今起きていることは「国際紛争」なのか?
毎年、この日になると憲法のことを書きます。
世論調査では改憲派が護憲派を上回っているとのこと。ただし、改憲派には多くのレイヤーが存在していますが、護憲派は一枚岩だということを忘れてはいけません。
私の立場は非常に明確です。
日本語としての瑕疵や時代に合わない部分など改訂すべきところは改訂する。改正ではなく改訂です。
9条は戦争の形態が大きく変わっている現在においては問題山積ですが、だからこそ「放置」する方が良い。9条だけは抽象的、未来的な捉え方をするのが良い。
また、その制定過程を考えると、つまり、それが(昭和)天皇の命と同価値であることを考えると、9条を改訂することは天皇の否定につながる。そのことを忘れている国民が多すぎる。
そのことに関しては、2年前の今日、改憲派のトップに直接お話をさせていただき、ご理解をいただきました。
今日は、今年1月に紹介した仲小路彰の憲法(9条)観を再び紹介します。仲小路彰は高松宮さまのブレーンでした。当然、昭和天皇の意志を知る立場にあったわけで、その時点ですでに、我々一般国民とは違う次元から、日本国憲法を見ていました。
ここでの「世界革命勢力」とは、もちろん共産主義のことであり、「旧概念の国家戦争」に対する新しい戦争概念とは、情報戦、心理戦、生物兵器戦などのことです。
現在の世界の状況を考えながら、ぜひお読み下さい。今起きていること(コロナ含む)は、はたして国際紛争なのでしょうか。もし国際紛争ではなく、「世界的破壊性をもった内外よりする革命」であったとしたら、私たちは(新しい概念の)自衛的な戦争をすることも可能なのではないでしょうか。
昭和28年12月発行「地球との対話 16 憲法改正可否に関する具体的問題」より
今後、日本が自ら防衛し、また阻止しなければならない戦争とは、本質的な意味において、世界的破壊性をもった内外よりする革命であり、第三次世界大戦とは、まさに世界革命勢力の侵入に対する防衛に他ならないであろう。日本は現憲法に規定された旧概念の国家戦争には今後絶対参加する意志はなく、この点現憲法の精神は、日本の決意を示すものとして、そのままなんら変更される必要はないのである。
(中略)
この観点に立って平和憲法を考えるときそれは日本の進むべき方向を明示した、むしろ、未来への宣言として考えられるべきものであり、近代国家概念をこえた次の時代に導く最も象徴的、哲学的な最高の理想というべきである。そこには改正されるべきなにものもないであろう。
(中略)
それは今後全世界にわたる革命による破壊をもこえて、各国各民族をしてここにまで至らしめねばならない地球の普遍的法の原型となりうるものである。
それは平面的な憲法改正論の次元をこえたものであり、むしろ平和への最高の道徳律として、さながら聖徳太子の十七条憲法が最高の道徳的規範として、今日にいたるまで少しもその意味を失っていないようにいかなる現実の変貌にも耐えて、今後の人類の方向を導く象徴となるものである。
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