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2021.01.08

ジョン・ルイス 『バッハ 前奏曲BWV 852』

Th_-20210109-102920 日のマイルス・デイヴィスからのジョン・ルイス。

 モダン・ジャズの両巨人の対照的な演奏ということになりますか。しかし、ともにジャズからは遠く離れてしまっているところが面白い。

 もう今から15年以上前に、ジョン・ルイスの『バッハ プレリュードとフーガ vol.1〜4』をおススメしました。今でもこのアルバムは大好きです。

 当時はYouTubeなんかありませんでしたから、言葉で紹介するだけで音は聴いていただけなかった。今ではこうして音を共有できるわけですから、まあいい時代になりましたね。

 で、そこにも書いたのですが、私の好きな第1巻の7番と8番と24番のプレリュードだけ、ジョン・ルイスは楽譜通り弾いているんですね。そしてそれがまた素晴らしい内省的な演奏になっている。

 特にこの7番変ホ長調の前奏曲の演奏は、私にとって衝撃でしたし、今でも毎度お〜っ!となりますね。

 肝心なところでどんどん遅くなるというのは、たとえばカール・リヒターの演奏なんかもそうです。今の人たちは興奮すると早くなるんですけどね。昔の人たちは遅くなっていく。純邦楽でもよくありますね。

 テーマの頭の3音のアーティキュレーションが独特かつ自由に変化するところが、ある意味ではジャズ的ですが、もしかするとバッハもそんな感じだったのではとも思います。

 つまり、フーガにせよ、テーマは均一に弾かなければならないというルールはないということです。考えてみればそれは当然です。音楽はまさに「縁起」していものなので、たとえば同じドの音が周囲の音によって意味が変化するように、テーマもその時、その場でそれぞれ意味が違うのは当然なわけで、それは私たち自分という存在を考えても明らかなことですよね。

 というわけで、ぜひじっくりお聴きください。最後に全巻全曲も貼っておきますので、BGMとしてぜひ。

 

 

 

 

 

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