日本の象徴ー天皇ー日を嗣ぐものの伝統
今日は昭和の日。昭和天皇のお誕生日です。今年は昭和天皇御生誕120年の年。
それにちなみまして、同年に生れた仲小路彰の天皇に関するある文献の一部を紹介します。
両巨人の生誕120年ということもありますので、今年中になんとか全文を公開できるよう、私もお勤めさせていただきたいと思っております。
◎ 日本の象徴
古代帝国の絶対者でもなく
中世における神権的統治者でもなく
近代国家の主権的国王でもなく
まして 現代の独裁者や
大統領的存在とは異るもの
かかる天皇とは
いかなる本質をもっているか
天皇は日本文化の最高の象徴である
長い文化の流れは 幾度か曲折したり
激したり 滝となり またよどみながら
いつも一条の光を反映している
そこには 幾多の断層があり 苦難があり外からの重圧もありながら やがて一つの統合の中に発展し来ったのは やはりこの光の歴史によるのである
日本人は その国土とともに天皇と悲喜をともにしつつ 文化を創造して来た
その文化の断絶や矛盾をよく超克し得たのは その一つなるものに生命的に固く結び合ったからである
ややもすれば それは神秘な雲に閉されたり 菊のま垣にへだてられたりしつつも いつも民族の深い普遍的な潜在意識の中に投影されて いささかもはなれることはなかった
そして それがあまりに意識の底にひそむために なかなか客観的に表現することを許されなかった
◎ 科学者天皇
日本の皇室は自然の中に根源的に生成してゆく象徴として 日本の国土の存在とともに生命的な発展を示すのである
生命への畏敬……生きとして生けるものへのあまねき愛情……そこに太陽のくまなき光の愛があり……日を嗣ぐものの真の伝統を見出すのである
◎ 未来への光
日出ずる国の朝の光は 日々に新しく
また美しい
その光の中にこそ愛が生れ
善がのびゆき
そして神々の誕生を祝うのである
かくて国生みの神話は
永遠の今にあっても
くり返されていると観じるのが
日を嗣ぐものの伝統である
かつてはるかな古に
氷河時代の苦しみを避けた原始人が
洞窟の中で死をまぬがれ
ようやくに新しい太陽の光を仰いで
新生の喜びをうけた時以来
人類は太陽を崇拝して来た
しかし 氷河は去って気候が激変し
エジプトやアラビア等文化地帯が
熱帯砂漠化するとともに
太陽を恐れて
他の神を信じはじめる
これは どこの文化の発展の
歴史にあっても同様であるが
ひとり日本のみは
はるかな太陽信仰が
やさしい女性の
アマテラス信仰となって
国土を豊かに恵み
人々を光の中に 生かすのであった
そして その正統の流れの中に
アマツヒツギとしての高貴な
純粋性をいささかの曇りもなく
光のままに生きゆくものの実在を
日の御子として
日嗣の御子として
今 日
ここに明らかに見るのである
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