ロカテッリ 『ヴァイオリン協奏曲 作品3の12』
先日、マックス・レーガーの無伴奏ヴァイオリン作品を紹介しました。あれは、バッハのそれの影響を受けた作品でしたね。
こちらは、のちにパガニーニの無伴奏ヴァイオリンのための24のカプリースに影響を与えた作品です。
ロカテッリの協奏曲集「ヴァイオリンの芸術」より12番。
しかし、正確にいうと、これは無伴奏ヴァイオリンのための作品ではありません。なにしろ「協奏曲集」なのですから。そう、有名なカプリースたちは独立して無伴奏ヴァイオリンで演奏されることもあり、また録音もされていますが、本来は協奏曲の中に織り込まれた無伴奏パートなのです。
その名もカプリース(奇想曲)でして、まさにパガニーニをインスパイアした作品です。たしかに変な曲です(笑)。
ロカテッリの作品は、当時(バロック時代)としては異例なほどに高音域を駆使する超絶技巧曲でして、もちろん私なんかとても弾けませんし、弾く気もおきません(笑)。
一般的なバロック様式の奏法では不可能な部分も多く、楽器によっては指板が足りないこともあるようです。
そういう意味では、未来の演奏家のために、あるいはパガニーニのために作られたような曲でして、この動画の演奏も、いちおうオリジナル楽器風ではありますが、楽器も演奏法も現代的です。
超絶技巧であることはたしかですが、では音楽として深みがあるかというと、決してそうではなく、ある意味曲芸的なヴィジュアル重視楽曲と言えましょう。そういう音楽も、こうして動画だとまた楽しいものです。
全12曲ある協奏曲の最後の曲ということで、かなり派手にヴァイオリンが暴れまくっていますね。スコアをご覧になりながらお聴きください(スコアと動画を同時に観るのは無理ですが)。
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