『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 若松孝二監督作品
忙しくて本を読んだり映画を観たりする時間がとれません。そこで、朝4時半に起きてその時間を確保することにしました。
とりあえず録画してあったこの映画を鑑賞。朝から気分を悪くしました(苦笑)。
私と三島はどうも相性が悪い。仲小路彰も三島には厳しかった。
仲小路は「三島には音楽がない」と語ったそうです。なるほど。
さて、この映画の公開直後、何かの因縁か若松監督は不慮の事故で亡くなってしまいました。
三島や森田必勝は、この映画が気に入らなかったのでしょう。
井浦新の三島が軟弱すぎる(肉体的にも)と評されることが多いのですが、私には、三島の「弱さ」の表現、ある種の「かっこわるさ」の表現としては良かったと思います。
つまり、若松監督は決して自決を美化しようとしていなかったということでしょう。
『三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実』についての記事でも、私はけっこう厳しいことを書いています。結局、楯の会も、自衛隊入隊も、討論も、そして自決の日も、茶番でしかなかったのかもしれません。
結局、味方だと思った自衛隊に無視され、揶揄され、辱めを受けて死ぬしかなかった。それは戦前の二・二六事件と似た構図に見えるかもしれませんし、三島はたしかにそこに自分を重ねていたのでしょうが、やはり本質的に大きな違いがあるのです。舞台が違うのに、同じシナリオを演じてしまう滑稽さ。
皮肉にもそんな「不甲斐ない」雰囲気が、若松監督によって見事に表現されてしまったということでしょうか。
若松監督の方こそが、時代に殉じたのかもしれませんね。
Amazon 11.25自決の日
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