バッハの適正律をジルバーマン・ピアノで
昨日に続いてジルバーマンのピアノを聴いていただきましょう。バッハの平均律…いやいや、演奏者の武久源造さん流にいうと「適正律」の有名な第1番です。
平均律という訳にもたしかに問題ありですよね。今でいう平均律ではなく、純粋にその曲、その調性に合った正しい調律という意味かもしれません。
ここでは武久さんは「平均律」を採用し、しかしそれをあえて「適正律」と訳し直しているようですね。
それにしても、この楽器の音はそれぞれの音程で非常に個性的ですよね。さらにこの演奏は非常に「不均等」であり、やりすぎなくらいの自由な波動を発しています。
武久さんは目が不自由でいらっしゃるので、私たちのように楽譜に頼って演奏するわけではありません。おそらくは向う(未来)から流れ来る音の波動をピックアップして音にしているのでしょう。だからこれが自然なのです。
ジルバーマン・ピアノは、ある時はクラヴィコードのようであり、またある時はチェンバロのようであり、そしてフォルテピアノのようです。そういうマルチ・キャラクターの楽器は、のちに消えてゆく運命にあるわけですね。
しかし、考えてみると、そのまたのちに、グルっと一周回ってシンセサイザーが生まれ、ワルター・カーロスがああいうレコードを出した。たしかにあの演奏もかなり「不均等」「不均質」でした。
それはもしかすると最先端ではなく、先祖返りだったのかもしれませんね。
今日もシルク絃に関わる会合がありました。めちゃくちゃ「だし」の効いた音を出しましたよ。最高に気持ち良かった。
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