『海辺の映画館 キネマの玉手箱』 大林宣彦監督作品
今日は4月10日。昨年の今日、大林宣彦監督が亡くなりました。
今日鑑賞したのは、監督の遺作です。
これはすごい映画ですね。いよいよ映画の域を超えたかもしません。
夢のごとき時空を行き来する急展開と矛盾。それがいつの間にかリアルに感じられるようになるから面白い。
正直、死の直前の走馬灯ってこんな感じなのでは、と思ってしまいました。いや、きっとそうなのだろう。
ウソから出たマコト…映画の域を超えたと書きましたが、映画の機能を考えると、これこそが映画なのかもしれません。
悲劇が喜劇に、喜劇が悲劇に。戦争が平和に、平和が戦争に。ウソがマコトに、マコトがウソに。
大林監督が戦争にこだわるのは、単純に「反戦」が目的ではないでしょう。
変な言い方ですが、好きでないとここまでここまでこだわれないですよ。そこもある意味矛盾なのでしょう。
なんか最後は、寺山修司の実験映画を観ているような気がしてきました。そう、戦争自体が壮大なる実験なのでしょう。
実験映画の名作を遺して大林監督はあちらの世界に旅立ったのでした。おそらく向こうから見ると、私たちのこの実生活こそハチャメチャな悲喜劇に見えるのでしょう。
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