『妙な線路大研究 東京篇』 竹内正浩 (実業之日本社)
近過去の話が続いております。これもそういう意味で面白かった。
考えてみると、鉄道もまさに西洋化の代表格ですよね。そして、それに伴う過去の日本との葛藤や未来の日本への野望。
鉄道はなかなか動かせるものではありませんから、長く私たちの生活に影響を与え続けます。ある意味、私たちは鉄道に振り回され支配されてきたとも言えましょう。
さて、私も昔は鉄ちゃんでした。小学生まで。ちょうどその時は東急池上線の雪が谷大塚駅の近くに住んでおりました。
その池上線で言うなら、まさに少年時代不思議な気持ちにさせられた、あの大崎広小路駅から五反田駅への急坂の謎が、この本で50年ぶりに解けました。なるほど〜。
もともと東京散歩が好きで、東京の特殊な地形と歴史の関係に興味のある私ですから、それこそ都市伝説も含めて路線図を眺めたり、実際に電車に乗りながら車窓の景色の変化を楽しんできたわけですが、この本で初めて知った事実もけっこうありました。
今はコロナでなかなか東京の電車に乗る機会がありませんが、今度乗る時には、この本の知識を元にさらに楽しめそうです。
ところで、大江戸線に乗るたびに体験してきたあのアップダウン感ですが、この本でも詳しく説明されています。つまり、駅と駅の間をすり鉢状にして重力を利用、下りで加速を、上りで減速をしやすくすることによって節電できるというやつですね。
これって、私も小学生の頃、真剣に考えて模型とか作ってました。たぶん、昭和のその頃、何かの雑誌に「重力鉄道」とか「真空チューブ列車」とかの記事が出てたんじゃないでしょうかね。あるいはジェットコースターに乗ったり、ビー玉を使ったおもちゃを作ったりしながら、鉄道マニアだった私がオリジナルで考えたのか(だとしたら天才w)。
ちなみに、また仲小路彰の話になりますが、彼もそうした超高速鉄道について文書を残しています。
ある意味、それがこうして一部実現しているわけで、ちょっとうれしいですね。そんな地下鉄の勾配についての動画を貼っておきますね。地下鉄だと車窓の風景は楽しめませんが、体感と想像力は楽しめますよね。皆さんもぜひ。
Amazon 妙な線路大研究 東京篇
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