうした「作法」的な物語性という「モノ」の処理は、まじめなオトナにはなかなか難しいものです。

 つまり、常識や学問や世間という「コト」世界にとらわれると、実に息苦しくなるということです。

 ですから、ああいう、ある種プロレス的に発展した日本独自の「戦」の世界観は、こういう子どもオトナ的なアニメ世界にマッチしているのです。

 まあ、それが「オトナ帝国」のテーマにもつながってくるわけですね。「モノガタリ」によって、その本質を伝えることが必要となると。

 子どもとオトナが交錯する夏休みの映画館という場で、そうした物語によるカタルシスを、両者が語り継ぐ。そういう作品が毎年継続的に生産されているのは、ある種「祭」であり、そこに私は日本の連綿不断の文化というモノを感じずにはいられません。

 ところで、この作品の最後、又兵衛が撃たれて亡くなり、タイム・パラドックスが解消されますが、そこには、まさに「未来に原因があって今現象が起きる」という、私の因果論に通ずるところがありまして、なんとなく納得いたしました。

Amazon 映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

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2021.08.17

陸海軍人に対する勅語 (昭和20年8月17日)

Th_-20210818-84248 日はワタクシの誕生日。期せずしてテレビの全国放送にてお誕生日を祝ってもらうことになりました(笑)。

 私が生まれたのは昭和39年。東京オリンピックの年です。

 その時からたった19年前、東京は焼け野原でした。終戦から2日。

 玉音放送を敵の陰謀であるとして受け入れず、多くの軍隊、兵隊が戦争を継続していました。

 特に厚木海軍三〇二航空隊の「叛乱」は有名です。それを受けて発せられた勅語は案外知られていません。

 8月17日に発出。18日に新聞報道されています。

 仲小路彰も、玉音放送を受けて制作・配布した「我等斯ク信ズ」(「我等斯ク勝テリ」という別稿もあり)に、厚木事件後この勅語を追加しています。

 今日はそれを紹介しましょう。テキストとしたのは仲小路彰の「我等斯ク勝テリ」です。

 

  勅 語

朕曩ニ米英ニ戰ヲ宣シテヨリ三年有八月ヲ閲ス此間朕カ親愛ナル陸海軍人ハ瘴癘不毛ノ野ニ或ハ炎熱狂濤ノ海ニ身命ヲ挺シテ勇戰奮闘セリ朕深ク之ヲ嘉ス

今ヤ新ニ蘇国ノ參戰ヲ見ルニ至リ内外諸般ノ狀勢上今後ニ於ケル戰爭ノ繼續ハ徒ニ禍害ヲ累加シ遂ニ帝國存立ノ根基ヲ失フノ虞レナキニシモアラサルヲ察シ帝國陸海軍ノ闘魂尚烈々タルモノアルニ拘ラス光榮アル我國體護持ノ爲朕ハ爰ニ米英蘇並ニ重慶ト和ヲ媾セントス

若シ夫レ鉾鏑ニ斃レ疫癘ニ死シタル幾多忠勇ナル將兵ニ對シテハ衷心ヨリ之ヲ悼ムト共ニ汝等軍人ノ忠誠遺烈ハ萬古國民ノ精髄タルヲ信ス

汝等軍人克ク朕ガ意ヲ體シ鞏固ナル團決ヲ堅持シ出處進止ヲ嚴明ニシ千辛萬苦ニ克チ忍ヒ難キヲ忍ヒテ國家永年ノ礎ヲ遺サムコトヲ期セヨ

 

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2021.08.16

静岡地下街ガス爆発(昭和55年)

 

 日も夏の惨事の記憶についての記事です。

 今から42年前の今日、静岡駅前の地下街で信じられないようなガス爆発がありました。

 史上最悪のガス爆発事故。15人の方が亡くなりました。

 当時、静岡高校の生徒だった私は、クラブ活動(弦楽合奏部)のため登校しておりました。

 調弦やら基礎練習やらが終わった頃でしょうか、座っていた椅子の下から突き上げられるような一瞬の衝撃を感じました。

 地震にしては短いなと思ったのですが、当時は何が起きたか知るすべもなく、そのまま昼まで練習をしたように記憶しています。

 私が感じた振動は2回目の爆発のそれでしょう。現場から約1キロ離れたところでも、あれだけの衝撃があったのですから、現場の惨状は推して知るべしです。

 私も前日の夜に近くに遊びに出かけていました。夏休みということもあり、昼夜問わず人出が多い時期です。亡くなった方には申し訳ありませんが、まだ朝の10時前だったから良かったかもしれません。お祭り気分の夜などにあの爆発があったら…と思うとゾッとします。

 地下街で発生した爆発にもかかわらず、地上での被害が大きかったのは、上の動画が語るとおりの理由です。

 現場になった地下街には、今でもよく行きますが、そのたびにあの衝撃を思い出すのでした。

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2021.08.15

「一億総特攻」の碑

Th_-20210816-80825_20210816083601 戦の日。

 今日は地元の戦争にまつわる話題です。

 終戦直前の7月30日と8月13日に富士吉田に空襲があり、12名の尊い命が奪われました。

 とは言え、仲小路彰らが疎開していたことからもわかるとおり、富士北麓地方は比較的戦禍を逃れた地域でした。

 すなわち軍需工場などがあまりなかったのです。

 しかし、それを逆手に取るような形で、軍は山深い当地に兵器や軍事物資を秘匿することを計画していました。

 その一つが「イ」号演習というものです。富士北麓には立川陸軍航空廠から工場の一部や部品、工員の疎開がありました。

 明見の向原には、兵器や部品の隠匿場所として横穴が多数掘られました。その作業には、派遣された軍人のほか、地元民も参加したようです。

 戦況は悪化の一途を辿っていた頃ですが、この山村はなんとなくのんびりした雰囲気もあったのでしょうか、兵隊さんと地元の人たちはある意味仲良く作業に励み、そんな中から友情(ひょっとしたら恋愛も?)生まれていたようです。

 作業が終わり、兵隊さんたちが東京の方に戻るにあたり、地元民が記念碑を建てようと進言しました。結果として建立されたのが、この「一億総特攻」の石碑です。

 なんとも勇ましい文言ですが、当時の庶民が兵隊さんに感謝の意を表し、またお国のために自らを鼓舞するには、この言葉がベストだったのでしょう。

 今でもこの石碑は静かに富士山を仰いでいます。

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2021.08.14

『私は貝になりたい』 フランキー堺主演作品(1958年 TBSドラマ)

 

 画版、リメイク版は全て観ていましたが、このオリジナル・ドラマ版は実は初めて全部観ました。

 うん、やっぱりこのオリジナル版が一番いい。胸に迫りすぎて…辛い。

 特にここのところ東京裁判に関する極秘史料を読む機会を得て、戦後日本のために命を失った方々の思いを知ることが多くありますので。

 このドラマの主人公豊松のような死刑判決を受けた名もない戦犯の数は、約千名に及びます。

 実際、この豊松のように、上官の命令に従い、いや従いきれず米兵を負傷させただけで死刑になった人たちがたくさんいるのです。

 それほど、戦後の軍事裁判はひどい内容のものでした。

 そのあたりも、連合国に忖度せず、しっかり検証していかなくてはならない時代になったと思います。

 それにしても、このドラマ、すごいですね。後半は生放送ですよ!ビデオ編集ができない時代でしたから、ある意味映画より厳しい、舞台のような一回性の世界です。

 カメラワーク、証明、音声、音楽…いろいろ考えると、こちらも緊張します。

 脚本も素晴らしい。橋本忍さん、言うまでもなく「七人の侍」の本を書いた方です。

 個人的には佐分利信さんの淡々とした緊張感がたまりません。

 翌年、同じくフランキー堺を主役として映画が製作されましたが、やはり「生」の緊張感にはかないませんね。

 そんな「生放送」が、こうしてビデオとして残っているというのもまた、なんとも運命的な感じがします。

 ぜひ皆さんにも観ていただきたい、日本のドラマ史の中でも傑出した名作です。

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2021.08.13

『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』 原恵一監督作品

Th_518bwugeal_ac_ul320_ 日からの続きでこれ。

 記憶と想像、懐かしさと期待、カラーとモノクロ…。

 日本のアニメってほんとすごいですね。私が言うまでもありませんが、夏休みに公開されてきたTVアニメの映画版のクオリティの高さ、芸術性の高さ、スケールの大きさは異常です(笑)。

 たしかに、夏休み、子どもが一人で映画館に行くことは困難ですから、オトナも一緒に鑑賞することになるわけで、その両者を満足させる作品を作ろうとすると、とんでもないアウフヘーベンをしなければならず、結果としてとんでもない名作が生まれてしまうと。

 その最たるものが、このクレしん映画史上最高傑作の一つとされる「オトナ帝国の逆襲」ですよね。

 公開が2001年。まさに20世紀から21世紀に変わる時。そして、昭和が懐かしくなってきた頃合い。

 私より少し高い年齢層のオトナが、自分の子どもを連れて映画館に行ったのでしょうね。万博は1970年ですから、私は6歳でして、実際行っていませんし、それほど強烈な記憶としては残っていません。

 それでも、ディテールの隅々まで、たしかに「懐かしい」。そして、その「懐かしい」の功罪がこの映画のテーマとなっています。子どもたちには理解できない、親たちのオトナの世界。

 「懐かしい」って、すなわち、私の時間観からすると、時間の川の下流を眺めている状況なわけですよ。子どもは常に上流を見ている。つまり、「懐かしい」というのは、「上流を見ていた頃」という下流を思い出し、その頃に戻りたいと思うことですよね。そして、それがこの映画のテーマだと思います。

 というわけで、とんでもない名作なわけですが、もう解説はこの人におまかせしましょう。とてもとてもかないませんから(笑)。

 

 

 

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2021.08.12

『4/524 日航123便御巣鷹山墜落事故写真集』 小平尚典

Th_71j1ttuhnvl_ac_ul320_ 年もこの日が来ました。36年ですか、あの日から。

 私とこの日の因縁については、11年前に詳しく書きました。

 あの日から25年

 年月は経っても、あの日の記憶は全く色褪せません。

 あの瞬間と、その後の流れ星舞う暗闇の中で、ギリギリの命の戦いのあったことを思うと、私の記憶は、記憶とはまた違う想像の映像とオーバーラップするのでした。

 想像の映像は不思議とモノクロです。それは私の想像力の限界なのか、いや「夢」が多くそうであるように、記憶以外の映像は元来明暗だけで構成されているのか。

 この小平さんによる写真集もモノクロです。当然カラーフィルムもあったわけですが、やはり報道写真であり、また暗い現場での撮影が想定されたわけですから、感度の高いモノクロフィルムが選ばれて当然です。

 思えば、私もその夜、流星を撮影するため、カメラに小平さんと同じくトライXを装填していたのでした。あの日のネガフィルムはどこにいったのでしょう。

 さあ、もうこのモノクロ写真集については、見ていただくしかない。ありがたいことに、今ならKindle Unlimitedで無料にて見ることができます。

 小平さんが死よりも生を記録したかった、表現したかったことがよくわかります。それが意図的なものなのか、本能的なものなのかはわかりませんが。

 また、巻末の小平さんの文章が、そのモノクロームの世界に淡い色を添えてくれます。なるほど、想像の中のカラーは、人の心によって加えられるのですね。

 この季節になると、私たちは多くのモノクロ映像を目にすることになります。戦争の記録です。

 アメリカ軍が撮影したカラーの映像より、日本軍のモノクロの映像の方がリアルであるのは、やはり私たちの記憶と想像のあり方に関係がありそうです。

 近年のデジタル化によって、ほとんど全ての写真はカラーで撮影されるようになりました。カラーのモノクロ化と、本来のモノクロ写真とは、全く違うような気がします。

Amazon 4/524 日航123便御巣鷹山墜落事故写真集

 

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2021.08.11

メタル・ヴァージョン BWV 1052

 校時代から40年以上にわたってハマっている、バッハのチェンバロ協奏曲ニ短調。

 当初から、「これはロックだな」と思っていました。

 バロックとしての古楽器演奏においても、そのスピリットはしっかり受け継がれており(?)、2年ほど前に紹介した佐藤俊介さんらの演奏はその最たるものでした(あらためて鑑賞しましたが、やはりすごい!)。

 ロック・アンサンブル!…BWV 1052 R(オランダ・バッハ協会)

 私も実際に演奏するようになってから(ヴィオラ担当がほとんど。ヴィオラパートがまたすごいんですよ!)、ソロパートはエレキギターのために書かれたのではと、真剣に考えたりしました。

 そうしたら、やっぱりいるんですね、エレキで弾いちゃう人。

 

 どうですか、これ。かっこいいですよね!

 やっぱりロック、それもメタルですよね。というか、やっぱりメタルってクラシック的です。オンタイムな速弾き。

 最後奏者が死んでいますが(笑)、それほどロックなんですよ、この曲は。体力と気力勝負。

 そう考えると、佐藤くんはロッカーですね。3楽章全部弾き終えて、まだ余裕ありますから。

 

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2021.08.10

ワクチン接種(1回目)

Th_img_7894 、11日の朝です。昨日大規模接種会場で第1回目の新型コロナウイルスワクチン接種をすませました。ファイザーです。

 針を刺した左の肩は独特の痛さがあり、肩を回すことが困難です。

 体温はいつもより高め。微熱がありますが、体調的には悪くありません。というか、いつもより元気かもしれません(笑)。

 とにかく副反応はあって当たり前です。

 ワクチン接種については、まあいろいろな意見が飛び交っており、私の周辺では特に打たないと宣言している人が多いように感じます。

 私は早く受けたいと思ってますよ、と言うとびっくりされるというか、意外〜とか言われます。なんででしょうね。

 まあ、いつもは世間で言われていることと反対のことを言うことが多いアマノジャクですから、しかたないかもしれません(苦笑)。

 もともとの新型コロナウイルスについては、もしかすると人とは違う意見や情報を持っているかもしれませんね。

 というか、人間のヒトゲノムのほとんどがウイルス由来、つまり私たち人間は人間の皮をかぶったウイルスですから。それに気づいていない地球人が多すぎます。人間の行動はウイルスの行動とそっくりですよね。

 な〜んて話も含めて、ほとんどの人たちには通用しないぶっ飛んだ話なので、このくらいにしておきます。

 というわけで、たとえファイザーやビル・ゲイツが悪巧みをしたとしても(あり得る話です)、宇宙的視点からしますと、大したことではないどころか、それもまたヒトゲノム・ウイルス(!)の仕業であり、人類の運命なのでした。

 もっと宇宙の常識を知りたい方は、私が主催する合宿に参加してください(怪しい宗教ではありませぬぞ)。

 あっ、ちなみに地球レベルではホリエモンの話がまっとうだと思います。

 

 

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2021.08.09

仲小路彰 『原子爆弾に就て』

Th_00535-415 崎原爆忌。今年は仲小路彰の文書を一つ紹介いたします。

 旧漢字は新漢字に改めるなど、読みやすく翻刻しました。書かれたのは終戦後すぐのことだと思われます。

 内容の解釈や感想については、あえて述べませぬ。

 

 

 原子爆弾に就て

 

 人類の世界は世紀の大転換期に突入し有史以来の規模を以てせる世界大戦も未曾有の大惨禍を到る処に遺して遂に原子爆弾の出現使用せらるるに至りてその終結を遂げたり。

 一個の小原子爆弾は二万トンの火薬に等しき破壊力を有し此の新兵器の出現に依り将来の戦争様式は全く一変し、又人類の戦争理念を根底より一新せざるを得ざる時期の近き将来に於て来る事は必然なり。故に之れを如何に使用するかに依りて全人類の運命はあらゆる予想を越えたる重大なる変化を招来すべく、即ち活用、善用、利用、使用、悪用、乱用等之れを用ふるに神の御心に従ってなすか、悪魔の心境を以て行ふかに依って来る可き人類の運命は決定さる。

 人類の世界に始めて之れを製造し、悪魔の心境に依って行使せるものはアメリカにして又世界に於て最初に之れを神の御心に依って活用する範を示し給へるは畏くも、聖上御一人に在します。我等国民よく此の有難き大御心を奉戴し、その聖慮に副ひ奉り、微力を尽す可きは当然の責務なり。現代科学最新最大の問題たる此の原子爆弾最初の実験に幾十万の死傷者を出し、一瞬にして全都市を破滅に帰せしめたる貴重なる広島及長崎の両都市は、之れをなるべく現状のまま保存して、あらゆる角度より、百パーセントに活用し、以て人類を一大反省せしむる最も迫力ある活史料となし、又極めて多角的に有効適切なる方法を以てすれば、今次大戦終結の御詔勅により奉戴せる万世の太平を開き世界平和、人類の福祉をもたらすべき、一大紀念碑的事業の実現化となり一万之れに依って国外より数百億ドルの収入を得る事、又不可能に非ず、今や我国の前途国際収支の関係実に容易ならざる秋、この最大のドル価値有る生きたる世界最新最大の史料を如何に活用するかは我国運の前途を左右する重大事なり。

 先づ第一にあらゆる困難を克服して現状の保存を進言する所以なり。

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2021.08.08

五輪女子バスケの快挙に思う

Th_202108090000160w1300_2 んだかんだ東京五輪は盛り上がりましたね。全体を通じて、いろいろ感じるモノ、考えさせられたコトがありました。

 特に今日の女子バスケットボール決勝は、まるで夢のようなシーンでしたね。

 本当に申し訳なく、反省しきりなのですが、私、バスケットボールだけは世界レベルになれないと思っていました。

 今となっては、非常に差別的で偏見に満ちた狭隘な愚説なのですが、やはり高身長有利なシステム、ルールの上に敵とコートが分かれない接触交錯スポーツであることを考えると、物理的な限界が絶対にあると思い込んでいたのです。

 それをこうしてひっくり返されて、ことバスケに限らず、またスポーツに限らず、勝手な限界を設けてはいけないなとつくづく感じた次第です。

 しかし、一方でそうした常識を覆す快挙の裏には、やはり非常識的な作戦と練習があったのも事実。それは、一つの明るい夢を提示してくれる反面、ずっとバスケ界に跋扈してきた(体を壊すような)過度な練習や根性論の生き残りを助長する可能性もはらんでいます。

 特に、新競技の中に見られた、「楽しむ」という「スポーツ(気晴らし)」の根源に立ち返る光景とは、ある意味対照的だったかなとも思いました。

 とはいえ、やはり「ベースボール」に対する「野球」同様に、西洋由来という根本的ハンディを乗り越えて、日本の「篭球」を生み出し、より高い次元へ昇華するという、日本の「お家芸」には感動いたしました。

 いろいろな意味で、世界中に「東京」らしいメッセージを送ることができた大会だったと思います。選手の皆さん、大会関係者の皆さん、お疲れ様でした。そして、感謝です。

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2021.08.07

『血槍富士』 内田吐夢監督・片岡千恵蔵主演作品

Th_200pxchiyari_fuji_poster 日は内田吐夢の命日。没後51年になります。

 内田吐夢監督と言えば、やはり「飢餓海峡」が抜群に素晴らしいのですが、この「血槍富士」もけっこう好きな作品です。

 この作品は1955年(昭和30年)の公開。戦後10年経っていますが、実はこれが戦後復帰第一作。

 内田吐夢は戦中、満州で映画製作をしていたのですが、終戦後も満州に残り中国の映画界に貢献します。

 あっそうそう、終戦直後、大杉栄らを惨殺した甘粕正彦が満州で青酸カリ自決した現場に居合わせたんですよね。甘粕を慕っていたようですから、大変なショックを受けたに違いありません。

 そして、1953年にようやく引揚げ。周囲の監督仲間も大変喜びました。この復帰第一作で、小津安二郎や溝口健二、伊藤大輔、清水宏が企画協力していることからも、それがよく分かります。

 そうした期待に応えて、この作品は実に中身の濃い佳作になっています。娯楽としての映画の魅力満載。前半のほのぼのした雰囲気、ユーモア。後半の社会の矛盾に対する批判精神、そして殺伐たるリアルな敵討ちシーン。見事なコントラストですね。

 それらが無駄なく、テンポよく展開していく。本当に素晴らしい監督ぶりです。

Th_-20210809-113036 役者陣も素晴らしい。片岡千恵蔵は言うまでもなく、加東大介、島田照夫、月形龍之介、そして子役として出演している千恵蔵の実の息子と娘も名演技。

 小杉太一郎の音楽もいい。最後に「海行かば」が流れるのは、戦中へのノスタルジーなのでしょうか。

 主人のために敵の命を奪う。しかしそこには何かしら虚しさが残る。まさに、近過去の戦争の切なさと同じですね。

 それから、過度に(意図的に)書割風にされた富士山の味わいがまたなんともよろしいのでした。

 Bloody Spear at Mount Fuji

 

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2021.08.06

新垣隆(佐村河内守) 『交響曲 HIROSHIMA』

 

 日は広島原爆忌。

 毎年この日にはいろいろ書いてきましたが、今年はあえてこの曲を紹介いたしましょう。

 先月、佐村河内守のドキュメント「FAKE」について書きました。

 この交響曲こそが、彼の「FAKE」を暴くきっかけとなったわけですが、あの映画のラスト12分の爆笑もまた、この曲からの反動とも言えます。

 つまり、この曲のレベルとあの曲のレベルがあまりに違うということです。

 単純にこの曲はいい曲ですよ。作曲者が誰であれ、またどんな嘘がその裏にあろうとも、音楽自体は純粋に広島の悲劇と再生を表現してくれています。

 ある種のわかりやすさは、新垣さんらしくもあり、難解になりすぎた現代音楽に対するアンチテーゼとなっています。一方で、目新しい作曲技法はなく、私の複数の友人の作曲家たちは、口を揃えて「ある意味古典的な作品で、しっかり勉強した学生ならこのくらいの曲は書ける」と言っていました。

 また、この曲を演奏したことのある友人のチェリストは、「演奏していて気持ちがいい曲」と評していました。音楽にとって、これも実はとても重要なことです。各楽器がそれぞれ聞かせどころを持っていて、そういう意味でオケ全体のやる気が出る曲なのだとか。

 いや、ホントいい曲ですよ。言葉や映像よりもずっと雄弁です。

 それにしても、最後の佐村河内守登場シーンは、なんか感動しちゃいましたよ(笑)。たぶん佐村河内さんも(ちゃんと聞こえているので)、正直感動しちゃったんだと思います。

 もう、いろいろなFAKEも含めて一つの作品として捉えた方がいいのではないでしょうか。宗教を信じるかのように。

 いずれにせよ、この曲を聴きながら犠牲者の皆様の御霊の安からんことを祈ることは間違いではないと思います。

 

 

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2021.08.05

『(CG版)ドグラ・マグラ』 奇志戒聖 監督作品

Th__ 日のNHK「ダークサイド・ミステリー」は「危険な奇書!?“ドグラ・マグラ”と夢野久作の迷宮世界」でした。

 私も大学生の時に「ドグラ・マグラ」にはハマりました。自分でも映画化したいなとか真剣に考えていました。

 その後、すぐに松本俊夫監督によって奇跡の映画化が実現してしまい、これはかなわないなと自分の夢を諦めて以来、すっかり夢Q世界から遠ざかっておりました。

 で、久々に松本版を見ようかと思ったら、ストリーミングにはないことがわかり、代わりにこのフルCG版を見てしまいました。

 これって逆説的になかなかいい作品になってますよ。けっこう厳しく評価されていますが、私はそれなりに楽しめた。

 2010年のCG、それも低予算の中ですので、ほとんどゲームのグラフィックになっていますが、それが逆に現実味を奪っていて妙味になっている。

 もともと原作が虚実皮膜の間を彷徨させるのを目的としているのですから、こうしてあえて中途半端に表現することもいいのではないでしょうか。

 もちろん、それが意図したものではなく、技術的、経済的な制約の中から期せずして生まれたものだとしても。

 ちょうど昨日、高山良策の「造形」の重みを紹介し、一昨日は「CGには重力がない」という話を書きましたね。この作品を見ると、その意味がよく分かるでしょう。

 そう、実は優れた絵画というのも「重力」を描ききっているのです。決して写実的ではない(と言われる)浮世絵も、実は重力に関しては写実的なのです。

 また、日本の名作アニメたちもそうです。製作者たちが意識しているかどうかは別として、日本のアニメはある意味写実的なのです。

 ところで、このCG版ドグラ・マグラ、時代は近未来だし、ストーリーもかなり端折っているけれど、どこか原作に「写実的」であるように感じるのは、作画的なことではなく、実は人間の心の「重力」をしっかり描いているからでしょう。

 そう考えると小説においても、「重力」の表現が重要であることが分かってきますね。

 特に「胎児の夢」と「脳髄論」については、現代においてもいろいろと考えさせられます。私の「モノ・コト論」にも深く重く関わってきます。

 というわけで、久しぶりに夢野久作を読んでみましょうかね。今は無料で読めますから。

Amazon 夢野久作

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2021.08.04

高山良策 『ガッツ星人の造形』

Th_unnamed_20210805100601 山良策ネタが続きます。

 私も西桂町に5年以上住んでいましたが、地元の人も高山良策のこと知らないんですよね。案外。

 西桂は本当に小さな町ですが、少なくとも歴史的な天才4人を生んでいます(スポーツ選手除く)。

 川合信水と肥田春充の兄弟、高山良策、そして李良枝です。

 これってワタクシ的にはけっこうすごいことなんですが、やはり地元の皆さんはあまり意識してきません。町としてもあまりアピールしていませんね。

 さて、高山良策ですが、シュルレアリスムの影響を受けつつ、戦中は国策映画のミニチュアを作ったりしておりました。その反動からか、戦後、山下菊二らとともに共産党員として左翼活動にいそしみます。山梨県出身ですから、もしかするとあの「曙事件」にも山村工作隊として関与していたかもしれませんね。

 その後共産党からは離れますが、反戦・平和運動は続けていたようで、ウルトラシリーズや大魔神の造形にも、そうした思想が反映していると考えられます。あの時代ですから、多くの表現者たちがそうした思いを込めて作品を作っていたことでしょう。そろそろそういう視点からの研究もなされていいかと思います。

 さて、そんな高山良策の優れた造形の中でも代表作の一つとして語られるのが、このガッツ星人ではないでしょうか。

 彼が実際にどういう作業でその歴史的な「敵」を作り上げたのか。それが分かる貴重な映像があります。

ある小さな記録

 これはもう完全に芸術の領域ですよね。本当にすごいと思います。限られた時間と予算と人員の中で、毎週のように「芸術作品」を生み出し続けた高山良策。本当に尊敬すべき天才ですよ。私だったら、高山良策美術館を作りますね、町に。

 

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2021.08.03

妖怪特撮映画祭

Th_main_visual_right 日のケムール人からの大魔神。

 山梨県西桂町出身の「怪獣の父」高山良策。ウルトラQとウルトラマンの間で、高山さんは京都にて大仕事をこなします。

 それが「大魔神」。

 この夏公開の「妖怪大戦争 ガーディアンズ」にも大魔神が登場するようですね。

  大魔神について昔なんか書いたなと思ったら、こんな記事がありました。

 秋田(&山梨)と大魔神

 コロナでなかなか行きにくいのですが、東京で魅力的なイベントが複数あります。

 その一つがこの「妖怪特撮映画祭」。特に4K化された大魔神3部作。怪獣もの、特撮ものはやはり大画面で見たい。

 大魔神の見どころは「造形」ですよね。大魔神のスーツはもちろんですが、ミニチュアの「実感」はCGでは表現できません。

 やはり物理エネルギーの動き、すなわち質量、重力がCGでは表現できないのですね。これは現代テクノロジーの大問題点です。昭和期の日本の特技の再評価すべきてしょうね。

 

 

 

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2021.08.02

ウルトラQ 『2020年の挑戦』

Th_img_ultraq_19 日、NHKで4K版が放送されました。35mmフィルム(モノクロ)の情報量の多さに改めて驚かされました。

 本放送は1966年。私はまだ2歳になっていなかったので、おそらく見ていません。

 当時からすると「2020年」は本当に「未来」だったのでしょうね。

 金城哲夫の脚本、特技含めた全体の編集、ミニチュア、そして山梨県は西桂町出身の高山良策の造作となるケムール人の存在感が素晴らしい。

 こうして当時の「未来」が「過去」になってしまった2021年、ケムール人ならぬ地球人の「挑戦」は、コロナとの戦い、そしてオリンピックの開催。

 「AKIRA」などと同様、あの頃の「未来」をこういう形で迎え、その予測や予言が当ったり当たらなかったり、そういう検証ができるのは面白いですね。やっぱり、あの頃の人たち(自分も含めて)の意志や直観が未来を作っているということですね。

 製作は1966年ですから、前の東京オリンピックから2年ですね。日本はイケイケドンドンの高度経済成長を本格化していきます。

 医療の発達により500歳の寿命を得たというケムール人には、当然未来の人類が重ねられたことでしょう。経済成長が50年続けば、もしかすると私たち人類はケムール人になっていたかもしれません。

 さあ、今の私たちはどんな50年後を作るのでしょうか。

 ケムール人のこの走り方、真似しましたね(笑)。スーツアクターはのちにウルトラマンの中身となる古谷敏さんです。

 

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2021.08.01

アルビノーニ 作品10 (イ・ムジチ合奏団)

 日も私の「青春」時代の音楽を一つ。

 ずいぶん前に、イ・ソリスティ・ヴェネティによるレコーディングをおススメしました。この記事に、私のほろ苦い青春時代の話が書いてあります(笑)。

 昨日の「ピーマン」じゃないですが、時代が変わって、かつてリアルタイムでは知ることができなかった「真実」が、ネットで判明するようになりました。

 このアルバムもその一つ。12年前の記事では「この作品10はおそらく他の録音がないんじゃないでしょうか」と書いていますが、なんとその15年も前に超有名な団体が録音していたのでした。知らなかった。

 これって、今でもデジタル化していないと思います。なんででしょうね。それをこうしてYouTubeで聴ける時代になったわけですから、まあ、青春時代の私からすれば、それこそ夢みたいなお話です。

 この曲集が「再発見」されたのは、たしか1960年頃。その8年後の録音です。

 ミケルッチ時代のイ・ムジチらしく、流麗さと厳格さを兼ね備えた演奏となっており、最近の古楽器の演奏には全く感動せず、また、青春のイ・ソリスティ・ヴェネティ版もこの歳になるとやや甘ったるすぎに感じられる中、非常なる好感を抱きました。

 録音当時も、そんなに評判にならなかったのでしょうかね。アルビノーニと言えば当時も作品9。たしかにあの作品集は素晴らしすぎますが、時代に逆らわず進化したアルビノーニを堪能できる、この作品10もやっぱり私は好きですね。

 いつか演奏したいと思いながら、なかなかその機会がありません。ちなみに最近、パート譜も全部手に入るようになりましたので、なんとか死ぬ前に演奏したいものです。

IMSLP 12 Concerti a cinque, Op.10 (Albinoni, Tomaso)

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