『細野晴臣と彼らの時代』 門間雄介 (文藝春秋)
昨日のユーミンのお宝ライヴでベースを弾いていたのは細野晴臣さん。
先日、友人を通じて細野さんがこの本にサインしてくれました。細野さんが私の名前を記すなんて、まさに夢のようなことです。ありがたや。
今、私がやっている仕事が細野さんにとっても興味深いものであるようでして、こうして応援していただいたおかげで、ますますやる気満々になっているところです。ありがたや。
この門間さんの評伝、たしかに決定版と言っていい内容ですね。細野晴臣という一人の人間の評伝が、これほどに日本の現代史を反映し、そして人生論にもなっており、ある種の宗教書、哲学書でもある…これは本当に感動的なことです。
どこか飄々としており、好きなことを好きな人と好きな時にやってきたというイメージもある細野さん。
実際には、「無我」な存在であり、未来から流れてきたモノをただキャッチし続けてきた人であったことが理解できます。
「無我」「空」であるということは、自他不二ですから、結果として自我が世界にまで、あるいは宇宙にまで拡張するというパラドックス、いや真理を体現してくださったのです。
その真理に関して、心に残った言葉を二つだけ。
細野さん「パーソナルな曲は作ったその人でないと歌えない。自分の曲はほかの誰かでも歌うことのできる作品であってほしい」
松任谷正隆さん「普通は音楽って、誰もが正面から聴くことしかしないんです。なぜならそうやって聴こえてくるから。でも細野さんは音楽を斜めから聴いたりできる。音楽にちがうかたちを見ることができるんです」
私もこの歳になり、ちっぽけですが私なりの転機を迎えている今、この本に出会えたことに本当に感謝です。細野さん、門間さん、そして友人に心から感謝したいと思います。
もう一つ、今取り組んでいることも、どこかで細野さんとつながるかもしれません。それは絹絃です。シルク・ストリングス。この本を読んで、はっと思い出しましたが、細野さんの「絹街道」…これが私の古くて新しいテーマ・ソングになりました。今後の展開が実に楽しみです。
Amazon 細野晴臣と彼らの時代
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