ヴィヴァルディ RV 298 よりラルゴ
ヴィヴァルディはあの時代的にはかなり革命的な作曲家でした。
今となっては、ワンパターンにも感じられる作風ですが、当時それがあまりに革新的で大流行したからこそ、似たような曲をたくさん作ったんですね。かつて私はよくバロック時代の小室哲哉と評していました。
緩徐楽章もかなり個性的です。そして、時々とてつもなく美しい曲を書く。この曲もその一つです。
下降音階の低音の繰り返しの上に、これでもかとおいしいメロディーをまた繰り返すあたり、間違いなく当時の流行ソングを作ろうという気概がうかがえますね。
これほど露骨にコテコテの「歌」を作っちゃうところこそ、その革新性です。そして、それが後世に大きな影響を与えた。あのバッハも基本的なところでいろいろ真似をしています。
というわけで、今から40年ほど前に聴いてうっとりした演奏から。今聴いてもやっぱり美しい音色のフェリックス・アーヨとイ・ムジチ合奏団による演奏です。1963年の録音。
最新の古楽の演奏ではどんな感じなのでしょう。2017年の録音です。
この曲に限っては、モダンのロマンチックな演奏の方がいいかも。それほど未来的な曲を書いたということですよね。
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